仕事に忙しい男性が燃え尽きる時・・・
私はここ数年間、中年男性にマインドフルネスを教えることが増えている。外部では、男性主体のマインドフルネスのグループを5年間教えている。当センターのオンライン講座などでは、女性に教えることが多いのだが、男性メンバーもいらっしゃり、やっぱり違いがあるような印象がある。男性・女性とわけることには無理もあることも承知だし、男性にもそうでない方も、女性でもそうでない方もいるのももちろんなのだが、主観的に感じている働きざかりの男性が燃え尽きてくる時のお話をしていきたいと思う。左脳優位で、多忙な女性にも自分ごととして読んでいただけるかも・・
燃え尽きとは?
ざっくりいって、下記のような症状がみられることを燃え尽きといいます。
・疲れが取れない:どれだけ休んでも疲労感が残る
・集中力の低下:小さな作業にも集中できなくなる
・モチベーションの低下:やる気がまったく湧かない
・遅刻や欠勤が増える:仕事や生活リズムが乱れる
・感情が不安定:イライラや落ち込みが続く
・頭痛や筋肉の痛み:体に不調が現れる
・頭が回らない:決断や考えがまとまらない
・酒量が増える、タバコが増える:プチ依存行動が増える
私は過去に燃え尽き症状を経験したことがある。鎮痛薬のきかない肩こりと頭痛、自分を責める、いつ何時も仕事のことを考える、入眠困難、夢見が悪い、仕事の内容が夢にでてくる、子育てにも影響、家事がまわらなくなる・・などの症状が見受けられた。1週間仕事を休んでマインドフルネスとキャンプで復活したのだが。
男性の場合は、どんな特徴があるのだろうか?
しんどくても人に言わない
ここがまず、話すことで発散する傾向の強い一般的な女性と大きく違う。彼らは、本音を打ち明けず我慢する。我慢して、時に飲みに行ったりしてうさを晴らすこともあるが、基本的には愚痴ることを好まない人も多い印象がある。弱音を吐くことは負けなので、表出することを好まない。
感情は表現することで、癒やされることもあるという教えを私は心理支援をする中で実感してきているので、しんどくても言わない!ということがやっぱり大変なストレスだと思うが、彼らはそのことに気づいてすらいない。
やっぱり仕事がものすごく大事
働く女性ももちろんだが、働く男性の仕事への比重の置き方はやはり大きいように感じる。そのため、仕事で成果を出すこと、出世すること、承認されることに何よりの価値を置く。競争本能が強いというのか・・・。上へ上へ行こうとする上昇エネルギーに掻き立てられ、彼らはしばしば無理をする。仕事で成果を得ることをとにかく目指してひたすら走る。仕事での挫折は、考えるよりずっと大きく、彼らを打ち砕く。仕事のためなら睡眠時間も削るし、多少の健康の不調はいとわない。
ストレスがたまると、一人でできるプチ依存などに走る
甘いものや、こってりしたものを食べることでストレスを発散したり、お酒を飲んだり、タバコを吸ったり、女性がサービスしてくれる飲食店などに通うタイプの人たちもいる。感情を表現しないし、自覚もない場合が多いが、彼らにストレスがたまるとこのような行動が増える傾向がある。セルフケア行動が減り、自分の身体や心をないがしろにするような報酬系回路を刺激するような快楽を求める(ドーパミン系)。内側では虚しさを覚えたり、寂しさを感じたりする方もいるが、それに蓋をするかのように上記の行動で自己治療を試みる。
人間関係に影響が出る
夫もたまにそうなるが(汗)、仕事をしすぎて、疲れていたり、余裕がなかったりすると顔色が悪くなり(土気色)「苛立ちモード」になる。毛穴から、イライラが出ている。なので、周囲にいる人は、びくびくしたり、距離をおいたりするようになる。
さらに、追い詰められると、暴言をはいたり、ものにあたったりというような行動もでてくる。特に身近で、自分より弱い立場の人間に対して、このような傾向はでる。行き過ぎるとDVやハラスメントになる場合もあるので注意したい。
DV予防業界でいわれていたのは、外面が非常によく家では、とにかく暴君になるというタイプも多いという。外で頑張りすぎたひずみが、家で自分より立場の弱いものにでてしまうということもあり、これらの暴力は、夫から妻、妻から子どもへと不幸にも連鎖していくので、何とか避けたいところである。こういう不幸はかつての臨床現場でたくさん見てきた。
ではどうすればいいの?
本人が人にいわないからよくわからないが、本人自身もよく気づいてないことも多い。とにかく、「イライラしがちである」「健康促進行動よりも、プチ依存などの健康に悪い報酬系行動をとりがちになる」「仕事への過度の囚われ」「人にあたる」「眠れなくなる」「仕事への意欲が低下する」「うつ気分」「空虚感」などが見られたら注意が必要である。何かしらのセルフケア行動を追加したり、専門家のサポートを早めに受けるようにしたい。
そして、感情について見つめて、名前をつけて、居場所をつくってやり、ケアするという時間が必要である。そのためには、自分の感情について話すカウンセリングや、コーチング、マインドフルネスで自分の状態に気づくというケアを行う必要がある。
言うのは簡単だが、行うのは大変で、特に体育会感じの人ほど、サポートを受けることも好まないことが多い印象がある。なんとか自分で乗り越えようとする人が多い。そのため周囲の人が心配して、相談に訪れることなども多いのが特徴であろう。
ドーパミン系で獲得・達成を強めるだけでなく、穏やかなつながりや優しさなどのセロトニン系、オキシトシン系を高めていく必要があるが、この重要さが理解されづらい。
男性の場合は特に、行動をみて判断することが大事なように思う。言葉には出さなかったり、気づきにくい分、行動が変化することで大変さがうかがえる。
厚生労働省のストレスチェックや、疲労度テストを受講するなどして、自らの状態を可視化、数値化することで振り返ることも良い機会だと思う。
疲労の蓄積に驚く方も多いのでは?と思う。まずは、可視化することで、何が問題となっているのかを知ることからはじめるのがよいと思う。
おすすめのチェックイン瞑想
朝、仕事終わりなど節目に、こちらの瞑想をしてみてください。体、気持ち、思考に少しずつ気づきを向ける瞑想で、1,2分でできます。
セルフコンパッションも良いのだ
セルフコンパッション、自分への優しさはもちろん、働き過ぎの男性においては低レベルであることが多い。しかし、この質問を自分自身にしてみてほしい。今自分は本当は何を必要としているだろうか?
当センターでは、ビジネスパーソン対象の無料講座や、有料オンライン講座を提供している。マインドフルネスやセルフ・コンパッションの講座がよいのは、マイナスをゼロにするだけでなく、さらにプラスの効果が見受けられるからだ。燃え尽きにケアしてマインドフルネスをすることで、結果として集中力がたかまったり、幸せを感じられるようになったり、よりよい意思決定が行われるようになることもある。そのため、投資として、メンタル維持、向上のためにマインドフルネスを取り入れることを特に忙しいビジネスパーソンにはおすすめである。
やめられない!があればとりあえず、こちらの無料講座へどうぞ
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睡眠や、メンタルを整えて、さらに活躍していただきたいと心から願っている。
追記:この記事は女性版も書こうと思っている。
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