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祈祷がダメなら、掃苔で
ご祈祷好き
私、ご祈祷が大好きです。
全国津々浦々、とまではまいりませんが、結構いろいろな神社でご祈祷を受けてきました。
ご祈祷の基本的な流れは同じですが、細部を見ると地域や神社によって特徴がありおもしろい。それではバチが当たらない程度に、ご祈祷あれこれをご紹介しましょう。
なぜご祈祷が好き?
叶えたい願いももちろんありますが、それよりむしろ、一年の間に我が身に振り積もった塵や垢を取り除いていただきたくて、毎年ご祈祷を受けています。今ではご祈祷を受ける時期や神社も固定化され、受けなれば落ち着きません。
・・・ということでご祈祷あれこれを書き始めたものの、ネタはあるのにどうしてもキーが叩けない。これはやはり書いてはいけないという戒めなのではと思い、残念ながらご祈祷記事は控えることにいたします。
替わりに、と言ってはなんですが、お墓参りについて書きましょう。
お墓参り好き
ご祈祷と同じく、お墓参りも大好きです。
「掃苔(そうたい)」と言えばカッコいいのですが、歴史上の人物や著名人のお墓参りが趣味の掃苔家ではありません。ご先祖様のお墓参りにガチで命賭けてます。
京都市にある父方つまり直のご先祖様のお墓、大阪府池田市にある母方のご先祖様のお墓、神戸市東灘区と須磨区にある母の姉二人のそれぞれの嫁ぎ先のご先祖様のお墓、と4か所のお墓に参ります。春と秋のお彼岸は、お墓参りでスケジュールがびっしりです。
なぜお墓参りが好き?
どのお墓へも、強制ではなく自発的にお参りしています。だって、とてもスッキリするんですよ、お墓参りって。ご祈祷とはまた違った清々しさ。
そして私がお世話になった人たちが、お墓に入るようになったからというのも理由の一つ。やはり親しみが湧きますし、亡くなった人と話をすることで、心が落ち着いてゆくのです。
お供え物を考えるのも楽しいもの。お酒が好きだった人、お菓子が好きだった人。その人となりを思い出しながら、お供え物を選びます。
供花は大輪の菊一辺倒。菊は高潔な香りを放ち、日持ちもします。
墓地あれこれ
直のご先祖様のお墓は、上段に御仏壇、下段に納骨室(納骨ができる棚空間)から成る納骨壇というもの。今では結構ポピュラーな形式になりましたが、40年以上前の祖父の代に購入したのは、かなり早かったと思います。
こちらのお墓が便利なのは、雨が降っても気兼ねなくお参りできるということ。他の3か所のお墓がはいずれも野外で、お天気を選ばなければならないことを考えると、全天候型墓地は非常に助かります。
季節と天候に左右される野外のお墓ではありますが、お墓参りに来たなーという感慨深さはひとしお。黙々と草むしりをしてほうきで掃き、すっきりときれいになったお墓を見ると、プチ修行した気分。墓前で手を合わせていると、お供え物を狙うカラスの鋭い視線を感じることはありますが。
これからの墓地
最近よく話題に上る、墓じまいの話。管理費の支払いが滞っていたり、お墓が荒廃しているのを見かねてでしょうか、4か所いずれの墓地でも、連絡を乞う管理者からの手紙が貼ってあるのをよく見かけます。家族の形が多様化し、子供が遠方に住んでいることも多ければ、無理もない話です。
将来的には、共同墓地が一番自然な形なのではないかと思います。永代供養が行われ、墓地が荒廃することもなく、血のつながりはなくとも、どこかの誰かがお参りしてくれば、それが一番なのではないかと。
ただ個人的には、お墓という「場所」はあってほしい。そこに行けあの人に会えると、信じていたいから。
ご祈祷とお墓参りは同じもの?
ご祈祷は、神職に祝詞を読んでいただいて、神様への感謝の気持ちを表し、願いごと伝える儀式。お墓参りは、亡くなった方やご先祖様への供養と感謝の気持ちを表し、今後の繁栄を願って行うもの。
ご祈祷は神様、お墓参りはご先祖様と、その対象が異なるだけで、ほとんど同じものなんですね。
感謝の気持ちは「今ここにいること」や「今ここにあるもの」へ向けてのもの。「今ここにいる」からこそ、神社へ行ってご祈祷を受け、帰りにおいしいものをいただいたり、お供え物を楽しみながら選びお墓参りができる。さらには今後のしあわせを願うことだってできる。
ご祈祷とお墓参りについて何気なく書き始めましたが、「今ここにいること」ことのありがたさや愛おしさに、あらためて気付かされました。
・・・自戒を込めて。
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