【爺ちゃん。ありがとう❶】
この話は
爺ちゃんっ子だった僕に、、、
大好きな爺ちゃんがくれた最後の贈り物。
父方の爺ちゃんが亡くなった。(当時、2022年2月)
僕は仕事で外出している時、たまたま爺ちゃんの家の近くを通った。その時、一台の救急車とすれ違った。(13時30分ごろ)
僕は「もしかして?」って思ったが、まあ違うだろって・・・
会社に戻った直後、上司に呼び出された。病院から電話があったらしい。「爺ちゃんが救急車で運ばれた」って。爺ちゃんは胸痛を訴え、手足は冷たいが、意識もあるとこのと。ちょっと苦しくなっただけで、すぐ帰ってくるだろうと思っていた。しかし、再度病院から電話があり「心肺停止に移行した」と。
僕は勤務中だが途中で抜け出す許可が出て、病院へ向かった。病院に着くと、救急車が止まっていた。待合室に婆ちゃんがいて、「どうしたん?」と声をかけても、気が動転していて会話にならない。
俺が冷静にならないといけない。そう思い、婆ちゃんを落ち着かせ、内容を詳しく聞いた。
婆ちゃんによると、最近在宅酸素の流量を上げたそうで、昨夜はご飯を食べずに酎ハイを1缶飲んだけ、朝はケーキを食べていた。昼頃に爺ちゃんの様子がおかしくなり、肩で呼吸するようになっていたという。
婆ちゃんが「大丈夫?」と聞くと、首を横に振るだけ。ちょっとして、急に「胸が痛い」と訴え、爺ちゃん本人が「救急車呼んでくれ」って言ったみたい。
爺ちゃんは肺気腫とCOPDで在宅酸素をしながら通院中だった。肺はすでにボロボロで、医師曰く「肺が破れて、胸腔内に空気が溜まる、いわゆる気胸になり、それが進行し、心臓を圧迫した緊張性気胸ではないか」と。
親父も病院に駆けつけましたが、婆ちゃんと同じく気が動転していてまともじゃない。だから僕がしっかりしないとと思い頑張って冷静を保って、色々やった。
そしてひと段落ついた時、婆ちゃんが言った
「爺ちゃんは、あなたが来てくれるこの日を選んだんかもね」
今まで張り詰めていたものが一気に切れ、涙が溢れた。
❷へ続きます
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