舞台 千と千尋の神隠し in 博多
舞台『千と千尋の神隠し』カンパニーの皆様
第47回 菊田一夫演劇大賞 受賞おめでとうございます!!
見れば見るほどこの舞台に関わる方々の凄さが伝わり、この作品のいちファンとして、この舞台に関わる全員がこの賞を受賞できたことが嬉しくてたまらない。
2022.5.28
博多座公演 千穐楽おめでとうございます。
そして、環奈ちゃん おかえりなさい。
いろいろなことがあった1ヶ月間のなかでカンパニーの方々のあたたかさに触れ、ますますこの舞台に関わる人達がまるっと大好きになる。
萌音さんも初日の挨拶で話していたように、まるで油屋のような劇場。多くの舞台ファンから評判の高さを聞き、これは遠征したいと今回初めて博多座に足を運んだ。
ここに、博多座で観劇した際の感想を残しておくことにする。
※演出に関するネタバレは極力書かないように気をつけていますが、まっさらな状態で観劇されたい方は読まないことをおすすめします。
※レポというより、観ながら舞台の世界に没入していくタイプの人間が書いているのでご承知おきを。
舞台「千と千尋の神隠し」を観劇したのは3/28マチネの帝国劇場以来、約1ヶ月ぶり。
今回博多座で観劇したのは、5/2のマチネ公演。
博多座、本当に素敵な劇場だった。
観劇を終えて、まずいちばんに感じたのは音響の素晴らしさ。
今回の舞台「千と千尋の神隠し」はストレートプレイの舞台にも関わらず、オーケストラが実際に演奏している。
正直な話、帝国劇場で観劇した際には音が平面的に聴こえてしまい、生オケならではの魅力というものがあまりわからなかった。
が、、、
今回の博多座公演 まず序盤のオケの音圧にたまげた。本当に凄かった。生のオーケストラ独特の音の立体感がちゃんとある。重低音が下から湧き上がってくる。
そして、いわゆる効果音もとても良く聴こえた。
ジブリ作品は久石譲先生の音楽が不可欠だと思っている。今回の舞台化で改めてそのことを再認識した。
音楽による聴衆を異世界へ引き込む力。
この舞台がミュージカルではないストレートプレイだからこそ活きてくる静寂も、この音楽の魅力を引き立たせていた。そして、博多座の素晴らしい音響が観ている我々にその魅力を届けてくれた。
あの音に包み込まれる感覚をまた味わいたくて、観劇後、今後気になるミュージカル作品があったときには博多までまた足を運びたいと思っている。
ここからは、帝劇から変化したなと感じた部分などについて書き残したい。
まず、千がハクからおにぎりを貰って泣きながら頬張るシーン。萌音千尋の泣き方が帝劇ではアニメ寄りな印象だったのが、博多座ではさらに千尋を自分のものとしていて、リアルな小学生が目の前で泣いていた。
また、見ている側の心境の変化などもあるのかもしれないが、初めてとあるシーンで気づいたら涙が出ていた。
それは、千尋が油屋へ初めて入った日にリンの前で座り込んでしまう場面。
以前帝劇版の感想を記したnoteでも触れたが、舞台版の千と千尋の神隠しは湯女から千への新人いびりがかなりキツく、グサグサッと刺さる。「くさっ」と直球な表現であることも相まって、いびりの場面では毎度胸が抉れる。
この座り込んでしまう直前のシーンで、千尋は唯一の味方だと思っていたハクから冷たい態度をとられてしまう。
10歳の子供が親が豚になるというわけのわからない経験をし、その恐怖を抱えながら見知らぬところへ足を踏み入れ、湯婆婆と対面し、湯女たちからは臭いと悪意を向けられ、たったひとりの味方だと思っていたハクからは冷たい対応をされ、油屋に入る直前の優しいハクとさっきの冷たいハクは別人だと思いたいという願望はリンさんの一言であっさりと崩れる。
だから、あの場面で千尋は座り込んでしまうのだ。そして、千尋の心情とシンクロしていた私はリンさんの「どうしたんだよ…」という あたたかい声がじんわりと沁みてくる。
今回ここでどうしようもなく泣けてしまった。
そして、リンさんのことがますます好きになる。
これこそが舞台化の醍醐味なんだなと、今になって改めて実感している。
ひとの生の声に含まれる情報量は凄まじい。
また、アニメ作品や映像作品はどうしても見ている側の視点が固定されてしまう。例えばこの千と千尋の神隠しだと、私はこれまで千尋にフォーカスを当てながら、出来事の変化を中心に第三者の目線で俯瞰しながら物語をみていた。私はこの舞台を観劇するまで、千尋の心情に感情移入しながらこの物語を観たことがあまりなかったように思う。
舞台では たとえ主人公が千尋だとしても その周りではそれぞれの人物が意志を持って生きていると実感しやすい。蛙男も、湯女も。壺や花までもが意志を持っているんじゃないかという気持ちにさえなる。観劇していて、目が足りない。
そして、場面に出てくる各々が生きているからこそ、どうしてアニメ中で千尋があのような表情をしていたのか、なぜあのような行動をしたのか解像度が上がった。
もともとアニメ『千と千尋の神隠し』が大好きだったが、舞台を見てからこの作品のことはさらに大好きになり、見方も少し変わったように思う。
舞台を見る度に新しい発見がたくさんあり、物語に出てくるひとたち(異界の者たち)への愛着が増していく。
そうなる度にアンサンブルさんたちのことが大好きになる。私としてはアンサンブルさんの役どころが舞台上で生きているからこそ作品がより魅力的に見えるわけで、「アンサンブル」と括りで呼びたくないのだが…プリンシパル、アンサンブルと分けたくないので今後のnoteではなるべく“演者”と書こうと思うが、この演者と裏方の方々含めそれぞれの力があるからこそ、この作品が大好きになっていくんだと見る度に実感する。
だから、このnoteの冒頭にも書いたように 菊田一夫演劇大賞をカンパニー一同で受賞したことがとても嬉しくてたまらなかった。
次は札幌公演、そして名古屋公演。
千と千尋の神隠しカンパニーが無事に駆け抜けていきますようにと願ってる。
そして、Wキャストのなかで唯一観ることのできない環奈ちゃんの千尋を配信で観るのが楽しみ。
帝国劇場での観劇レポ↓↓↓
観劇に関するレポはここまで。
ということで、今回(記憶の中では)初めて降り立った博多で美味しかったものをここでひとつ。
それは、「ごまさば」
もともと ごまさばが好きで見つけると好んで食べていたのだが、ここで食べたごまさばは絶品だった。
私が食べたのは、ふぐの唐揚げとごまさばの定食。これが、とっっても美味しかった。かなり盛ってあったはずの白米を口に運ぶ手が止まらず、すぐに完食してしまった。
次また博多へ行った際にはまた必ず立ち寄りたい。
博多座に魅せられた私は、きっと来年の年明けにまた博多の地を踏んでいることでしょう。
そうなるチケット運を願って。
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