【コールセンター】 真夜中のピンポン【微ホラー】
■ 真夜中のピンポン
コールセンターで働いていた時の、変わった事例を書いていきたいと思います。
修理受付の電話を取っていた時の話です。
私は、どーしても朝9時から働くのが嫌で、午後出勤可能ということだけで、コールセンターで働いていました。
家電の修理の問い合わせなのですが、状態やエラー番号を聞いて、お客様が「修理します」となった場合にだけ、名前や住所をお聞きします。
その後、実際に伺う修理スタッフのスケジュールを別部署から連絡して出張修理、となります。
その方は大阪のお客様でした。名前まで覚えてないので、Aさんとします。
インターホンが鳴っても誰もいない、という状態での入電でした。
接触不良や配線の調子が悪い可能性があるため、実際に見ないことには判断ができません。
出張代2100円が必要とお伝えし、納得の上で修理の手配をしました。
ここまでで私の仕事は終わりです。直るか直らないかは私にはわかりません。
これが日々の繰り返しなんです、コールセンターの仕事というのは。
後日、Aさんから再び入電がありました。
午前のスタッフが14時でごっそり帰りますが、受電は少し減ります。
16時頃でしょうか。Aさんからの入電がありました。
名前と電話番号を登録してあるので、履歴を読むことができます。
家電の品番や症状なども記録していれば、再度聞き取れなくてもスムーズに話ができます。
「先日、修理に来てもらったが、どこも異常がなかった。でもまたピンポンされる」
子供がイタズラしてるのでは? と思いましたが、それは私の仕事ではないので
「では再度スタッフを行かせることはできますが、いかが致しましょうか」
「お願いします」
修理依頼を受け付け、別部署に電話をします。
「どこも壊れてなかったんだけどなあ……」
と言いつつ、行ってもらうことになりました。
プロが壊れてなかったというなら壊れてなかったんだろうなと信じているのですが、
お客様が言うことなので、連絡しないわけにはいきません。
数日後。
今度は終業間際の20時ギリギリに、再度Aさんからお電話がありました。今度は名指しです。
別のオペレーターが受電したんですが、
「水樹さんご指名でーすー」
というので対応を代わります。やっべ、クレームかな、と思ったらAさんでした。
「はい水樹です、お電話代わりました。A様でございますね」
「そうです、二回修理に来てもらったんやけどな、やっぱり壊れてないっていうねん……。でもな、夜中にな、ピンポンが鳴んねん」
「夜中……でございますか。何時頃でございましたか?」
配達の人や酔っぱらいの可能性もあるので、まずは状態をお聞きします。
「夜中の0時頃かなあ」
配達の線は消えました。酔っぱらいが自分の家と間違ったのでは、と思いましたが、それならドアを叩くなりするはずと仰るAさん。
「インターホンのところは誰もいないんやけど、裏口の方に女が立ってて、じっとこっち見ててん」
「それは……警察に相談するべきですね」
「今いる」
「今ですか!? ……お知り合いではないんですね」
「知らん」
「インターホンの件ですが、いたずらの可能性もありますし、通報しましょう」
警察に通報というと皆さん身構えますが、不審者がいる、等でも対応してもらえます。
またパトカーのサイレンを鳴らさないようにお願いすることもできます。女性が夜中にふらふらしていると言えば警察は『保護に』来てくれますよとお伝えし、電話を切ったらすぐに、通報するようにお願いして終話。
それ以来、Aさんからインターホンの件で修理以来は来なくなったので、問題は解決したんだと思います。
インターホンは壊れてなかった、と夜中に知らない女が裏口に立っているという、修理とは一見、関係なさそうな入電でしたが、たまにはこういうこともあります。
インターホンの故障は、修理スタッフが見ないと判断できません。
防犯につながるものですので、
「壊れているな?」と思ったら、すぐにご相談をお願い致します。
また、たまには押して見て、
・音がするかどうか?
・映像が表示されるか?
をご家族で確認してみてくださいね。
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