碧月はる

エッセイスト/ライター。エッセイ集『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』(柏書房)。PHPスペシャルにエッセイを寄稿。書評・著者インタビュー『ダ・ヴィンチWeb』|映画コラム『osanai』|連載『withnews』『婦人公論』|書くことは呼吸をすること。

碧月はる

エッセイスト/ライター。エッセイ集『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』(柏書房)。PHPスペシャルにエッセイを寄稿。書評・著者インタビュー『ダ・ヴィンチWeb』|映画コラム『osanai』|連載『withnews』『婦人公論』|書くことは呼吸をすること。

マガジン

  • そっと背中を押してくれた人たち

    私の作品を大切に読んでくださり、その想いを言葉にして伝えてくれたnote集。

  • #note珍百景 暇を持て余したnoterたちの遊び

    • 184本

    「せんせー!noteで変な遊びしてる人たちがいますー!」 見て楽しい、やって楽しい、noteの斬新な遊び方。 この人たち何をやっているんだろう…が永遠に楽しめる。 凹んだときに読み返してほしい、ビタミン剤的なマガジンです。

  • 琴線に触れたnote集

    何度でも読みたくなる。 出会えたことに心から感謝したい、素敵なnote集。

  • 日々、想い事

    日々のあれこれ。 子育てのこと、庭のこと、自身のことなど、想うままに綴っていきます。 読んだ人がホッと出来るような空間にしたいです🍀

  • お仕事告知記事

    お仕事で書いた記事を、随時紹介していきます。

最近の記事

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エッセイ集『いつかみんなでごはんをーー解離性同一性障害者の日常』刊行のお知らせ

2024年10月29日、デビューエッセイ集『いつかみんなでごはんをーー解離性同一性障害者の日常』を、柏書房より刊行する運びとなりました。 装画は嶽まいこさん、装丁は瀬戸内デザインの小川恵子さん、帯の推薦文は作家の村山由佳さんから賜りました。 こちらが、先日解禁となった書影です。 本書執筆の経緯は、私が柏書房の天野潤平さんに企画を持ち込んだところから始まります。 天野さんが詳細をXにて綴ってくださったため、そちらのポストより全文を引用させていただきます。 天野さんからはじ

    • 【ごきげんな日々】

      疲れているなぁと感じるとき、無性に甘いものが食べたくなる。白砂糖が持つ依存性への知識は上澄み程度もっているが、今はそんなことを気にしている余裕がない。自分に甘い私は、いつだって言い訳を常備して生きている。

      • 『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』石田月美さんによるインタビュー

        デビューエッセイ集『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』(柏書房)刊行に伴い、マルジナリア書店さんにて、作家の石田月美さんにインタビューしていただきました。 石田月美さんは、『ウツ婚!!死にたい私が生き延びるための婚活』(晶文社)でデビュー。こちらの作品は漫画化もされ、大きな話題を呼びました。今年、新たに刊行されたエッセイ集『まだ、うまく眠れない』(文藝春秋)は、月美さんの日常と共に、さまざまな社会課題が繊細かつ情緒豊かな筆致で綴られています。 インタビュ

        • 【やめたいこと】

          Coccoの「PROM」を聴きながら、ひとり声を上げて泣いた。

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        エッセイ集『いつかみんなでごはんをーー解離性同一性障害者の日常』刊行のお知らせ

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        • 【断捨離DAY】

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 【分身の術を極めたい】

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        • 【初秋の夜】

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        • 【てんやわんや】

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        メンバー特典記事

          【ごきげんな日々】

          疲れているなぁと感じるとき、無性に甘いものが食べたくなる。白砂糖が持つ依存性への知識は上澄み程度もっているが、今はそんなことを気にしている余裕がない。自分に甘い私は、いつだって言い訳を常備して生きている。

          【ごきげんな日々】

          『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』石田月美さんによるインタビュー

          デビューエッセイ集『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』(柏書房)刊行に伴い、マルジナリア書店さんにて、作家の石田月美さんにインタビューしていただきました。 石田月美さんは、『ウツ婚!!死にたい私が生き延びるための婚活』(晶文社)でデビュー。こちらの作品は漫画化もされ、大きな話題を呼びました。今年、新たに刊行されたエッセイ集『まだ、うまく眠れない』(文藝春秋)は、月美さんの日常と共に、さまざまな社会課題が繊細かつ情緒豊かな筆致で綴られています。 インタビュ

