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身体障害があっても自分で高校を選択したい
みなさんこんにちは!
岐阜大学に通う車いす大学生です。
岐阜大学に通うと言えるのもあと2か月。
就職で4月から岐阜を離れて新生活が始まる私ですが、どうしてもやりたいことがあります。
それは、
「岐阜県内の車椅子で生活する生徒が自分の行きたい高校を選択できるようにすること」
です。
今日は私が何をしたいのか、なぜ取り組みたいのか書きたいと思います。
やりたいこと
まず最初に取り組みたいのは
先輩がどんな高校生活を送ったのか、先輩の声を集めたハンドブック
を作ることです!
どのように高校選びを進めたのか、その高校を選択した理由、普通高校に通った学生、特別支援学校に通った学生、それぞれの実際の高校生活をまとめて、中学生の子たちが高校選択をイメージできるようにします。
また、合わせて、どの高校にエレベーターがあるのか、相談の進め方なども記載したいと思います。
これをすることで、中学生の子たちは、少しでも安心して、自分の希望を伝えられると思っています。
なぜ取り組みたいのか①高校に車いすユーザーが通うときの課題
今、車椅子ユーザーが普通の公立高校に通うには3つの課題があると感じています。
①エレベーターのある高校が少ない、どこにあるのかわからない
現在、エレベーターがある高校は公にされていません。
もちろんエレベーターがあるだけでは、他の施設的なバリアがあるかもしれないので簡単に通えるというわけではありませんが、大前提として、エレベーターがないと車いすユーザーが通うことはしんどいです。
階段昇降機という選択もありますが、危険、時間がかかる、階段が狭くなる、など、現実的ではありません。
(階段昇降機も、比較すると面白いので、また書きたいと思います!)
私が当初行きたいと思い、高校見学させていただいた高校には、エレベーターがなく、また、小さな階段が複数ありました。
②エレベーターのある高校に通うのに負担がかかる
エレベーターがある高校がそもそも少ないため、その場所が家からかなり遠いことがあります。
私が当時家から通いやすい(通学時間片道30分以内)高校が、偏差値72の岐阜県1、2を争う進学校でした。
正直そこまでの頭脳はなかった…
そして、私が通った高校は、家から車でラッシュ時だと1時間もかかってしまう場所にありました。
私の母と祖母が毎日朝晩送り迎えを頑張ってくれたので通うことが出来ましたが、保護者の負担が大きすぎると感じます。
そうした、通学支援は現状ありません。
ちなみに、大学では支援があります。
重度訪問介護に該当する人のみ、通学と学校内で支援を受けられる制度が存在します。
この制度も課題がありますが、今回は、高校にそうした制度がないという比較で書きました。
③支援員の先生がつけられない(?)
(?)の理由は、付けられない訳では無いからです。
高校に通うのに、何かしらの支援が必要な場合、支援員さんをつけていただくことが出来ます。
しかし、それが朝から帰りまでつけられるかどうか、とても不透明です。
どのような手順でつけられるのか、公にされていませんでした。
私は必要十分な時間数を頂けましたが、それが叶わなかったという学生もいます。
なぜ取り組みたいのか②諦めさせられる思いを感じてほしくない
これは、私含め多くの車いすで高校を経験した先輩の声です。
上に記した課題からわかるように、たくさんの壁を感じました。
その壁にぶつかる度、世知辛い世の中というか、自分は障害者だと改めて感じさせられたな、と思います。
特に、私が諦めさせられる思いになったのは、ある高校見学に行った時でした。
エレベーターのない高校で、高校の先生3人と私と母と担任、部屋に並んで座って話し合い。
高校の先生からは、
「どうやって2階以上に上がりますか?」
「みんなで担いで上がるっていっても…大変ですよね。」
「難しいですよね」と意味を含んだ言葉が何度も発せられました。
