【読書の思い出】有川浩さん
有川さんも大好きな作家さんの一人であり、息子と共有している作家さんの一人。
といっても、息子は「図書館戦争」と「自衛隊三部作」だけ。「俺、恋愛ものは興味ない」だそうです。大体必ず、「ラブコメ要素」が入っているのが、有川さんの好きなところなんですが…(個人的に)
図書館戦争シリーズ
彼女の代表作。架空の世界、として本の検閲というものがまかり通る世の中になってしまった…政府の都合の悪い本は回収される、そんな世界。そこで立ち上がったのが図書館の「図書隊」。彼らは本を守るために、武装し、本を守っている…中で、主人公の郁は、高校生のころ、図書隊に大好きな本を守ってくれた思い出があり、その時に守ってくれた図書隊に会いたい一心で、自分も図書防衛隊になる、と決めた。優れた身体能力と向こう見ずの真っ直ぐな性格。
彼女の恋の行方と、図書隊とメディア良化委員会の攻防が見どころ。
コミカルな描写や、テンポのいい会話。絶対男子、好きだろう〜と思い、ススメたかったが、郁が両思いになってからの描写とかどう受け取るんだろう…と勝手にいろいろ考え、躊躇っていたが、勧めてみると案外そういうところは読み飛ばすのか何なのか…特に触れてくることもなく、私は考え過ぎなんだろうか。
自衛隊三部作
有川さんのデビュー作である「塩の街」に始まり、「空の中」「海の底」。三つは繋がっていないけれど、主要登場キャラが自衛隊に所属している。「塩の街」は陸上自衛隊。「空の中」は航空自衛隊。「海の底」は海上自衛隊。私は特に「海の底」が好きで、突如横須賀港にザリガニ?みたいな形の巨大な謎の生物が現れ、パニックに陥る…という突拍子もない設定。その突拍子もなさが好き。海上で潜水艦に子どもたちと共に籠城することになった自衛官二人夏木と冬原のキャラクターもとてもカッコよく…読んでいてニヤニヤが止まらない。
阪急電車
有川さんとの出会いは「阪急電車」だった。映画の公開に合わせて文庫化されたのをきっかけに読んだのだが、やはり出てくるキャラクターがみんなかっこいい。裏切った元婚約者の結婚式に真っ白な衣装で勝ち誇ったように座る女性。でも、その帰りに満身創痍で車内に立っている。電車内で態度の悪い乗客を真っ向から注意する孫を連れた老婦人。老婦人が優しく、花嫁のような格好をした傷ついた女性に声をかける。映画ではそれぞれ、中谷美紀さんと宮本信子さんが演じておられるが、それがよく似合う。中谷美紀が真っ白な衣装で結婚式に現れたらもう勝ち目はないでしょう。
連作短編の形で、阪急電車の宝塚沿線で繰り広げられる。登場人物たちはそれぞれ知らず知らずに出会いを繰り返し、すれ違い、互いにその場だけではあるが、温かい交流をする。残念ながら宝塚沿線は利用したことがないが、阪急電車はよく利用していたので、それもまた親しみを持てる理由の一つとなった。大好きな作品の一つ。
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有川さんの作品は、割とわかりやすい正義感のセリフに溢れていて、男子が読むのにいいのでは、という個人的な見解がある。
ご本人もきっと曲がったこととか、間違ったことを見過ごせないような人なのでは…と勝手に推測している。
有川さんの作品は映像化も多いが、映像化がどれもうまくいっている作家さんだと思う。「フリーター、家を買う」は個人的にはドラマの方が面白かった。二宮氏のフリーターっぷりがハマり過ぎていたという感もある。
そういえば最新刊だけまだ読めていない。これを書きながら、思い出したついでに読まなければ。