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 米国発Y12SR(ヨガと12ステップによる回復)のリーダー研修を受けて感激している話

3日徹夜でヨガと12ステップ(Y12SR)の研修に出てきました


  こんばんは。マインドフルネス心理臨床センターの小林亜希子です。随分とご無沙汰しておりました。前回の記事は、年明けすぐの「今年1年の計画」の話だった気がします(汗)
 その間、何をしていたかというと、下記の本を書いて、校正をしておりました。その裏話はまた別記事でかきます。

 先週に最終校正が終わり、ほっと一息。その週に、久里浜病院の湯本先生のヨガ講座(アディクション臨床 オンライン研修会 #22「依存症支援におけるヨガとマインドフルネス:実践編」)の司会をさせていただき、やはり、依存症からの回復の従来のプログラムに補完的なヨガやマインドフルネスは、やはり効果的!と実感しておりました。

皆さんからのヨガやマインドフルネスを実践したことからの感想も、前向きなものが多く嬉しくなっているところに、ふと一通のメールが届いたのです。

Y12SR創始者のニッキー・マイヤーズからのメール。
「"悪い "とか "ひどい "とか "間違ってる "ところはないのよ。すべて私の一部です。自分のすべての部分を統合することで、この世界で私の仕事をすることができるの。" 」

 あらー、今までも何度もきてたんですが、何か「ぴこーん!」ときて。こういう直感は、マインドフルネスを実践していると「たまにある」洞察の一種ですが、この直感は聞いたほうがよいような気がしたのですよね。先週末の金ー月まで、夜10:00-朝7:00まで昼夜逆転でCombined Trainingという「みっちり本気な」リーダー養成講座に参加してきました。昼夜逆転覚悟でさてどんな体験ができたのでしょうか・・・

Y12SRって何?

 初めて聞く方がほどんどだと思いますので、簡単にご紹介します。ニッキーの自伝は以下の通り。

1987年、私は依存症から回復するために12ステッププログラムを実践した。それから8年はずっと断酒していた。だがその後、出張に行ったドイツでつい1杯に手を伸ばしたが最後、何杯も飲んでしまった。それから一週間もしないうちに私はアムステルダムにいた。そこに行けば自分がどんな人間になって、どんなことをして、どこに行き、どんなドラッグに手を出すか明らかだった。狙いはクラックコカインだった。
アムステルダムから戻った後、私は12ステッププログラムに復帰し、ヨガも始めた。ヨガと12ステッププログラムには似ている点が多かったので、私はプログラムを辞めることにした。毎日アシュタンガヨガを練習すれば、依存症にも効くだろうと思ったからだ。
それから4年間は、お酒にもドラッグにも手を出さなかった。だが2000年になるとまた再発してしまった。そのとき私は、依存症から回復するための基本的な認知療法である12ステッププログラムと、身体面に働きかけるヨガを別にすることはできないと気づいた。そこで2003年にソマティック・エクスペリエンシング・トラウマ・インスティテュートとアメリカン・ヴィニヨガ・インスティテュートでのトレーニングを受けた後、依存症から持続的に回復するための心理的、身体的なプラクティスを組み合わせた12ステップリカバリーヨガ(Y12SR)を考案した。

https://yogajournal.jp/2447

私の理解では、12ステップとヨガと、トラウマ理論をあわせて、
トラウマのある女性にも安心な(男女混合ですが)トラウマ・センシティブな
ヨガ&12ステップのミーティングっていう感じです。

ニッキーは、ご自分がもっていた様々な依存症と、社会的に持っている資格や、家族のことなどを最初に手短に説明します。要するに、ニッキーという一人の人間は、そのようなパーツからなる全体なのだということを教えてくれているのです。普通は恥に感じるパーツは隠そうするのに、すべてを受け入れているその姿勢に心をうたれました。本当の強さを感じます。

Y12SRのロゴ

研修で印象に残った言葉

Decrease tension , Increase Awareness
緊張は減らし、気づきを増やす

Let go of Control
コントロールを手放す

Core Stability
中心の安定性

Grounding
グラウンディング

印象に残ったフレーズのほんの一部です。

この講座では、ニッキーが20時間位話していたので、いろいろなキーワードが気になったのですが特に上記のキーワードが、特に私には響きました。

トラウマを抱えた身体は、過覚醒か低覚醒になりやすいので、その際に、緊張を減らし、気づきを増やすことが必要なんだということです。そして、どんな困難がある時でも、中心を感じられること、グラウンディングして意識を落ち着かせることを、ヨガのポーズを通して体感したり、その後のシャバーサナ(屍のポーズ)で脱力する時は、コントロールを手放すことを実感します。

ニッキーが、回復を体現しているからこそ、言葉やただのヨガのポーズだけではない彼女の魂からの知恵が、わたしたちに身体を通して訴えかけてきました。具体的には、トラウマサバイバーが落ち着くための体の動かし方や、12ステップの原理を体感しながらヨガが、すごく効きました。落ち着いて、自分を受け入れられるようになったのです!すべてを受け入れられると喜びと幸せ、そして落ち着きを感じます。

まとめ

Issues live in tissues. 私たちの問題は、身体の組織にある。

Y12SR

学習した内容も、トラウマ理論、アディクションの病気、12ステップ、ヨガ哲学と幅広く、ニッキーが20時間くらいかけて話してくれたことなので、咀嚼するのにまだ時間が、かかりそうです。配布資料などをみながら、少しずつ復習していきます。

例えば、Y12SRの入門ワークショップを開くとしても、下記の内容を話す必要があります。

- Y12SRとは何か?

-アディクションの病気

-12ステッププログラム

- ヨガのアートとサイエンス

- 12ステッププログラムとヨガ哲学の類似性

- トラウマの神経生物学と生理学

- Y12SRミーティング/体現の概念/介入/実践

- Y12SRの持続可能な回復プログラムをあなたのコミュニティーに導入する方法


この研修に参加することで、おそらく私は、日本初のY12SRリーダーになりました。ゆっくりとではありますが、Y12SRのスペースホルダーとして、ミーティングをいずれ開催していきたいと思います。開催時にはまたお知らせします。

何度も参加したY12SRのミーティングですが、まず最初に、ヨガを実践します(30-40分)内容は、グラウンディングや、センタリングを意識した基礎的なものです。その後、12ステップミーティングを実践します。心理的、身体的、スピリチュアル的に調子はどうかを、その日のステップにあわせて話していきます。通常の12ステップのミーティングよりも安全をより意識したものに構成されています。

最初にヨガをすることで、グラウンディングして落ち着いているので、話しがあっちこっち飛んで長くやるような人はほとんどおらず、落ち着いた話しになるのが、通常の12ステップのミーティングと違うな〜という風に思いました。

ゆっくり、しっかり咀嚼して、また発信していきます。

参考資料


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