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【覚書】たまには休むことも必要

私は子どもの頃、割とズル休みをする子だった。
「頭がいたい」
「お腹が痛い」
バリエーションはそんなになかったが、
なんとなく行きたくなかったのだろう。
親には「行け!!!」と言われてランドセルを外に放り出されて、
それでも頑として行かず、そのまま
休んだことが何度かある。

そのまま休んで、教育テレビなんかを延々と見ていたりした。
母親は私が小学生の頃はがっつり働いていたので、
大変迷惑だったに違いない。

今、子を持つ親となり、
上の子は、真面目なので、まず「ズル休み」はしない。
本気の「行きたくない」があった時期はあれど、
「なんか今日は行きたくない」という
「頭が痛い」や「お腹が痛い」は使ったことがない。
本当に「痛い」時だけである。

対して、娘は割と「ちょっと行きたくない」気分が
よくある。
幼稚園の頃から、そういうことはあり、
小学校も1年生の頃は月1ペースであった。
最近はなかったのだけれど、
今日、久しぶりの
「頭が痛い」があった。

私はこういう場合、様子を見つつ、頻繁でなければ
割とすんなり受け入れる。
私は外で働いていないので、融通がきくし、
自身の子どもの頃を思い出すと、
「休みたい日もあるよなー」と思ってしまうのだ。

大抵、休むことが決まった途端に娘は、
ニコニコ笑顔になり、
「テレビはだめよ」と言われているので、
「ママ、お絵描きしよう」とか「折紙しよう」と言って、
私の時間を奪い去っていく。
私にやることがある時は、大人しく一人でお絵描きするのだが、
ちょっとすると、
「相手してー」「ぎゅーしてー」と寄ってくる。

今日は、昨日から「頭が痛い」と言っていたので、
すこしお膝に座らせて、
「なんか学校で嫌なことがあったの?」と確認してみる。
聞くと、特別、「コレ」という事件があったわけではなさそうだが、
なんとなく、お友達間の空気が悪いことは伝わってきた。

事件というほどでなくても、日々、ほんの少しの空気の悪いことに
疲れる時ってある。
私もあった。
「○○ちゃんと△△ちゃんが仲が悪くて」
「(娘)はどっちとも仲良くしたいんだけど…」
「最近は○○ちゃんと一緒にいるんだけど…」
「でも、時々仲間はずれにされる時がある気がする」
娘は口下手なので、大体をまとめるとそんな感じ。
どこまで重大視しているのか、私に聞かれたから取ってつけて答えているのか
それはわからない。
でも、「ちょっとしたこと」に疲れることもある。

ちょっとした話題についていけないとき。
話に入るタイミングがずれて、一人になってしまったとき。
移動教室で、友達が先に別の友達と一緒に行ってしまって、
自分が一人になってしまった。
前を歩いているグループに入っていけずに、その後ろを
一人で歩いている時。
向こうで楽しそうに話している様子が、自分の悪口を言っているように
見える時。
「どっちと遊ぶの?」と聞かれて、どっちの気分も損ねたくないから、
迷っていたら、どっちともどこかへ行ってしまった時。
毎日、ほんの些細なこと、おとなに言うほどではない、
大人に解決してもらうほどではないことの
積み重ねに疲れて、笑っている、相手に合わせていることに
ほとほと疲れてしまう時がある。

男の子はどうか知らないけれど、
女子はそんなことがあったよなああと思い出す。
段々と、
一人でも平気、とか
他の場所があるから大丈夫、とか
私は一人が落ち着くんだな、とか
あの子は今は別の子といるけれど、私とも仲良くしてくれる、とか
思えるようになってきて
自分の気持ちに折り合いをつけられるようになってきたけれど、
今だって、あれこれとモヤることはたくさんある。
ママ友問題だって、よく聞く話なんだから、
大人になってもうまく感情の折り合いをつけられないことはたくさんある。
大人になっても、なんだか
「今日はうまく話せなかったなー」とか
「ああ、まずいこと言っちゃったかなー」とか
「あの人はたくさん友達がいていいなあ」とか
いまだに思ってる私の娘だから、
もしかしてそういうこともあるかも?なんて思ってしまう。

そうしたら、
「何いうてんねーん!行かんかーい!」とは言えずに、
割と「お腹が痛いー」と言った朝は、
「じゃあ、ゆっくり休みなさいよ。テレビはあかんで」と言って
休ませてしまう。
そうして、大体お昼過ぎには
「ねえ、ちょっとだけ…テレビ見ていい?」なんて言い出して、
「そんなん言うんなら、今から学校行ってこーい!!!!」なんていう
バトルがおっ始まるのだが。

娘に「疲れ」や「嫌なこと」があって、
「休む」という選択をするのかどうか、
本当のところはわからない。
全部、私の想像である。
私もその時は、「本当にお腹が痛かった」のだ。
大人になって「私もよくズル休みしたよなー」なんて思っているが、
その当時は本当にお腹が痛くて、休んでいたと思う。
「頭が痛い」が何日か続いたら、病院へ行こうね、と約束をし、
明日は痛くなければ、元気に学校へ行くだろう。
そして、明日もランドセルを背負って駆けていく娘の
後ろ姿を見えなくなるまで、見送るのが私の朝の日課となるのだ。

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朝月広海
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