
金融教育を受けている子どもたちだけでなく大人も金融を勉強することが大事

学校教育において金融教育が行われるようになったと聞いていますが、子どもたちはどのようなことを学んでいるのでしょうか?
また、保護者として子どもに質問されたときにきちんと教えられるようにしておきたいと思っています。大人はどのようなことを勉強したらよいでしょうか?


1 2022年度から小学校、中学校、高等学校で金融教育が義務化されている
2022年度から義務化された、小学校、中学校、高等学校における金融教育の学習内容はつぎの表のとおりです。


2 金融教育は子どもたちが経済的に自立して賢明な金融判断を行えるようになるために行われる
金融教育が義務化された理由や目的はつぎのとおりです。
(1)理由
①資産運用の必要性の高まり
少子高齢化の影響により公的年金だけでは老後の生活を支えるのが難しくなってきています。
そのため、個人が自力で資産を形成する必要性が高まっているのです。
②成人年齢引き下げによるトラブル増加の懸念
2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
若年層がクレジットカードやローン契約などを自分の意思で行えるようになったため、金融トラブルが増加する懸念があります。
③諸外国と比較した日本の金融教育の遅れ
日本は諸外国と比較して金融教育が遅れており、金融リテラシー(注)の向上が求められています。
(注)経済的に自立し、よりよい生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のこと
(2)目的
①自立する力を身につける
経済的に自立するために必要な知識や判断力を養い、将来の生活設計や資産形成に役立てることを目的としています。
②社会と関わる力を身につける
金融や経済の仕組みを理解し、社会とのつながりや自分の行動が社会に与える影響を自覚する力を養うことを目的としています。
なお、金融広報中央委員会が金融教育の支援を行い、金融リテラシーの向上を目指しています。

3 学校教育と並行して家庭でも保護者などの大人ができる金融教育がある
家庭で保護者ができる金融教育として、つぎの表のような内容が考えられます。
家庭でも、子どもたちが将来の生活に役立つ金融リテラシーを身につけさせられるのです。


4 保護者などの大人も金融を学ぶ機会を設けるとよい
保護者などの大人も、つぎのような取り組みにより金融について学ぶことが推奨されます。
保護者自身が金融リテラシーを高められれば、子どもたちの模範となれるでしょう。
(1)基本的な金融知識の習得
①書籍やオンラインコース
金融に関する基本的な書籍やオンラインコースを利用して基礎知識を身につけます。
②金融機関などのセミナー
銀行や証券会社などが開催するセミナーに参加して専門家から直接学びます。
(2)実践的な経験の積み重ね
①家計管理
家計簿をつけて収支を管理し、予算を立てる習慣を身につけます。
②投資の実践
少額から始めて株式や投資信託などの投資を実践し、リスクとリターンを理解します。
(3)継続的な学習
①金融ニュースのチェック
日々の金融ニュースをチェックし、経済の動向や金融商品の変動を把握します。
②専門誌やウェブサイトの活用
金融に関する専門誌やウェブサイトを定期的に読んで最新の情報を得るようにします。
(4)家族との共有
①家族会議の開催
家族全員で定期的に家計や投資について話し合い、情報を共有します。
②子どもへの教育
子どもに対して、日常生活の中でお金の使い方や貯蓄の重要性を教える機会をつくります。
(5)専門家への相談
ファイナンシャル・プランナーや税理士などの専門家に相談して適切なアドバイスを受けることも勉強になります。

金融教育は、子どもたちが将来の生活設計や資産形成に役立つ知識を身につけるために行われています。
将来にわたって豊かな生活を実現するための知識やスキルを身につけるべく、大人もともに学び続けていくことをおすすめします。