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【本好き日記】ヤーレンズ出井の禁煙、海外小説ツアーを経まして、四国のあやしい古本屋へ

年に一度の本棚整理の準備をしています。
8月は僕だけじゃないだろうけど異常なだるさ。
温度差と無気力が原因なのはわかってるのに、何これ軽めの熱中症?症状の出ないコロナ?と疑うぐらいだった。

読み切れなかった本も、難しいけどなんか好きな本も、自分ごときが感想書けない本もいっぱい出てくる。

台風の時に家にこもって、秘密基地みたいにして分厚い文芸誌を読むのよくね? って思ってできるだけお菓子を買い込んで遠足みたいに「群像」準備していた。ヤーレンズ出井さんが禁煙の愚痴をつぶやき、くどうれいんさんがすごく美味しい喫茶店に行って大量のコーヒー豆をもらってきた。

ヤーレンズ出井といえばお笑い界随一の喫茶店・コーヒー好きなので
「わけてあげてよ!」と思う。同じ雑誌に掲載してるだけで、立場も場所も遠い2人なの分かっているのに。

阿部公房の「箱男」
なんで目立つところにあったのかと思ったら、映像化されてたんだ。

メタルギアシリーズの監督、小島秀夫監督が熱心な読者で、主人公が段ボールをかぶって敵から隠れるのはこの小説のオマージュだ。
さいしょに「箱」の作り方から始まるけど、顔や全身を隠すのではなく、移動のときに足だけが出るサイズ感がメタルギア。
かぶるときに頭に雑誌を乗せるとバランスが取れるし、左右に穴を開けることで聴覚も使える。

途中で違う視点になったり、同じような箱をかぶった偽箱男と遭遇したり、ピカソの絵みたいにいろんな視点でひとりの男を見ていて、ふしぎで気持ち悪い。

チャールズ・ブコウスキー「パルプ」は、カルト作家の遺作。
探偵事務所に人探しの依頼が来たが探偵はギャンブルざんまい。宇宙人も来る。さてはまともに終わる気ないな、とあらすじだけでわかった。
途中の酒場で中国製ビール2本注文して、「1本飲んだあとにもう1本のほうが冷えてていいんじゃないか」と店員の親切に意固地になって口論するとか、謎のやりとりに味がある。

海外の詩的表現おもしろいな、と思ってヴァージニア・ウルフの「灯台へ」も買ってみたが、自分の能力の低さで読み切れない。
勉強か集中力か人生経験か何かが足りてなくて良さを読み取れない。
これは売らずに、忘れたころに発見されるのを待とう。

直木賞の「地図と拳」も読んでた。
超ぶ厚い本はkindleで読む人がいるが、ぶ厚いほど生身で、不便さと重みと進むほど残りのページが少なくなってくる感触がいいんじゃないか。そして最後の読み切ったときの「やっつけた」感!
やまもとさほ先生と結婚したとき驚いたぞ!作風違うのに相性良さそう!

オールアナログで描かれたマンガ「ザ・キンクス」も超良かった。
初期のこち亀にあった、背景にちっちゃく作者の独り言が書かれてるやつを久しぶりに見た。エッセイと夢を行き来するよう。


本を選抜して、紙袋に詰めて・・・。
子供のころ親に連れられて、少年時代にたくさんのマンガを教えてもらった古本屋を思い出して、覚えてる人いないかなと思って検索してみた。
「しゃらくどう」って名前だった。
自転車で、今考えれば信じられない距離を往復して、おもしろい本もゲームもCDも探した。
作品を語り合える人がいないけど、自分だけが知ってる宝物だった。

そしたら、その店の主人が潰れたあとに場所を移して、小さい倉庫みたいなところから再出発して、自伝的小説を書いてるの。

学生運動から二度の投獄体験…?
昔から通ってる古本屋の主人の投獄体験…。
なんかしらんがブックオフより手放した本を大事にしてくれそうな気はした。










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南ミツヒロ
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。

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