名前の由来を問うこと
#名前の由来 が企画された。面白い企画だと思う。
だが、昨今の教育現場では、家庭環境の複雑さゆえに、名前の由来を尋ねにくい。note公式で書かれたような「小学校で誰もが経験する」ものではなくなっている。
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「名前の由来を調べよう」と問えない学校
もし自分のクラスで「名前の由来を調べよう」という企画が行われたなら、クラス内に児童養護施設から通っている子やひとり親家庭の子がいないか、いてもこの発問が問題にならない、あるいは担任が無頓着かのいずれかだろう。
クラス全体の課題ではなく個人面談で聞くことはできるだろうが、それは雑談にしかならず、教員だけが由来を知ったところで意味はない。(その雑談から信頼を築く方法もあるけれどそれは別の話。)
そもそも「名前の由来を調べよう」という課題は、調べることが目的ではなく、自分の名前に込められた親の思いを知ったり、自分の生き方在り方を見つめ直すきっかけにしたり、調べる過程での発見や感想をまとめたり、発表を通して自分の考えを人に伝えたり、自分とは違う意見を知ったり共有したり……今回noteがやろうとしてることに近い気もするけど…学校においては児童生徒の成長を促すものでもあり、情報収集・発信の能力と技術を磨くものでもある。
一見すると良い企画だし私も賛成派だが、そうも言えない事情が、学校によって存在する。
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児童養護施設から通う子に対する配慮
さて、そもそも施設から通っている子に対して、深くは詮索できない。保護者となっている施設長や施設職員とはもちろん情報を交換するが、施設にいる理由は大まかに「家庭の事情」「経済的事情」などとしか告げられない。(指導上、トラウマの引き金を避ける目的がある場合には教えてもらうことがあります。例:父親から暴力を受けたので大人の男性が苦手だ、担任を女性にしてほしい…など)
教員が「おうちの人に聞いてみよう」といったところで、保護者である職員が名前の由来まで知ることは少ない。はじめから答えを出せない子がいるとわかっている状況では、発問を避けたほうが無難だ。
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ひとり親家庭の子に対する配慮
また、教育困難校ほどひとり親家庭の割合は多い。多いときはクラスの4−5割。これは差別ではなく事実である。(一方、進学校にもひとり親家庭の子は在籍しているけども、40人のうち一人か二人だそうな。)で、うっかり名前の由来を聞いて「離婚したお母さんから一字とりました」という内容の作文を全員の前で発表させようものならプライバシーの侵害と言われかねない。世知辛い世の中になりました、ほんと。
あと、両親揃ってても複雑な家庭事情は多く、しかもここじゃ書けない事例が多すぎ。ドラマ10本くらい書けるんじゃないかっていうくらい。事実は小説より奇なりを実感…
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名前の由来を問うこと
本来、親が子の未来を想って心を込めてつけるはずの名前。その由来を問うことで、親からの愛に気づいたり、自分の未来に希望を見出してほしいし、級友たちともその思いを共有してほしいが、親から引き離された子、親を憎んでさえいる子にとってその問いは酷だと思う。
私も一度、道徳の授業で名前の由来を扱おうとしたことがあるが、上記のような家庭環境の子が多く、スクールカウンセラーの先生に相談したところ「(本校では)絶対やめてください」と言われた。良い影響もあるが、悪い影響のほうが大きいだろうという見立て。仕方なく断念。あくまで本校の場合。(余談ながら、カウンセラーの先生や保健の先生は場合によって担任よりも持っている情報が多いので、教職に就いている・就こうとしている人は日頃から仲良くしておくと良いです。)
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あとがき
私は、名前の由来を問うことは、基本的には良いことだと思っています。ただ、それが適切でない場合もあるよ、というお知らせをしたかったので、この記事を書かせていただきました。
今回の #名前の由来 自体は良い企画だと思うので、ぜひ楽しみたいと思います。
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ちなみに 南葦ミト の由来は…
み 私の本名の頭文字
な 弟の名前の頭文字
み 妹の名前の頭文字
あ 妹の名前の頭文字
し 祖母の名前の頭文字
み 母の名前の頭文字
と 父の名前の頭文字
です。
さらに姓名判断も実施!
https://namehintbox.com/handanresult.php?name=%E5%8D%97%E8%91%A6_%E3%83%9F%E3%83%88
こうしてペンネーム 南葦ミト は誕生したのでした。
おわり
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