母と担任と帰り際、悲しいね、と話したことを覚えています。
それ以上の教育委員会とかにお願い出来るとかの考えはなく、難しいと諦めました。
また、私が中学生のころ、これまでの先輩がどんな高校生活を送られたのか、まったく情報がありませんでした。
私の行ける高校はあるのか、本当に行けるのか、自分には選択肢がない・・・様々なマイナスな感情に押しつぶされそうでした。
周りの生徒は、自分の行きたい高校に向けて、受験勉強に悩みが多い中で、私はそれ以前の悩みだらけでした。
受験期真っ只中の中学生にとってとても不安で辛いものですよね。
私は幸い、私の特別支援学級の先生が様々なところへ話を聞きに行ってくださったおかげで、エレベーターがあって尚且つ前向きに受け入れてくださる、私の母校、岐阜総合学園高等学校を見つけることができました。
でも、そうでなかったら、、、
こうした不安にさらされることなく、先輩がどのように進学でき、どんな高校生活を送れたのか、それを知れる状態にしたいと思っています。
私が先輩として、岐阜総合学園をオススメした子がいますが、その子も、この情報のおかげでスムーズに高校に通うことが出来ました。
この情報があるだけで、まずは前向きに、どうにかなる、どの道に行っても頑張れる、と思ってもらいたいと思っています。
今更だけど、取り組みたい
私自身、高校生の時から、この高校選択の現状に課題を抱いていましたが、頭の片隅で思いつつ、何も動けていませんでした。
しかし、こうした状況で自分が望まない形で特別支援学校に行ったと話す学生に出会いました。
今まで動いていなかったことに後悔しましたが、でも今からでも、できるところまで何とかトライしようと思いました。
そう思って動き始めたのが昨年12月の話。
既に何人もの先輩の声を取材させていただき、しっかりとnoteで伝えたいことが固まってきたので、こうしておもてに出すことに決めました。
また、こう思えたのは、ゆにぃんくるの活動のおかげです。埋もれていた課題を世に出し、新聞や行政などたくさん取り上げていただきました。
この経験から声を上げたら何か変わるということを実感できました。
私はこの課題に全力で取り組みたいと思います。
今後実現したいこと
岐阜県の高校にエレベーターを設置すること
通える距離に希望する高校がない場合、通学の支援をすること
これらを声を上げて岐阜県に進めてもらいたいとおもっています。
まず、エレベーターの設置です。
受験をして受かって初めて入学が決まるので、入学が決まってからエレベーターを設置していても、1年生の間はほとんど2階以上に上がることができない状況になります。
学年の教室を1階できたとしても、特別教室まで部屋を変更することはできません。
(実際はこのように、一生徒の声でエレベーターがついた例は、岐阜県にはありません。)
エレベーターがなく、通いたい高校をどうしても諦めざるを得ないの状況を根本的に変えるには、やはりまずはエレベーターの設置が必須だと考えます。
次に、今現状通える範囲に希望する高校がない場合、送迎の通学支援の整備を要求したいです。
車椅子で、岐阜のバスに、ラッシュの時間帯に乗車する、多分岐阜県民なら過酷であることが分かると思います。
電車等も高校まで通っておらず、整備されていない道を毎日車椅子で行くことは、正直無理です。
車で何分以上かかる場所ならば、通学の支援をつけるなど、柔軟な対応が求められると思いますが、そうした枠組みをまずは作って頂きたいです。
応援よろしくお願いします!
私は母校に通うことができて、本当に良かったと思っています。
でもそれは家族4人を養える位朝から晩まで休みなく働いてくれている父と、私のために時間を割いてくれる専業主婦の母、近くに住むピンピンとした優しい祖母のおかげで成り立った高校生活です。
この環境がなかったとしても、体に障害があったとしても、通いたい学校に通える社会になってほしいです。
これを読んで、共感してくださった方、ぜひ応援いただけると嬉しいです!他の県の現状や、アドバイスなどもぜひ教えてください!!
みのり