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【無料】基礎から分かる水産用語<182> トラウトとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。


トラウトとは

 日本の水産業界では、基本的に海水で養殖したニジマスを指す。ニジマスは通常、淡水で育つが、一部は海に回遊し大きく育つことが知られている。魚食推進普及センターは「ニジマスを海で育てて大きくしたものをサーモントラウトと呼ぶ」と説明する。

 国内では体長30センチ前後までをニジマス、それ以上はスチールヘッドトラウトと呼ぶ。陸上養殖もされており、国内各地でブランド化が進められている。

 日本の主な輸入先はチリやトルコ、ノルウェーなど。財務省貿易統計によると、2023年の輸入量は冷凍ドレスが前年比54%減の5596トン、冷凍フィレーが2%増の2万1990トンだった。主に寿司種や刺身、フライ、スモークなどに利用されている。

 多くの国で養殖されており、重要な水産資源となっている。国連食糧農業機関(FAO)によると21年の生産量は1位イラン(19万3900トン)、2位トルコ(16万5700トン)、3位ノルウェー(9万4700トン)。多くが淡水で行われており、同年の養殖量トップ10のうち海面で行っているのは3カ国にとどまる。

 英語圏ではサケ科の魚のうち一生を淡水で過ごすものを「トラウト」、海に降りるものを「サーモン」と呼び区別しており、同じ種類でも海に降りるか否かで呼び方が変わる。

みなと新聞本紙2024年2月2日付の記事を掲載