L’évoやBed and craftも…手しごととおいしいごはんがよかった富山旅
写真は、富山のオーベルジュ『L'evo(レヴォ)』でいただいた月ノ輪熊のコンソメしゃぶしゃぶです。最高でした。
さて金沢で鮨を食べおいしいパンを調達した後は、新幹線に乗り富山へやってきました。金沢-富山間は18分!近いですね。
新幹線を降りたらなんと路面電車の駅が。富山は電車好きにはたまらない街。ですが今回は井波(いなみ)エリアや山奥のレストラン『L'evo』に行くためレンタカーを富山駅前で借りました。
「手しごととごはん」をテーマに金沢1泊、富山1泊の2泊3日ツアーを敢行してきました。写前編【金沢編】はこちら。
和風だしの優しい味「スズキーマ」のカレーを食す
富山駅に到着して、まず富山に住む友人・田中真紀子さんと合流。あの有名政治家と同姓同名ですが、そのくらいパワーのあるスーパーウーマンです。
ランチにはInstagramで見つけて気になっていたカレーのお店『スズキーマ』へ。
わたしたちが食べた「チキーマ」は、和風だしのカレー。スリランカカレーのように上に乗った副菜と混ぜながら食べます。本当に優しいカレー味のスープを飲んでいるような心も体も温まるお味。
スパイスミルクも甘くてホッと落ち着く味。DIYされた店内は子どもが喜びそうな遊び心に溢れていました。
民藝が好きなら「林ショップ」
カレーのお店『スズキーマ』の鈴木さんは大の民藝好きだそうで、話しが盛り上がったところで手工芸品などを扱う『林ショップ』をおすすめしていただきました。確かにめちゃくちゃ好み。しかも良心的な価格でしたよ。旅先でモノを買うならここおすすめです。
「SIXTH OR THIRD」でコーヒーを
「林ショップ」と同じ長屋にはコーヒースタンド『SIXTH OR THIRD』があります。こちらもぜひ! 海外のカフェで働いていた経験もある女性オーナーが切り盛りしており、クリーンな白い空間に人の温かさを感じるいいお店ででした。
ほんとうに米粉!?「SHOGUN PIZZA」のおいしさに驚き
さて今夜のお宿は富山駅から車で50分ほど離れた井波エリアのため、富山市内を離れる前にアーケード街で地元のお酒やワイン、おつまみなどを調達することに。
すると真紀子さんが「あ!ここ友だちのお店」と紹介していただくことに。
『SHOGUN PIZZA SOGAWA BASE』で試作中の米粉のピザを試食させていただきました。小麦粉のピザと謙遜ないおいしさ。これは小麦アレルギーの人に伝えたい……! 東京にあったら間違いなく流行ると感じました。
サスティナブル施設「トトン」を視察
「富山に新しく面白いサスティナブル施設ができたんだけど、みなみちゃん好きそうだから見に行こう」と真紀子さんに案内してもらったサスティナブル複合施設『トトン』へ。
富山の老舗家具店である米三(こめさん)の倉庫を利用してつくられており、1階にはリユース家具の展示販売・B品のアップサイクル品やサスティナブル製品を取り扱うショップがあります。
そして2階にはフードロスを防ぐため富山の老舗焼肉店大将軍が店で余った肉の端材を使ったハンバーグや、魚津市の濱多屋さんプロデュースの健康的かつ地元食材を使用した朝定食も楽しめる飲食エリアが。
食器は流通されず廃棄されるはずだったB品(品質は問題ないが黒点などがある)を活用するというサスティナブルというコンセプトににとことん向き合ったカフェがあります。富山のものづくり企業が保管しているマテリアルも展示されており、資料館的な側面も。
同じく2階はコワーキングスペースとフォトスタジオも併設。ちょっとした登壇セミナーができるスペースもあり、とにかく元倉庫だけに広い。アップサイクル家具「YES」の家具も置かれており、古き良きものに新しい価値をつけた施設にストイックさを感じました。
コワーキングスペースには、東京から移住してきたというライターさんも。
トトンの取り組みは『ELLE DECOR』でも取り上げられるなど注目を集めています。
地元民に愛されるデリ「キッチン花水木」
富山の夜は一棟貸しの宿「Bed and Craft」に宿泊予定だったので、せっかくならごはんは外で食べずお宿で宅飲みしよう! とデリを買い込みました。
やってきたのは「キッチン花水木」。季節の食材をふんだんに使ったお料理で1日1組のご予約制レストランとケータリングサービスのお店です。レストランの近くにデリカッセンを販売している場所があります。
