詩『今日の雨音は、あしたを待つ未知の旋律』

(1.)空を洗い流すために、世界がもういちど生まれ直すために、半分、涙をハイブリッドした雨が降り出した。御主人様、どうか泣かないで。きっとこの世界の滴る檻もいつかほどけてゆくから、きっとひとびとの左胸をあけて、白いひかりと風の摘出手術が成功するから、緻密な神様の試練もやがて紐解かれてゆくだろう。

(はるーーー、とおい春、雨も雪に変わりそうな、さむい、さむい、季節の折り返し地点にて、渋滞中のため息がやわらかい輪郭を描こうとしている、
Shape of my love……)

(2.)雷鳴。まだまだ雨はつめたい音を立てて、硝子を演奏している夕暮れ。灰にけぶる黄昏。ほのかなひかりを探して、ぼくの御主人様がどこかで反転したフィルムを捲っている。

『コン、コン、コン！』

固くてかわいたフィルムに
ひかりを与えて下さいませ
反転してしまった世界こそ
また反転させて下さいませ

(3.)御主人様、泣かないで。ぼくは沈黙して、扉の内側で待っている。ほかの動物たちが激しく泣けば泣くほど、口をきちんと噤むんだ。御主人様のために吠えたりするけど、1秒も困らせたり、1㎎も泣いたりしなかったもの。しずかに、しずかに、明かりは芽生えるから、その明かりのなかに、御主人様の解放された笑顔が点灯するのをじっと待っている。

ーーーそう、今日は雨。
明日の方向へ、虹の湖。

『It's rainy day and so I'm waiting for my boss……』

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初めまして。Noteを始めたばかりの未来の味蕾(みらいのみらい)です。デザイン、芸術、写真、詩などの作品を制作しております。学生時代はデザインと絵画を学んでいました。よろしくお願いします🙌