ルー・タイスの言葉を理解したい③
認知科学のコーチングを学ぶ上で欠かすことのできないルー・タイスの「アファメーション」を読んで。
Step3 新しいゴールを「脳にプログラミングする」方法
〜目標設定と刷り込みを行う〜
「自分らしく生きる=自然体で生きる」と考えてしまいがち。この章を読んで、自分の体重管理について考えてみた。若い頃は毎日体重を測り、そこに一喜一憂をしていた。しかし、そもそも体重というのは変化するもので、そこに一喜一憂している自分が煩わしく思い、体重計には乗らないことにしている。しかし、自分で体の状態はわかるわけで、ある程度を超えないようには管理しているが、明確な理想の数字にには拘らなくなっている今。これは目標設定をせずにマンネリを生きている?そんなことを思い返すきっかけになった。小さい・・・自分。
なぜ目標設定が必要なのか
ここでは目標設定が必要な6つの理由という風にまとめらてているのだが、「さもないと」という強制的なモチベーションを課すような表現が並んでいる。
1.「何の目標もなければ、自己破壊、死が待っている」ここに出てきているパートナーが亡くなった後、間もなくもう片方がなくなるなどもそうだが、燃え尽き症候群や、定年退職後の企業戦士など、抜け殻のような状態になってしまったり、。企業改革の中、原因は持病だけど、人が続けて亡くなった出来事を思い出す。人は変化に対応できないと死ぬんだなどリアルに思った。目標を掲げることは「〜〜したい」という「欲」があること。「欲」が人を生かすエネルギーになり建設的な未来を支える。
2.「標的を失ったミサイルのように全システムが機能停止する」人間は目的思考な生き物ということを前提に、この目的志向のプログラムをどのように使うかで、変わる。変えることができる。現状のままか成長させるためにか。上に書いた私の体重の例は間違いなく、現状のままに置かれている。
3.「意識的に目標を与えないと、すでにある目標を再現する」目標は常に更新していくことが必要。さもないと「マンネリ」の中に埋没し、たくさんのことに気がつかないままになってしまう。目標を達成すると安心、油断をしてしまう。一旦止めてしまうと、新しくエンジンをかけるのには時間やエネルギーが必要になる。これは多くの企業がMBOからOKRに変えたことで時代の流れにもなっている。
4.「自分で新しい目標を設定しないと、他人に使われる人になる」自分で考え意見を持っていないと、他人から出される提案やアイデアが全て「いい考えだ」「自分は思いついてなかった・・」とだんだん人の考えに侵食され、自分の考えがなくなってしまう。これも身をつまされるところがあり、多くのことを流している自分に気が付く。
5.「目標設定とアファーメーションで挫折への抵抗力をつける」人生には自分にとって受け入れ難いことも起こるが、大きな目標・価値ある目標設定とそこへの強い意志があれば、乗り越えていくことができる。どんなことがあっても諦めない力、信じる力となる。それがないと、折れ砕けてしまうことがある。
6.「認知的不調和とそのポジティブな副産物ー創造的エネルギー、モチベーション、意欲、方向性ーを生み出すこと」認知的不調和とは緊張感や不和な感じ。自分の脳内イメージと現実にGapを感じた時に発する。なのでゴールを設定してもホメオスタシスで現状に引き戻されるのだが、これをポジティブに使うこともできる。怒りなどのエネルギーを正しい状態に戻すことに使える。しかし、その創造的に使えたエネルギーも不調和になれることで慣れてしまう。そのようにならないように、「自分が慣れてしまった」ものに意識を向けることも大切。
目標設定をする上では、「自分がどんな基準を求めるか」未来のGoalでどんなことに慣れていたいかを具体的にする。目標を決めれば、そこにフォーカスされ、方法は見えてくる。
目標設定をする理由は「現状を飛び越える」=成長するため。目標設定のプロセスそのものが自分の臨む結果や目標達成を助けるリソースを見つける機会になる。
目的思考になりなさい
