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【読書】noteもシンクロ

どんな本もそうだけど、
書物そのものに力があると言うよりは、
あなたがそういう読み方をしたっていう、
そこに価値があるんだよ。

「お探し物は図書室まで」青山美智子 より抜粋
以下抜粋は全て同様


この本を読みました。

構成は
「阪急電車」のようでした。




オムニバスなんだけど
登場人物一人ひとりが
少しずつ繋がっている。

「阪急電車」はいつ読んだかな。
10年以上前かもしれない。

当時、かなり好きで
同僚にも勧めて
映画まで観ました。


何がそんなに
心に残ったか
今は覚えていません。



私は読書記録を
ちゃんとつける時期と
全くつけない時期があります。


「阪急電車」の頃は
後者でした。



もったいない。

同じ頃
「思い出のとき修理します」
という本も読みました。


これもオムニバス。
読後爽やかで
優しい気分になれる本。



今日のこの本もそのタイプかな。


だとしたら
ちょっとツマラナイ。


本に求めているものが
変わったな、と思いながら
1章を読みました。

ふ〜ん。


別に大して新しくもない。


2章。

けっこう好き。
「トレフィッドパターン」を検索して
「アカシアの白い花」を
スマホの写真でじっくり見る。


3章。


涙腺が崩壊しました。

ワーキングマザーなら
分かるんじゃないのかな。

「......なんで女ばっかり」

産前は華々しい活躍をして
その成果が出る直前に、妊娠発覚。
会社のためにこんなにも尽くし
業績を伸ばしたと思ったのに
育休から復帰すると
自分の席はそこにない。


産前の自分の功績による
成果としての報酬や出世の位置は
他人に取られている。


私が産前働いていた
日本語学校は
当時は小規模で決まりも何も無かったので
私が下地を作ったと
自負していました。


授業前のあいさつやスピーチ。
ルールの説明。

無かったものを作り上げ、
口頭で伝えていたために
クラスによってバラバラだった
授業の運営方法を
書類にして同質化しました。


みおいち先生がいなかったら
この日本語学校はない、なんて
言われて喜んでいた。


ところが妊娠して
育休から戻った私は
仕事を干されました。


帰って来てくれて
ありがとう、なんて
優しいことばもあったけど、

「もっと休みなさいよ」
「仕事なんてしないで
 2人目を作れ」
「休まれたら迷惑だ」

と、明らかに厄介者払いされました。


専門学校で拾ってもらって
こちらも学びになったし
今は大して恨みに思っていないけど、


この主人公みたいに
悔しくて悔しくて
泣いたこともありました。


それでようやく
名誉挽回できるチャンスが
来たな、と思ったら
大切なその日に子どもが病気になって
みすみすそれを手放す羽目になる。


自分だって重要な仕事を
しているのに、
休むのは自分。
急なお迎えも自分。
それで先ほどのセリフが出ます。


「なんで女ばっかり」


自分の伝え方が
具体的でないことは
俯瞰して見れないで
パートナーを責める。


こういうママたち
多いんじゃないのかな。

同じでいようとしたって変わるし、
変わろうとしても同じままのこともあるよ


子どもが小さい頃は特に
女性はこの負のループに
いますよね。


ここで
もがいても上手くいかないし、
これだけやったから大丈夫だ、なんて
思わない方がいい。


前職でも
双子のママが育休後に
降格になって泣いていました。
それは法律違反でしょう?って。


あなたの功績は誰も
あなたほど覚えていないし、
その功績は育休中に
誰かの名誉にすり替わっている。
それが現実。


何とかしようと
もがいても、
社会はゆっくりゆっくりしか
変わらない。



だけどね、
数年すると変わるから。

あの時他の誰かに
名誉も報酬も全て奪われて、
天から地へと堕とされたように
周りからの対応まで変わって、
悔しくてたまらなくても
数年すると戻って来るから。

ちゃんと負のループから
抜け出せるから。

自分には足りないとか、
あるいは余分だと思いこんでいたことも、
環境が変われば真逆にだってなりうるのだ。


子育ての経験は決して
足りなくも余分でもない。

それはこの上なく
幸せなこと、なのだけど
現代において子育てをすることが
暗闇のように思ってしまう現実は
ママ達の中には確かにある。




4章。

5章。


3章だけが面白いのではなくて
その後ものめり込んで読みました。


この本の主人公は、

夢も希望もない若者。
起業したい30代。
ワーキングマザー。
ニート。
定年退職。

よく、これだけいろいろな人の
気持ちが分かるな。


どんな状況にあっても
みんながみんな
本に助けられる話。


作り手の狙いとは関係のないところで、
そこに書かれた幾ばくかの言葉を、
読んだ人が自分自身に紐付けて
その人だけの何かを得るんです。

困ったときに
本に助けられることは
私にもある。


不思議だけど、本を読んでいると時々、
こんなふうに現実とのシンクロが起こる。

どうしてでしょうね。
本はそのときに必要な
知恵をくれる。


活字には力がある。
そう思っていることを
思い出させてくれる本でした。


noteの記事でも
ときどきそういうことがありますよね。

仕事に熱が入って、
歌いたくなって、
描きたくなって、
笑わせたくなって、
創作したくなって、
誠実に生きたくなる。


そう思い起こしたら
記事を書いてくださっている皆さんが
救世主のように感じます。


いつもありがとうございます。


さて。
私の勤務校は
今週から専門学校で
来週から日本語学校で、
秋学期が始まります。


また日々の喧騒に
戻っていくので
noteは神出鬼没の状態に
戻るかもしれませんが、

秋学期も学生たちの
役に立てるよう
頑張ります💪


p.s.

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