『感謝』と『不満』どっちを味わうのが好き?
お箸を手に取りながら、その流れで両手を合わせ、『いただきま~す』と小声で言いつつ目線の先はテレビ…の娘。
彼女にとって『いただきます』は、食べる前のただのルーティンに見える。
だが、食べ終わった後、SNSの知らない人からの、ちょっと気持ち悪い内容のDMに気付いた時には、
『なんなのコレ!!( `ー´)』
『ねえ、聞いてよママ~!』と、その不満を、とても表情豊かに大きな声で教えてくれた。
あ、これは我が子に『いただきます』をちゃんと言えるように躾けましょう!という話ではありません(笑)
誰しも毎日あるであろう、『いただきます』を言う機会。
考えてみれば、食べるという行為は、人が生きる上で欠かせない。
それが当たり前のようにできているのであれば、ありがたい時間であるだろうが、娘のように儀礼的になっている人は意外と多いのではないだろうか。
かく言う私も若い頃は、娘と同じく、その瞬間に『ありがたい』という気持ちをしっかり味わっているということはなかった。
大人になっても子供たちが小さい頃は、せわしない日常という言い訳のもと、心のこもった『いただきます』を言うどころか、食事を味わうこともままならぬ早食い…。大事な『いただきます』を言える時間をかなり雑に過ごしてきた。
ここまで書きながら、ふと思い出した。
『いわしくん』という絵本のこと。
息子が小さい時に図書館で借りた絵本なので、しっかり覚えている自信はないが、私の記憶では…
海で元気に泳いでいた一匹の『いわしくん』が、釣られ、買われ、焼かれ、そして食卓に上り、男の子に食べられる。
最後のシーンでは『いわしくん』を食べた男の子が、学校のプールで元気に泳いでいる姿が描かれ、その姿と共に、『ボクはおよいだ』という、いわし君のつぶやきで締めくくられる。
いわしくんは男の子に食べられることで、命は失うのだが、男の子の身体の一部となって生き続け、再び『泳ぐことができた』というお話。
この、いわしくんの『ボクはおよいだ』の言葉にジーンとしたものだ。
子育ての傍ら、絵本などを通して、『いただく命』に思いを寄せることもあったが、結局、慌ただしい日常に追われて、つい儀礼的な『いただきます』になっていた。
一方、慌ただしさへの不満の方は、口に出さずとも『あ~忙しい忙しい…』と感じまくっていた。
つい脱線して、タイトルから離れてしまったが(汗)
何が言いたいかというと、
『いただきます』と言える時間は、食べることへの感謝を表現できる機会だ。
それよりも、『不満を言う出来事』に強く意識を向けている人の場合、ちゃんと食べられている事よりも、不満を言う出来事の方を重視して生きている。
最初に登場した娘の日常の一コマや、過去の私も、感謝よりも不満を表現したり味わうことに比重を置いているつもりは全くない。
だが、その時の姿だけを切り取って俯瞰すると、どう見ても『いただきます』よりも不満を味わう方に積極的だ。
これは『感謝する出来事よりも、不満を言いたくなる出来事を味わいたい人』とも表現できる。
不満を言っている方が楽しいし、怒ってる方がなんだか活力が湧いてくる!というタイプの人もいるかもしれない。そういう人は、不満や怒りにエネルギーを使っていても、ストレスに感じないだろう。
そんなタイプとは逆に、日常に不満が多い事にストレスを感じるという人は、ぜひとも感謝する時間の方を不満以上に味わって、その時間をあえて意識するようにしてみて欲しい。
するとあなたは『人生において、不満を言うよりも、感謝する時間の方が大事な人』になる。
あなたは感謝と文句、どっちを沢山味わうのが好き?
読んでいただき、ありがとうございました。