【読書 #9】チョン・セラン「地球でハナだけ」
こんばんは☺︎
mint(みんと)です。
好きな本屋について書いた前回記事。
そこで紹介した本屋で買った小説「地球でハナだけ」を読みました。
Kポップはよく聴きますが、韓国文学は初めまして。
どうしてもニュアンスが理解できず悔しくなるので読むのを避けてきた海外文学ですが、toi booksで韓国文学ブースと出会ってしまったので、この際、読んでみようということで購入。
やはり韓国人的目線で読めたら、より深く味わえる作品なのだと思いますが、新感覚で壮大で、でも純粋な愛のお話でした。
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世にも奇妙な宇宙人と地球人の女の子のラブストーリー。
ここだけ聞くとちょっと変わったラブストーリーなだけに感じますが、このお話のミソは、11年つき合ったちょっとそっけない彼氏の身体が、自分の思想や行動を心の底から愛してくれて、自分に会うためだけに遠く離れた惑星からやってきた生命体にのっとられるところにあると思います。
私は、自分が不安になったときとか、逆に喜びを共有したくなったときとか、とにかく今はひとりじゃなくて、誰かと一緒にいたいと思ったとき、なんとなく連絡をとれる関係の友だちが数人いて。
指で数えられるほどしかいない私の大事なお友だちのみなさんですが、彼らに共通していることは、自分の思想や行動を理解してくれていて、かつ、自分も相手をたいていわかっているところだと勝手に思っていて。
だからといって、必ずしも彼らの思想に共感しているわけではなくて、でも、それをわかっていても、つき合っていたいと思えるみたいな。
物語の主人公ハナは宇宙からやってきた生命体にのりうつられたキョンミンを目の前にして、はじめはものすごく戸惑います。
でもほかの惑星の生命体のことを教えてくれたり、全く別の生命体でありながらもどこか自分の目線と近いようなところを見せてくれたり、なにより自分のことをよく知ってくれているところに惹かれて、キョンミンの形をした宇宙人を愛するようになっていきます。
理解し合えている関係こそ純粋な愛だなあと、いま仲良くしてくれている私のお友だちのみなさんのことを思い浮かべながら、読了。
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あと、小説のなかでハナが望遠鏡をのぞいて、いろいろな惑星を眺めるシーンがあるのですが、そのシーンは特に気に入りました。
ここ2,3年、特に就活を経験してから、いろんな人と出会うことに対してあまり恐怖を感じなくなって、むしろ楽しいと思えるようになっていて。
昔は初対面の人と会う度に緊張して、なるべく距離をとろうとしていましたが、最近はその人のことをどうやったら知ることができるだろうかというマインドで接するようになった気がします。
初対面の人と距離をとろうとするところはまだあまり変わっていないですが。
自分とは違う価値観で生きている人の生活を覗き見ると、自分のそれまでの常識が変わったりしてその道しかないと思っていたことも、実はもっと最短ルートがあるかもしれない。
そう思えば、広い宇宙のどっかに美しい氷の惑星があって、高度な知能をもったてんとう虫が住んでいたら、彼らに会ってその文明の成り立ちを聞くのもおもしろいんだろうなと思うわけです。
【今日のカバー写真】
なにも予定のない休日は、本を数冊もってふらふらと一人でカフェに行くことが多いのですが、この本もカフェに持って行って読みました。
鶴見緑地公園の近くにある「Bird Coffee」というカフェまでバスでなんだかんだ1時間くらいかけて行きました。
もうドーナツがもっちもちでじゅぅわぁぁで。おいしかったです。
レジの近くで小さいベルトコンベアにのせられてドーナツが揚げられていくさまをみてるだけで癒しでした。
そんなカフェをあとにして、ぼけっとしながらのんびりバスで読書するのが至福のひとときだったりします。
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