「無理矢理されたのまで律儀にカウントしてんじゃねえよ」
「触ってもいい?」
切羽詰まった様子でそう言った彼は、私の答えを聞く気なんてないみたいだった。上に跨って見下ろしてくるその瞳は、いつもより少し幼く見えた。
私も彼も、ずっと何かを探していた。その何かで、ぽっかりと空いた穴を塞ぐのに必死だった。”何か”で代用できるようなものじゃなかったのに、私たちはそのことに気付かないふりをした。そうしなければ、息をつぐことさえ難しかった。
私たちがほしかったのは、特別なものじゃなかった。それなのに、それを欲しがることさえ、とうの昔に