香りに関する苦悩
先日、私は恋人に香水を送った。
私は香水が好きだ。
そうして香水の魅力を何度か話すうちに、
彼女は「私も香水が欲しい」と言うようになったのだ。
大変喜ばしいことである。
一方で私はどうだろうか。
かなり昔に話したことだが、
私が今使っている香水は、父がもう使わなくなったものを使用している。
だが、三瓶あったその香水も、ついに最後の一つになった。
次の香水からは、自分で選ばねばならない。
メゾンマルジェラの「レプリカ」シリーズや、
シャネルの「EGOIST」など、
魅力を感じる香りは複数ある。
片や私には、「生活コストを極限まで下げたい」という願望もある。
資本主義、金銭主義のまま生きていくのはいささか疲れるのだ。
「もし、香水がなくても自分から魅力的な香りがしたらいいのに、、」
そんなことを考えてしまう。
では、香水以外で、自分を魅力的な香りにするものはないだろうか?
一つ目に考え付いたのは、ヘアワックス。
このBLIND BARBERという製品。
セット力がある、パッケージがカッコいい。
そんなのは二の次である。
なによりも香りがいいのだ。
「トンカビーンズ」を主原料としているそうだが、
桜餅のような甘く柔らかい、だが重くはない香りをしている。
難点は唯一、値段。
1つ3000円以上する。
3000円を出せないことは無いのだが、
毎日「こいつ3000円もするのか、、」と思いながらちょびちょび使っていくのは余計にストレスフルな気がする。
そこで考えたのは、
「いつも使っているヘアワックスでセットした後、
これで最終仕上げ+香りづけをしたらどうか」ということ。
しかしここでミニマリストの悪い癖である。
同じ機能のモノを二つは持ちたくないのだ。
…ヘアオイルなどの候補も考えたが、
結局香りの効果は薄いし、
「そもそもアイテム数が増えるのが嫌」なのである。
二葉亭四迷、改めくたばってしまえ。
そもそもなぜ良い香りを纏いたいのだろうか?
当然、臭いよりかは良い香りの方が印象はいい。
だが、香りがいいからって商談の成功に繋がったり、
町を歩いている時に女性から逆ナンされる可能性など、
砂漠でイルカに出会う奇跡に等しい。
では自分のため?
確かに自分の香りが良い方が気分も上がる。
だがそんなことのためにウン万も払う必要もなかろう。
安いエッセンシャルオイルでも持ち歩けばいいのではないか?
恋人のためだろうか?
そりゃ彼氏が臭いよりかはいい匂いの方が魅力は上がるだろうが、
無臭でもその魅力度ってほぼ変わらなくないだろうか?
また、「恋人の体臭が好き」なんて言うカップルもいる。
もし私の恋人がそうだとしたら(それはそれで嬉しいが)
香水は逆効果にしかならないのだ。
というか、香水をなくした程度で失われる魅力しか持ち合わせていないなら、
それは香り以外の部分に問題があるだろう。
さて、「他人」「私」「恋人」の多面から
香水の効力について考えてみたが、
少なくとも香水に万の額を払う魅力は感じられなかった。
まあ自分の気分を上げるために、
安価なエッセンシャルオイルやなんやらを調べてみよう。
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