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刻一刻物語

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時間と場所と記憶と夢と。 とりとめがないけれど、 いつか思い出すための物語格納庫。
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#時間

読みかけのお月様

 ホウキ星の尾っぽを栞代わりにして昨晩読んだところまでを目印にしておいたのだが、さてーーー

 この物語はあまりにもあっけなく終わりを迎えるので、実のところもうあまり読む気は失せてしまっていた。薄々は気づいていたはずの結末、それがどうにもお粗末で、やりきれなくなってしまうのだった。

 ウソでしょ?みたいな事を散々繰り返したお陰で星は無尽蔵に増え続け、あっちでぶつかりこっちでぶつかりしているうちに

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SとTの海物語

SとTの海物語

「海へ行こうか」
「海に行こう」
「間に合うかな」
「今は午後0時15分だから干潮が始まってる頃だ」
「それだったらちょうどいい」
「今から河を下っていけばちょうど砂浜が見られる」
「蟹がいるかな」
「エビもいるよ」
「ヤドカリはあわてて砂にもぐるよ」
「楽しみだな」
「楽しみだ」
「ところであの古い市場の魚屋の裏に海があるのは知ってたかい」
「海があるのかい」
「小さな海なんだ。魚屋の裏手に駐車

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