私も本を送るサンタクロースになれた
12月といったらクリスマス。
私が子どもの時にサンタクロースが来たかどうかはあまり覚えていない。
うちの両親は私が幼い頃から折り合いが悪く、クリスマスに何かする余裕なんて母にはなかった気がする。
じゃあ、貧しかったのか?といえばそんなことはない。
母はピアノを教えていたし父も離婚していたわけではなかったから、家にはほとんどいないものの生活はちゃんとしてくれていたんだと思う。
母方の祖母も母も本が大好きだったから、欲しい本は買ってもらっていたし、家に本も沢山あったし、私はとにかく本が好きだった。
『大どろぼうホッツェンプロッツ』『アーサー王物語』『大きな森の小さな家』『やかまし村の子どもたち』『スプーンおばさんの小さな冒険』『赤毛のアン』『小公女』『秘密の花園』『誰も知らない小さな国』『ホームズの冒険』これを書いているだけで記事が埋まっちゃいそうなほど。
本は寂しいときも悲しいときもなんでもないときも、いつも傍にあった。
ページをめくると学校での嫌なことなんて飛んでいって、いろんな世界に出会えていつでもその世界に行くことができた。
開拓時代のアメリカで豚のしっぽを焼くところや冬の寒さを想像したり、小人の世界で過ごしてみたり。
でも、今の日本で本をなかなか買ってもらえない子どもたちがいる。
借りればいいじゃないっていうのもあるかもしれないけど、誰かとシェアせず期限がきても返さずにすむ「自分の本」を持っているというのは、心の豊かさや子どもの成長に大切なことだと思うのだ。本と自分の親密な関係は、「自分の本」だから成り立つし、何度も何度も思い立った時に本を読み返せるのは「自分の本」だから。誰にも何にも遠慮しなくていい。
相対的貧困というものがあるということは知っていたけれど、高瀬志帆さんの『二月の勝者』という中学受験漫画には、中学受験できる子どもたちだけでなく相対的貧困だけど勉強したい子どもたちのことも描かれていた。
そんな子たちにボランティアで勉強を教えている人たちがいる。自分もなにかしたいけど勉強は教えられないし…と思っていたら、ひょんなことから【ブックサンタ】という活動があることを知った。
本屋に行って本を選んで寄付したり、オンラインで本を選んで寄付したり、選び方が分からないという人にはクラウドファンディングもある。
私もさっそくいそいそと選んで何冊か寄付させてもらった。
https://bookshop.charity-santa.com/
絵本はたくさん寄付があるけれど、小学生や中高生用のはそれほどでもないらしい。なので、娘が大好きだった小説や親友が大好きだと言っていた小説や自分が夢中になって読んでいたものを選んだ。誰かに届くことを思って選ぶのは贅沢で楽しい時間。
クリスマス…と聞くといつも温かい気持ちになる。書いていて思い出したけど、『大きな森の小さな家』は祖母がクリスマスにたくさんの美味しいものと一緒に送ってくれたものだった。『モモ』もある年に送ってもらったな。私の成長に合わせてその時その時に合う本を送ってくれていた。祖母は私のサンタクロースだった。あれから何十年も経って、自分も誰か見知らぬ子のサンタクロースになれるなんて、なんて素敵なクリスマスプレゼント。
全体のHPはこちらです。
ブックサンタ2021
https://booksanta.charity-santa.com/
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