【徹底分析】新型コロナで注目されている100のスタートアップ
お久しぶりです、Plug and Play Japan Marketing TeamのMireiです。
先月公開した「新型コロナウイルスに立ち向かう100のスタートアップeBook」ですがスタートアップ業界の方の他にも、早速医療関係者の方、政府関係者の方、教育関係者の方、金融業界の方、生命保険会社の方や、広告代理店の方などにダウンロードしていただいているようです。こんなに多様な業界の方に関心を持っていただけているなんて驚きです!ありがとうございます!
さて、こちらのeBookなんですが、実は4月14日に作りましょう!と社内で提案してみたところ「いいね〜」と言っていただき、わずか1週間でチーム全員ひいひい言いながら作って4月23日に関係者限定で先行公開。4月24日に一般公開したものなんですね。
そこで今回は本当だったらこれも入れたかった!という100社徹底分析情報をこちらのnoteで公開します!eBookをまだダウンロードしていないという方はこちらでダウンロードして、参照しながら読んでいただけるとなるほど〜となると思います!分析の対象項目はこちらです!
シリコンバレー本社が出した28社をまとめたeBookとの比較
Plug and Playはシリコンバレーに本社がある世界最大のアクセラレーター/ベンチャーキャピタルです。今回の新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、シリコンバレー本社はいち早く28社をまとめたeBookを公開しました。こちらの28社には日本のスタートアップは1社も入っていなくて主にアメリカとイスラエルのスタートアップが紹介されています。ここで紹介されている28社とPlug and Play Japanで紹介した100社とのカテゴリー比較が面白かったので最初に紹介しますね。
まず本社が集めた28社をカテゴリー別に見ると一番多いのが、Medical Equipment (医療機器) のスタートアップです。全体をみてもVaccines(ワクチン)など医療機器のスタートアップがかなり多いことが分かります。
一方、日本の集めた100社は半数近い41社が日本のスタートアップだったのですが、こんな感じでMedical Equipment (医療機器)のスタートアップが3社しかいないんですね。カテゴリーで最も多かったのはRemote Work (在宅勤務) に対応したサービスを開発するスタートアップです。医療機器系というのにフォーカスすると、Medical Equipment (医療機器)3社Vaccines1社しかないということで、日本には医療機器のスタートアップが少ないのでは?という仮説が立てられます。
日本には少ない医療機器開発を行うスタートアップ
この仮説を検証する上で参考になるのが、世界のユニコーン企業の業界分布です。ここで注目してほしいのが、ユニコーン企業数トップにランクインしているアメリカ、中国のHealth(健康)分野のスタートアップの多さです。医療機器を開発するスタートアップはこのカテゴリー分けだとHealthに含まれますが、このようにユニコーン企業の事業領域ランキングトップ9を見るとHealth領域が上位にランクインしていることが分かります。
(Source: CB Insights "Complete List of Unicorn Companies")
一方で、日本のユニコーン企業7社の事業領域を見ていきましょう。
このようにHealth(健康)領域のスタートアップが1社も入っていないことが分かります。
日本で医療機器開発を行うスタートアップが少ない理由としては、
①医薬品医療機器等法といった参入障壁が高い
②医療機器の承認制度には深い専門知識と医療分野での勤務経験が必要になるため、ある程度医療業界でキャリアを積んでから起業という大きなアクションを起こすことが必要となる
というようなことが考えられます。
コロナを受けてピボット/既存サービスの無償化など100社の対応は様々
次に見ていきたいのは、新型コロナ拡大を受けてスタートアップがとったアクションです。
最も多かったのは新型コロナ感染拡大に伴って、営業を強化し既存サービスの注目度・顧客数を上げたスタートアップです。次に多かったのは新型コロナ拡大を受けて、新たなサービスを緊急に開発・提供開始した企業。僅差で次に多かったのは、既存のサービスを無償提供した企業でした。その他には、新プロジェクトを始動させたり業務提携を行った企業が存在します。
既存のサービスの無償提供を行った会社よりも新サービスを開発・提供した会社が多かったことには驚きました。
ここで1社、短期間で新サービスを考案し提供を開始したスタートアップの例を挙げます。
【事例】少人数のドアツードア「通勤シャトル」活用企業の募集を開始した株式会社NearMe
株式会社NearMeは、「タクシーの相乗り」アプリとオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトルTM」を展開しているスタートアップです。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、空港送迎のスマートシャトルを運営することで発展させてきた、独自のルーティングAIを活用し、仕事の関係でどうしても出社しなければならない方々に向けて、少人数制の通勤シャトルの募集を4月16日(木)より開始しています。
次に100社の設立からの経過年数を見ていきましょう
この分析で分かったのは、設立から3~4年経過しているスタートアップが最もアクティブにこの非常事態に対応していたということです。
設立から年月が経過しているスタートアップの方が、こういった非常事態に柔軟に対応を行える地盤を築けているのではと仮説を立てていたのでこの結果にはかなり驚きました。
2017年に設立された設立からの経過年数3年のスタートアップの例を挙げます。
【事例】設立から3年のスタートアップ株式会社hokanは業務提携を締結
新型コロナウイルス感染症拡大を受け、株式会社hokanは「お金の健康診断」を提供する株式会社 400F と業務提携をしました。この業務提携により、従来 hokan® で可能であった非対面ベースの意向把握業務・蓄積データを活動した保全活動に加えて、チャットやオンライン商談を中心としたマーケティング・インサイドセールスベースの保険募集活動を推進していくそうです。
最後に個人的に気になったコロナテック100社の創業者男女比を見ていきましょう
世界的に見ても日本の女性スタートアップ創業者数は最低レベルと言われています。
世界に5億8,200万人存在すると言われている起業家のうち、43%は女性ですが、日本国内のデータを見てみると、女性起業家は19.3%だということが分かります。
Source: GEM Population Survey
さらに今回特集した100社の分析を見てみると、創業者が女性の企業はたったの10% …
掲載100社中41社が日本の企業だったということが原因だと考えられます。
女性が創業した数少ないスタートアップ10社のうち、日本のスタートアップ1社を最後にご紹介します。
【事例】多言語24時間対応のチャットボット開発 Bespoke
こちらの記事でも紹介させていただいたBespokeは、利用者が設定した言語で24時間対応してくれるAIチャットボットBebotを開発しているスタートアップです。
創業者は綱川明美さんという女性です。旅行が大好きだったという綱川さんは旅行先での地元の人がいたからできた感動体験をスマホで再現できたらと閃き起業したそうです。
様々な角度からeBookでご紹介した100のスタートアップを分析してみましたが、いかがでしたか?
まだeBookをダウンロードしていないという方、この記事ではご紹介できなかったスタートアップが多数紹介されていますのでぜひこちらからダウンロードしてご覧ください。
※この記事は2020年5月に書かれたものです。
この後にも2度目の緊急事態宣言以降注目を集めるコロナテックスタートアップ40社といったテーマでnoteを書いているのでこちらも是非。