顧客を熱狂させて虜にする『ゲーミフィケーション』とは?(読書メモ)
『ゲーム戦略』とは?
ゲーム戦略とは、おもにテレビゲーム業界で用いられる「ゲーミフィケーション」と「ゲームビジネスメソッド」という2つの要素から成り立っています。
生きる上で必ずしも必要ではないゲームを「買わせる魅力作り」、すなわち「ワクワク感の創出」を可能とするのが、『ゲーム戦略』です。
ゲーム戦略とは何かを「ひと言」で表すと、『一人を熱狂させて、購買させ、虜にする仕組み』となります。
そして、ゲーム戦略は、
1.ゲーミフィケーション
2.ゲームビジネスメソッド
この2つの要素から成り立っています。
ゲーミフィケーションは、翌日に学校や会社があるにもかかわらず、徹夜をさせるほどゲーム自体をやり込ませ、熱中させる仕組みです。
もうひとつのゲームビジネスメソッドは、ゲーム機やゲームソフトの発売日に、寒い冬でも前日から徹夜して並ばせるほど、購買へのモチベーションをアップさせる仕組みです。
つまり、ゲーミフィケーションはゲームをプレイさせる技術、ゲームビジネスメソッドはまだプレイしていないゲームを購入させるステップなのです。
この2つが揃ってはじめて大きな効果を発揮するのです。
『ゲーミフィケーション』とは?
ゲーミフィケーションという言葉は、英語で表記すると「Gamification」となります。Gamification の言葉としての意味は「ゲーム化する」ということになります。そして、この言葉をビジネスの世界にあてはめると、「ゲーム(おもにテレビゲーム)の遊び自体のノウハウを、ゲーム以外の分野に活用すること」となるのです。
ゲーミフィケーション17の技術
1.即時フィードバック
時間を忘れて行動選択をし続ける
ゲームに熱中する理由のひとつが自分の行動に対する反応が“すぐ”わかることです。行動から反応・結果までがわかる時間が短ければ短いほど望ましいです。
2.レベルアップ
自分の強さや経験の量を明確に表す
自分の強さや経験の量といった価値が明確に「数字」で表されることで、利用者は自分自身が成長していることや、自分の未熟さなどの現状を実感することができます。
3.レベルデザイン
利用者のレベルに合わせたお楽しみを用意する
「レベルデザイン」とは、利用者のレベルに応じて、「次のレベルに到達すると何ができる・何が得られる」とレベルに付随する特典を設定して、それを教えることです。
4.不足感
「全部集めきった」という満足感を与える
キャラクターや宝を集めていくゲームで用いられる「全部集めたい」という、人間の「コレクション欲求」を喚起するものです。
5.シークレット
何が隠されているかわからないことで期待させる
「これ以上先に進むと、どんな敵が出てくるのだろうか」という、適度な不安感があることで利用者は熱中していきます。
6.スコアとランキング
「自分の位置」を把握させて意欲を向上させる
「次のチャレンジで、もっと高い得点を取りたい」というモチベーションを利用者に抱かせ、熱中させることはできます。
7.バッジと実績
利用者の到達度を可視化する
称号があることによって、人は「達成感」を得ることができ、サービスに対しての「忠誠心」を持たせることができるのです。
8.競争
身近な相手の動きを知ってモチベーションをアップさせる
相手の戦略や戦術が見えることで、自分の行動を判断することができ、ゲームにますます熱中していくのです。
9.協力
「仲間と一緒にいたい」気持ちで継続させる
実在の人間と一緒に時間と空間を共有することで、仮想現実のゲームの世界に現実世界のリアリティが加わり、熱中しやすくなるからです。
10.価値観の共有
ゲームに参加する人同士の交流を広げる
よりゲームに参加して、たくさんの人とコミュニケーションをとるようになったり、有料の豪華なアイテムにお金を使うほど熱中します。
11.ストーリー(物語性)
覚えやすく記憶に残る物語を展開させる
自分が主人公となって、積極的に自分からストーリーを切り開き、作り出している気分になります。
12.カスタマイズ
自分オリジナルのキャラクターで愛着を持たせる
自分だけのオリジナルキャラクターやチームが作れることで、ゲームに対しての愛着が高まるとともに、ゲームを続けるモチベーションが高まります。
13.イベント
特別な出来事や催し物でワクワク感を高める
同じことの繰り返しでなく、イベントがあることでワクワク感が高まり、次のイベントを期待して、ゲームにさらに熱中していくのです。
14.リメンバー
「期限付きの権利」で愛着心を高める
ゲームのことをずっと気にかけてもらうことで、ゲームに対しての愛着心がさらに高まるのです。
15.プレリレーションシップ
新作の発売に合わせて前作も買ってもらう
新しい利用者も休眠している利用者も、シリーズ全体の世界観に触れる機会を得られます。これにより、さらにシリーズ全体に忠誠心を持ち、購入し続ける熱狂的なファンに育て上げることができるのです。
16.グラフィカル
「絵」によって利用者は瞬時に楽しさを理解する
自分の車の画像、相手の車の画像、コース全体の画像、速度計、ガソリンの現量などが絵として表示されるからこそ、初めてゲームとして認識され、成り立つのです。また、登場するキャラクターに可愛らしい、カッコいいといった魅力があればあるほど、利用者はさらなる愛着を持つようになります。
17.驚嘆
利用者の想像を超えるサービス精神を発揮する
「驚嘆」を作り出すためには、利用者の想像を超える想像力やサービス精神が必要になります。一度利用者の心をつかむことに成功すると、愛着心を一気に高めることができる技術です。
ビジネスにゲーム戦略を取り入れるステップ
1.目的をひとつに絞る
まず重要なことが「何のためにゲーム戦略を活用するのか」ということです。
2.利用者は誰かを決める
ゲーム戦略を用いたときに、実際に利用するターゲットの対象を決めます。
3.利用者が楽しんでいる姿をイメージする
「利用者」がどういう風に楽しんでくれるのか、楽しんで欲しいのかということを、具体的にイメージしていきましょう。
4.ゲーミフィケーションの技術を追加して「熱狂要素」を増やす
本書で紹介している「ゲーミフィケーション17の技術」を追加して、サービス内容自体に含まれる「熱狂要素」を増やしていきます。
5.具現化するためのフローチャート作り
フローチャートとは「仕事の流れ」や「手順」を図に表したものです。フローチャートを作ることで、実際のゲームの流れがより明確にわかるようになります。
6.ゲームから始まるビジネスモデルの構築
重要なのは「ゲームの利用者をいかにファンにして、お金を支払ってもらうか」を考えることです。
7.ゲーム戦略導入サービスの開発
ゲーム戦略を導入しようとすれば、仕組みを開発するための予算や担当する人材、開発までの時間といった資源の確保が必要になります。この「理想と現実のギャップ」をどこまで埋められるかが、このステップのポイントになります。
8.ゲームビジネスメソッドの実践
ゲーム戦略導入のためのシステム開発が開始されたら、本書で紹介している『ゲームビジネスメソッド』を実践していきます。
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