なに書いてるのかわかりません

これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、われわれの音・科学・画像・音楽・考え・感じ方を表したものです。私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。
（Wikipedia:ゴールデンレコード）

人間たちがつくった物のなかで、一番遠くにあるものは、ボイジャー探索機である。今この瞬間も、地球から180億キロ離れたところを、ふわふわと飛行している。

ゴールデンレコードというのは、この宇宙船ボイジャーに搭載された、宇宙人への手紙である。

この手紙は、「私たちの死後も、」とあることからわかるように、返事も見返りも、いいねもスキも、なにも気にしていない。無邪気な、地球人の、発信。しかも英語、だから宇宙人には読めない、うちの母親にも読めない、読まれるときはみんな死んでいる、だから読ませる気がない、発信するための発信だ、読めないとかしらん、ばか。
とも、書いてある。

ここにあるのは、地球人の発信の悦びだけだ。

けれども、この無邪気な横暴さは、人間らしくて美しい、と思う。