          『いつかみんなでごはんを——解離性同一性障害者の日常』石田月美さんによるインタビュー

          【やめたいこと】

          Coccoの「PROM」を聴きながら、ひとり声を上げて泣いた。

          【やめたいこと】

          【神さまがくれたお休み】

          先月、諸々の山場は越えたと思っていた。しかし、今月はさらなる山場の連続で、まとまって書く時間さえ満足に取れない日々が続いている。重なるときは重なるものだと、ため息をいくら漏らしたところで現状は変わらない。

          【神さまがくれたお休み】

          【宿る】

          「言葉にしきれない」という表現を使うことは“逃げ”なのだと、誰かが言った。それでも、今、私は私の感情をどうしても言葉にしきれない。悲しみ、痛み、後悔、そして数えきれないほどの幸福。次から次へと押し寄せる感情の渦は、いつものように私を飲み込むのではなく、ただただ静かに足元で揺蕩い、波紋をつくり続けている。

          【愛おしい哀しみ】

          夜、窓辺から聞こえてくる虫の声が秋のそれに変わった。朝晩のみならず、日中もクーラーの要らない日々を過ごしている。自然風で過ごせる気候になると、いかにクーラーに体を冷やされていたかが身に染みる。もちろん、クーラーがない生活など到底考えられない。だが、強制的に末端まで冷やされる機械的な涼しさは、私の脆い自律神経をグラグラと揺らす。体はいつだって正直だ。心の表層は誤魔化せても、体と深層心理だけは誤魔化しようがない。

          【愛おしい哀しみ】

        記事

          【神さまがくれたお休み】

          先月、諸々の山場は越えたと思っていた。しかし、今月はさらなる山場の連続で、まとまって書く時間さえ満足に取れない日々が続いている。重なるときは重なるものだと、ため息をいくら漏らしたところで現状は変わらない。

          【神さまがくれたお休み】

          【宿る】

          「言葉にしきれない」という表現を使うことは“逃げ”なのだと、誰かが言った。それでも、今、私は私の感情をどうしても言葉にしきれない。悲しみ、痛み、後悔、そして数えきれないほどの幸福。次から次へと押し寄せる感情の渦は、いつものように私を飲み込むのではなく、ただただ静かに足元で揺蕩い、波紋をつくり続けている。

          【愛おしい哀しみ】

          夜、窓辺から聞こえてくる虫の声が秋のそれに変わった。朝晩のみならず、日中もクーラーの要らない日々を過ごしている。自然風で過ごせる気候になると、いかにクーラーに体を冷やされていたかが身に染みる。もちろん、クーラーがない生活など到底考えられない。だが、強制的に末端まで冷やされる機械的な涼しさは、私の脆い自律神経をグラグラと揺らす。体はいつだって正直だ。心の表層は誤魔化せても、体と深層心理だけは誤魔化しようがない。

          【愛おしい哀しみ】

          【罪の境目】

          読みたい本が山のようにある。毎月吟味しまくって書籍を購入しているが、許されるものなら月に10〜20冊はほしい。歴史ある古い本も、アップデートされた知識が詰まった専門書も、推しの新作も、ずっと気になっていたエッセイも、愛読していた漫画のセットも……数え上げればキリがなく、読みたい本は果てしなく増えていく。 不思議なことに、本を読むと読みたい本が増える。小説であれ、エッセイであれ、多くの本の中には、ほかの書籍の存在が見え隠れする。それらに触れると、本の虫の欲求がうずうずと騒ぐ。

          【罪の境目】

          【変わりゆくもの】

          調子がいい日々が少し続くと、もうこのまま二度と悪夢なんて見ずにすむんじゃないかと思う。それが淡い幻想だと知っているのに、懲りずに何度も同じ期待を抱いては打ち砕かれる。ふらつく体と目覚めない頭を無理やり起こして、パソコン画面に向かう。そんなとき、指先から流れ出す文章は、いつも少し尖っている。

          【変わりゆくもの】

          【夏の香り】

          夏休みは忙しい。そんな当たり前のことをわざわざ一文目に持ってくるほどには、いっぱいいっぱいの毎日を過ごしている。 二人の息子は元気いっぱいで、だからこその怪我や心配が尽きない。部活、病院、外遊び、整骨院、部活、外遊び、試合、整骨院、外遊び。おおよそ、こんな感じで一日が過ぎていく。合間に家事や仕事に向き合い、気がつけば0時を回っている。先日は、長男が友人を泊まりがけで連れてきた。母が抱えるタスク量など、知ったことじゃない。そんな自由気ままな息子たちは、今日も自分が進みたい方向

