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SF、読書のよろこびマガジン

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大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
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2023年10月の記事一覧

【ノンフィクション】特攻服少女と1825日

【ノンフィクション】特攻服少女と1825日

「コギャル」「ヤンキー」は何となく想像できるけど、女の不良「スケバン」女だけの暴走族「レディース」がいて、彼女らの専門誌が何万部と売れ、本物のヤンキーたちが修学旅行でディズニーランドに行った帰りに編集部に来て、紙面で総長が「半端にやるぐらいなら学校行きな」と不良をさとす。

こんな時代があったのか!の連続。

少年院から出所してすぐにかつての仲間からリンチにあった、ある少女の事件をきっかけに、レデ

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大田ステファニー歓人の「みどりいせき」が痛快だった

大田ステファニー歓人の「みどりいせき」が痛快だった

完成度が高い優等生候補作がそろう中で、いちばん読みづらいし、おそらく作者も文学の講義をずっと受けてきたような経歴じゃない。
これが新しい文学の1ページになるのか、ならんのか。

読んだ人同士で
「俺は良かった!いや俺無理!読めん!いや私はわかる!」とか語るのも含めておもしろそう。すばる文学賞受賞作の「みどりいせき」。
単行本になったらどうなるのかなあ。選考員が口をそろえて「序盤は読みづらかったが…

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【読書記録】高山羽根子「ススキの丘を走れ(無重力で)」

【読書記録】高山羽根子「ススキの丘を走れ(無重力で)」

この中に収録されている、小学生のころの記憶を掘り返す短編「ススキの丘を走れ(無重力で)」がすごく好き。
自分もこんなきれいで不思議な小説を書いてみたい。分量的には30分ほどで読めます。

学校を卒業してしばらくして再会した人がいると、こんな会話が発生しませんか。
「あいつ覚えてる?」
「あの子今何やってるか知ってる?」
 そんな感じで、記憶を掘り起こす話。久しぶりに再会した同級生と、子供のころいっ

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