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詩『しずかなともしび』
明けましておめでとう
私から数多のわたしへ
明けましておめでとう
わたし、からあなたへ
はじまる
はじめる
はじめて
はじまり
2022年 の はじめまして が ひとつ ひとつ 咲きだした
初風呂で身体を磨いて
からだの外側も内側も
石鹸で擦って白紙へと
水蒸気でくもった鏡を
近視の眼球で見つめて
至近距離で拭いてゆく
『きゅっ、きゅっ、旧年は大変お世話になりました。また今年もよろしくお願いします』
素顔のわたし、を直視する
これからは眼をそらさない
私がわたし、を受け入れて
またあらたに始まってゆく
豪華なシチューを作ったり、創作和風パスタを作ったり、でもやはりお正月は伝統的なお雑煮やおせちを家族で囲む。何度も始まったり、終わったり、伝統と革新のはざまで、すべてはつながっている。過去、現在、未来、区切りも節目もひとが作るもの、作りあげるもの。劇的に何かが変わったり、破壊したり、終焉を迎える訳じゃない。
歴史の波が寄せては返す。ちいさな幸福は流されずに、それぞれの胸のなかに灯っている。汚れた手のひらで砂金を探すよりも、みえない幸福の火種を感じること。そしてその感覚を信じること。それぞれのあたたかさを分け合いたい。透明な暖炉のまえで、枯れ木のような指先たちも、青々しい枝葉がふたたび芽吹く日がくるだろう。
2022年に揺れる炎が
強い風に吹かれても
灯火はわたしの中に
しずかに眠っている
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