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お店がコロナ禍を生き抜く為の暗黙知

自分の生きて来た歴史から消費の変化を反芻すると、サービス様式は時代を逆行するのが良いように思われる。(上の写真はロンドンのマーケットで見た魚屋ディスプレイ)

昔ながらの商店街の時代から大型スーパーの時代に移り、大量仕入れ大量販売の為にとにかくオペレーションの効率が第一。人の思いは一切ないように思われる。

人を惹きつける誤差がある

例えば、商店街で昔からある肉屋さんで300gのお肉を頼む。秤の目盛りは308gを表示しているが300gの代金しか請求しない。スーパーのお肉は白い発泡スチロールの容器に入って、内容量が1g単位、料金も1円単位で表示されている。300gを使用するなら、それに近い容量のあるパックを選択するしかない。

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ロンドンにあった肉屋のディスプレイ

お菓子も計り売りだった。白い紙袋に入れて計ったけど、肉屋さんと同じで100g下さいと頼んでも110g入っても100gの値段。顔見知りのお店だと更にオマケしてくれる。子供心に嬉しかったけど、今あっても嬉しい。

私が運営しているネットショップも工房でも、昔の商店のような対応をしている。通販なら箱を開けたら自分が子供の頃に嬉しかったサプライズを閉じ込めたい。

ディスカウントのお菓子チェーンがあるけど、半世紀以上前の子供の社交場のようなお菓子屋(駄菓子屋)では無い。確かに安いかもしれけど、昔はただ単にお菓子だけを売っているお店よりも”金魚すくい”を併設していたお店に多くの子供達は集まっていた(※ヒント)

”金魚すくい”は、針金で作った輪に和紙を貼った器具(ポイ)で、水槽の中にいるたくさんの金魚を獲る。器具の真ん中で金魚を獲ろうとすると、金魚と水の重みで直ぐに破ける。コツは針金の縁付近を使う、それも針金自体に金魚の一部をのせるぐらいの気持ちで獲る。素早くその獲り方で繰り返すと5匹から上手くいけば10匹ぐらいはお手の物。

夏の太陽は、金魚少年ハンターに取っては最大の味方で、ポイの濡れた紙を乾かす。乾いたらまた水槽という戦場に戻る。この捕獲の技を習得すると、縁日の”金魚すくい”では注目の的となりステージに立ってスポットライトを浴びるスターの気分になれる。言うなれば、駄菓子屋での”金魚すくい”はリハーサルの場だ。

”金魚すくい”という業態1つをみても、人の欲求を満たさない仕組みが無いと必然的に消えてしまう。コロナ禍のような社会背景が無くても淘汰されてしまうだろう。(※ヒント)

本質を見極める、自分ならどうする?

人の欲求、例えばあの店のトンカツが食べたいと思う人が多ければデリバリー需要も見込めるだろう。テイクアウトではなくデリバリーなのがポイント。デリバリー以前にその○○○○が食べたいと言う商品ありきが必要。コロナ禍以前に入店しなかったお客さんは、お持ち帰りしようとも思わないはずだ。自分に置き換えた場合にはどう考えますか。

それはそのお店の商品の認知度ありきの案内であって、その看板を見て店内に入る事は無いだろう

コロナ禍以前には気にかけていなかった事が、緊急事態宣言やロックダウンによって消費行動が制限されて、自分の本質的に必要なのか、購買の可否のマインドがフォーカスされた。

飲食店のマインドをリセットしなければ、固定概念を捨てなければ、新しい道は見えて来ないと思う。

知人の割烹料理の店主は、今やキッチンカーで揚げたての天麩羅を販売している。店に籠城しても兵糧(資金)が尽きるだけ。キッチンカーやデリバリー、外に打って出なければ打開出来無い。

通販をするのは良いが、付け焼き刃では通用しない世界だ。これは実際に運営したら身に染みて感じるはず。

自分の出来る事、強みを活かしてどのように展開するか、もう待った無しだ。しかも、6月1日からHACCAPが義務化になる。正念場だ。

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