職人に弟子入りできる宿「Bed and Craft」へ
そして今回楽しみにしていたお宿「Bed and Craft」にチェックイン。一棟ごとにひとりの職人さんがプロデュースしている分散型ホテル。「Bed and Craft」がある富山県井波(いなみ)エリアは、木彫りのまちで古くから職人さんたちが住まう場所。
分散型ホテルなのでまずはロビー棟でチェックインをします。井波の木彫りを感じられる木のトレイと和菓子切。この日わたしが泊まる部屋をプロデュースされた陶芸家・前川わとさんの器と、干し柿と胡桃といちじくの茶菓子も美味しかったです。
お茶を飲みながら説明を受けた後は電子錠の暗証番号をもらい、お宿に入ります。チェックアウトは電子錠のロックとアプリ上でチェックアウトのボタンを押すだけという手軽さもよかったですよ。客室内には地元のビールやお酒、燻製のポテトチップスもついていました。
専用の坪庭がついた「MITSU」は、元料亭をリノベーションしたお宿。陶芸家・前川わとさんがプロデュースしたお部屋です。食器はもちろん、ランプシェードやお風呂のタイルなど、目を凝らすと作品がいたるところにあります。職人の息づくまちならではのホテルです。
暮らすように旅する「Bed and Craft」の正解
さてお待ちかね。「Bed and Craft」での夕食の時間です。金沢で買ってきた「NiOR」のパンと、富山で買い込んだ「キッチン花水木」のデリカッセンや地酒、富山のワイナリー「SAYSFARM」のシードルと共に乾杯。
陶芸家・前川わとさんの器を実際に使えるなんて嬉しいですよね。作家物の器は電子レンジNGなので、これまたメイドイン富山の「9°」が大活躍! 我が家でも愛用しているレンチンしてそのまま食卓に出せる器です。
「Bed and Craft」で夕飯を楽しむのは正解な気がしました。家みたいにくつろげていい過ごし方ができました。
職人に弟子入り体験は次回のお楽しみに
職人に弟子入りできる宿と謳っている「Bed and Craft」は、いろんな職人体験のアクティビティーがオプションでつけられます。開催時間はチェックアウト後2〜3時間程度のため今回は参加を見送ったのですが、次回はぜひ体験したいなと思います。
職人に弟子入り体験できなかった代わりに、近隣にあるBed and Craft作家の作品があるショップ&ギャラリー「季の実」でお土産を購入。飲食店はもちろんセンスのいいショップが多い井波。何度来ても楽しめると思います。ぜひまた来て次は違うコンセプトの宿に泊まりたいな。
地産地消のイノベーティブ「L'evo」でランチ
美食家で知らない人はいない富山のオーベルジュ「L'evo(レヴォ)」へ。じつは以前富山を視察した際に、「L'evo」に山菜を提供している山の神と呼ばれるおじいちゃんに会っていまして(これもまた話せば長い)
ぜひ1度「L'evo(レヴォ)」で食べてみたいなという経緯がありました。
オーベルジュなのですが、ランチなら宿泊者以外もいただけるため車を走らせてやってきました。
コンソメのしゃぶしゃぶに山椒と葱を細く切ったものを巻いて食べる。これが1番好きでした。とにかくここでしか食べられないもの、香りの技術が素晴らしかった。そして食器や食材すべてに地元の手しごととリスペクトを感じられて、富山県ってなんてストイックなの……と思いました。
とんでもない山奥でお店やっても、そりゃ人が来るわ。
ノンアルコールのペアリングも、インフューズドの技術が凄すぎて圧巻でした。ノンアルコールのペアリングもおすすめです。
次回は「L'evo」に泊まりたい
もちろん高価ではありますが、「L'evo」はぜひ泊まってゆっくりご飯を楽しんで寝て、朝ごはんをいただいて。また元気になって帰っていく旅がしたいと思いました。
有名なお店って経験として1回行けば満足するものと予想していたのですが、「L'evo」は泊まりがけでまた行きたい。そのくらい美味しくて地元に対する愛情にも胸を打たれました。
なので次回富山ツアーをするならこのルートで行きたいというモデルコースを考えました。
これなら両方楽しめる……はず! コース料理でたらふく食べた後の山道は、車酔いで吐くので次は「L'evo」に泊まりたい。
いい経験はいい仕事を運んできてくれると信じて、また富山に足を運びたいです。