          【夏の香り】

          【ベイビー・ブローカー】 母親は赤ん坊を「捨てた」のか、「託した」のか

          本記事は、“言葉と戯れる読みものウェブ”「BadCats Weekly」にて掲載していた映画エッセイを転載したものです。 本稿は、初出の記事に加筆・修正を加えております。 ◇◇◇ 映画『ベイビー・ブローカ―』公式HPに記載されている、是枝裕和監督の言葉である。 生まれなければ良かった命。「そんなものはない」と、一片の疑いもなく言い切れたなら、どんなにかいいだろう。そう言い切ってしまいたい感情の奥で、日頃ひた隠しにしている本音が呻き声を上げている。 「要らなかったのなら

          【ベイビー・ブローカー】 母親は赤ん坊を「捨てた」のか、「託した」のか

          【夫婦の相性】

          酷暑が続く最中だが、時間を見つけて日々少しずつ庭の手入れをしている。なんとなく心がざわざわする日も、土を触ると不思議と落ち着く。人間は、やはり自然の一部だ。「土から離れては生きられない」というラピュタの名言を、暑さに当てられながらぼんやりと思い出す。 朝から晩まで希死念慮に襲われていた春先の嵐が嘘のように、穏やかな日常が続いている。もちろん、毎日24時間健やかでいられるわけではない。だが、私の人生において、今がもっとも健康体だと言い切れるぐらいには調子がいい。悪夢で繰り返し

          【夫婦の相性】

          【影絵に浮かぶ祈り】

          先日、noteに書いた通り、現在のパートナーと入籍をした。夫婦別姓の世の中を切望しているが、私自身は両親と絶縁しているため、旧姓に一切未練がない。むしろ、身元を隠すためにも彼の姓を名乗ったほうがより安全だろうと、夫の姓を名乗る形で話はまとまった。そのため、元夫の氏を名乗っている息子たちと私は、違う名字となる。そのことを彼らに伝えたとき、長男、次男ともに「お母さんの名字が変わるからなんなの?それで何か変わるの?」とポカンとしていた。「家族の一体感」とやらを重視して夫婦別姓に”慎

          【影絵に浮かぶ祈り】

          【性被害者が加害者に抗えない理由。原作『先生の白い嘘』が描く被害者心理について】

          漫画『先生の白い嘘』(講談社)に出会ったのは、発信活動をはじめるより少し前のことだった。鳥飼茜氏による原作は、「性被害」の実態を容赦なく描いている。被害そのものにとどまらず、被害者が陥りやすい防衛機制までもが生々しく表現されており、いち当事者である私は、読みながら何度も息を呑んだ。 全八巻に及ぶ本作は、序盤から性被害の描写が登場する。主人公は、高校教師の原美鈴。彼女が主な被害者として描かれているが、本書において、登場人物の大半が何らかの被害者であり、何らかの加害者でもある。

          【性被害者が加害者に抗えない理由。原作『先生の白い嘘』が描く被害者心理について】

          【改めて、家族】

          2024年6月30日、大安吉日。 現在のパートナーと入籍しました。 彼と暮らしを共にして、およそ2年。この日を迎えるまでに、さまざまなことがありました。私たち2人の関係性においても、私個人の問題においても。彼は、どんなときも変わらぬ笑顔で支え続けてくれました。その腕の温かさと揺るぎなさを、私はいつだって信じることができました。 もともとは、次男が成人したあとに入籍を予定していました。しかし、まさかの息子たちに背中を押される形で、再婚する運びとなりました。 「まだ結婚して

          【改めて、家族】

          【アヒルと鴨のコインロッカー】 答えは風に吹かれている

          世界的なミュージシャンである、ボブ・ディラン。彼は「音楽の神さま」と言われている。彼の存在を知ったのは20代後半の頃、とある映画がきっかけであった。 伊坂幸太郎原作の小説を中村義洋監督が映画化した、「アヒルと鴨のコインロッカー」。濱田岳と瑛太がダブル主演を務める他、関めぐみ、松田龍平、大塚寧々ら実力派俳優がそれぞれ個性的なキャラクターを見事に演じている。 大学進学とともに仙台に引っ越してきた椎名(濱田岳)は、荷ほどきをしながらボブ・ディランの名曲「風に吹かれて」を口ずさん

          【アヒルと鴨のコインロッカー】 答えは風に吹かれている