早い段階で大きな夢を持たないと人生で諦めることになる。50代の私にとっては耳が痛いことでもあり、気がついていたが手をつけなかったことでもある。目的思考とは目的論的なプロセスを使い、前進してなりたい自分(目標)になる。
目標には3つの側面があり、イメージ=五感を通して感じるもの 言葉=セルフトークや人からかけられる言葉。人を規定するもの(なのでネガティブな言葉を使う人とは付き合わない方が良い=パブリックトーク) 感情=何をなぜ望むのか・・その人の動機(欲求)にまつわるもの情熱に関わるもの。目標にあるこの3つの側面(イメージ・言葉・感情)を目的志向で動かしていく。
目的志向の8つの原則
1.行動を起こす前に心の準備を整える。ここで書かれている・感情的要素を制限してしまう=これはやりたい気持ちを高める。・最初か2番目にでたアイデアに飛びつく=思いつきではなく筋の良い行動をする。・他の人たちがチームやプロジェクトに参加する機会を排除する=他のリソースを最大限に活かす。
2.イメージの中の現実を変える。自分の中にあるGoalにいる自分に臨場感を持つ。
3.目標の設定は「そこまで」ではなく「その次には」を考える。目標を達成してしまうとそこでエネルギーが下がるので、エンドステートの先を設定しておく。
4.普通でないことを普通にする。制約条件をつけずに、ワクワクする未来を描く。
5.機会を逃さず、自分に逃げ道を与えない。失敗してもトライし続ける。上手くいかない時は、「今回は私らしくなかった。」常に私は、達成できている前提。
6.自分の価値に相応しいものを選ぶ。自分がリアリティを持ってイメージできるサイズにする。とんでもないサイズではなく、購入するものに0を一つ加えるなど。
7.目標に向かい成長する。目標は大きく設定する。現状に引き寄せず。その大きな目標に自分を引き寄せる。
8.リソースについて心配しない。目標に向かい問題を生み出すことがすべきこと。目標が置かれたら方法は見えてくる。必要が生じて初めて認識できる。
目標の書き出しとアファメーション
目的思考で、目標を設定して、設定した目標をアファメーションで潜在いしきに鮮明に取り込み、将来の目標を現実にしていく手順。
①どこを変えるかを考える。
②目標を書き出す=忘れないため。偶然や幸運の領域から切り離し自分の責任にする。
③それぞれの目標を短いアファメーションの言葉にまとめる=2文にまとめる。感情が喚起される言葉。
④実際に経験している自分をイメージする=Goalにいる状態を描く
⑤細かい部分を描写する=抽象度をできるだけ下げエピソードに
⑥ポジティブなイメージを使う=言葉の使い方に気をつける
⑦現実的な目標を設定する=無理なものをおかない。
⑧一人称現在形で目標を書き表す=他を入れない。主体的な言葉。
⑨比較をしない=他と競わない。他は賞賛する。
⑩意志を貫く=アファメーション言葉を置いて終わりではなく、育てていくイメージ。
⑪最初は目標を内緒にしておく=足を引っ張られずに、抑圧の力にしない。
⑫目標を人生の使命と調和させる=ホールウィールの調和が全体を加速させ流。
新しい目標の刷り込みと古い目標の修正(Imagination*Vividness=Realty)
現状の外のゴールをコンフォートゾーンにしていくために。
1)アファメーションを言葉に出して読み、頭の中にイメージを喚起する
2)言葉によって喚起されたイメージを視覚化する
3)イメージによって掻き立てられた感情を実感し、それが今起こっているかのように経験する。
アファメーションで重要なことは言葉によって喚起される「感情」を実感すること。興奮や喜びが湧き上がる状態。
潜在意識で刷り込まれた感情では意味がない。新しい感情にアクセスすることが大事。過去のトラウマと逆で、未来に作り出す力。
過去の成功は使える。その時何が楽しかったか、自分を誇らしく思ったか・・その後に「明日はどんな楽しいことをする?」と将来に前向きた期待を作ることができる。(ハイポイントインタビュー)
過去の成功だけではなく、新しい状況への投影をしていくことが重要。
今日はここまで!