【企画参加】2024年の一冊は?
創作を書くようになって
書き上げるたびに
落ち込むようになりました。
自分の能力の無さに。
ちょうど良い表現が出来ずにもがいて
何とか形にしても、
不自然に飾り立てたことばでは
人は感動しないから、
悩んで、追加して、差し引いて。
これの繰り返し。
大体、私は活字を読むことはしても
新聞ばかりだから
※それさえも積ん読のことが
多いけど。
人の心を掴むような表現が
出来ないんだ。
新聞は簡潔に
飾り立てずに書かれているから、
そっちに引っ張られたら
事務仕事としての分かりやすい文書は
書けるかもしれないけれど、
感動からはほど遠い。
それなら、くよくよ悩む前に
行動しろ。
そう思っていつからだったか
小説を意識して読むようになりました。
少しでも何か
掴みたいと思って
手に取っても、
実際は物語の世界に惹き込まれて
分析したり解析したりは
出来ないことが殆どです。
今年は感動して忘れられない本に
たくさん出逢いました。
まあまあのものも
イマイチのものもありました。
ただの素人が
何をもってそう決めつけるのか、と
不快に思われるかもしれませんが、
要は好みです。
好みなんて千差万別ですが
それを敢えて分かった上で、
今年読んだ本の中でも
特に私が気に入ったものを
あげるとこうなります。
読了したってすぐに
記憶から零れ落ちてしまう本は
たくさんあるのですが、
上に挙げたものは今だって
すぐに概要を思い出せて
心が熱くなるものばかりです。
今回は悩ましいのですが
企画参加のため、
ここから更に1冊
選ぼうと思います。
うーん。
3冊に絞るなら、個人的にこちらです。
①の作者である千早茜さんの小説は
好みが分かれると思います。
私はこの人の描く世界観が
とても好きです。
すごく女性的で、
夢の中の世界のようで、かつ
蘊蓄が多い。
表現が細かいので
「分かりにくく、響かない」と
言う人もいました。
だけど、千早茜さんの作品の中で
特にこの「赤い月の香り」は
私の心にすっと入って
いつまでもそこに居座り、
ちゃんと私の一部になっています。
これは
「透明な夜の香り」の続編です。
「透明な〜」の方が
私は好きですが、
こんなに美しい世界は
他の人に教えたくない、と思う気持ちと
映画化してより広まって欲しいな、と
相反する気持ちがふたつ
せめぎ合う、不思議な幸せを
もたらしてくれる本です。
今、思い出しましたが
「透明な〜」の女性主人公は
いちか、と言う名前でした。
自分の創作に無意識に
使ってしまいました😅
②の「一線の湖」も続編です。
前編は「線は僕を描く」と言います。
映画化した本で、こちらも心を攫われました。
男性作家なので
男性でも読みやすいと思います。
現役日本画家の書かれた
日本画のお話。
情景が目の前に広がり、
読んだ後暫く放心して
動けなくなるような本です。
なんて日本って素敵なんだろう。
①の千早茜さんの本が洋風であるのなら
こちらは完全に和風です。
③からは、音楽が聴こえてきます。
孤独なスパイ小説のような
人間愛のような、
落ち着いたチェロの低い音です。
会社の命と師弟愛に挟まれたら
私ならどうするだろう。
さあこれを一つに絞るとしたら、
私は③の
「ラブカは静かに弓を持つ」を
選びます。
このスパイ君が弾く
「戦慄きのラブカ」が聴きたくて
ネットで探し、
実在しないことを知ると
がっかりしたんです。
このスパイ君の選択したラストが
心から嬉しくて、
その勇気に心を打たれました。
これ以上の師への愛があるでしょうか。
私は最近
お箏の長編小説を書きました。
この話ばかりですみません。
書くに当たって
「ラブカは〜」に
影響された自覚は無かったのですが、
今思えばこれに
引っ張られたのでしょうね。
こんなに音楽が聴こえる
文章が書きたい、と。
人間愛の部分でも
影響されたかもしれません。
「ラブカ」に出て来る仲間は
皆さんとても良い人なのです。
主人公がいい。
先生もいい。
周りにいる人に優しくなれそうな
そんな一冊です。
この本に出逢えたのは
大きな宝だと思っています。
本は私を感動させ、
結果ははっきりと見えないけれど
きっと成長させてくれていると
思っています。
本っていいな。
この記事はゼロさんの企画に
応募するものです。
ゼロさん、素晴らしい企画を
ありがとうございます!
他の方の参加記事も楽しみです😊
皆さんもぜひ!