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【無料】基礎から分かる水産用語<224> 塩ブリとは
みなと新聞で毎週火曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。
塩ブリとは
ブリの内臓やえらを取り除き、塩をすり込んで熟成させるなどした保存食。北陸や東海、関西、九州などでは正月に塩ブリを食べる地域がある。
代表的な消費地として岐阜県飛騨地方が挙がる。同地方では煮イカとともに塩ブリが正月に欠かせない食材という。江戸時代には越中国(富山県)と飛騨国(岐阜県)の高山を結ぶ飛騨街道では、富山で獲れたブリを塩ブリとして大量に運んだことから「ぶり街道」とも呼ばれた。
岐阜県の高山市公設地方卸売市場では江戸時代からの伝統を引き継ぎ、毎年12月24日に「塩ぶり市」が年の瀬の恒例行事として行われている。
北陸から高山への交通網が整備されていない時代には産地で漬け込んでいたが、現在では高山市場卸の高山水産青果が製造している。12月上旬ごろから富山県氷見産などの大型の天然ブリを仕入れ、三枚おろしにし、塩水に漬けるなどして加工し、塩ぶり市に上場する。昨年は年末までに約3000尾が取引されたという。
飛騨地域では塩ブリが年末まで地元の食品スーパーの店頭に並び、スーパー独自で加工し販売するケースもあるという。大みそかや正月に食卓に並び、焼いて食べるのが一般的。脂が程よく落ちてブリをさっぱりと食べられるため好物にする人が多いという。
みなと新聞本紙2024年10月1日付の記事を掲載