ピラティスVSヨガ・・・何が違うの?
ピラティスとヨガ、何が違うのかはオンラインでもいろいろと説明がある。
もちろん、ピラティスとひとくくりにしてもいろんな団体があるし、ヨガもしかり。
しかし、まず大きな違いのひとつとして、歴史やコンセプトがあると思う。
ピラティスは20世紀にピラティス氏が考案したもともとは体のリハビリシステムだ。
しかしヨガはインドの瞑想修行などの歴史をもち、発祥は紀元前にさかのぼる。
言い方を変えれば「ピラティスは科学的なコンセプトと、ピラティス氏が経験したスポーツ、ヨガ、太極拳、古武術などの美味しいところを圧縮している」ということ。
そして「ヨガは何前年もの経験に基づいている」こと。
ヨガが良いのかピラティスが良いのかは、一般人が習うという意味では好みでよいのではないかと思うが、わたしは以下のように考える。
・こうすればこうなるという理由と結果を結び付けて納得したい人はピラティス向き。一方、あまりそういうことを追求したくない人はヨガ向き。
・「大地のエネルギー」などの言葉にまず警戒心を抱くひとはピラティス向き。
・リラックスを求める人はヨガ向き。
・少々自分に厳しい人はピラティス向き。
・精神面、雰囲気を重視する人はヨガ向き。
・瞑想などを含め、心の安定をはかりたい人はヨガ向き。
・特定のスポーツなどに関してのパフォーマンス向上を目指すなど、はっきりした改善目標があったりリハビリの目的の人はピラティス向き。
よく、「ヨガは呼吸法を重視する」と聞くが、これはピラティスも同じこと。呼吸法は大事である。
しかし、「生きるための呼吸」と言う意味ではわたしはヨガの呼吸法が良い気がする。
ピラティスの場合、たとえば仰向けに寝転んでまっすぐそろえた足をゆっくり上に持ち上げるとする。その場合、腰回りの筋肉が弱い人は、胸が持ち上がり、腰が反るような感じになりがちで、そのエクササイズをすることで腰を痛めるかもしれない。そのため、ピラティスを始めるときに教えられるのは、肋骨下から骨盤までを安定させながら腰椎が過剰に反って腰を痛めるのを防ぐため、「インプリント」と呼ばれる、仰向けに寝た時に腰の後ろに少しできるすきまをつぶすように骨盤を後傾させる体勢を作ること。腹筋でおへそから垂直に腹部をマットに押しつけるような感じだ。
仰向けに寝た姿勢の時は、インプリントポジションを作ってから足をもち上げるなどして、腰が過剰に反るのをさける。
そして、エクササイズ中に呼吸を止めてはいけないのだが、インプリントポジションを安定させるためには腹筋をしめる必要がある。
ということは。。。おなかをあまり動かして呼吸ができない。つまり、横隔膜を大きく上下させることができなため、結局胸郭のみを開いたり閉じたりさせる呼吸になるから、呼気吸気の流量は少なくなる。
ピラティスはそれぞれの動きがどの筋肉に対して作用するのか、どういう姿勢がとれるようになることを目的にするのかなど、必ず体の使う部分を意識しながら動きのターゲットを決めて行うことが本来必要だ。
しかし、たとえば、AさんとBさんが外から見ると同じ動きをしたとしても、実はどの筋肉を使って動かしているかは違うかもしれない。
というのも人間の身体はうまくできているから、小さな動きでも複数の筋肉が共同して動きが作られる。その中のどの部分を集中的に使っているかは人によって違う時がある。
たとえば、そんなに筋肉質でもないのに、ふくらはぎが太すぎると悩んでいる女性がいるとする。その女性の場合、もしかしたら、ふくらはぎを筋トレさせるような歩き方をしているかもしれない。
「歩く」などの基本的な体の動きは、本来エネルギーをなるべく使わず、体の弾力性や筋膜のしなりをうまく使ったりしながら行えばそんなに疲れないように体は作られている。
それなのに、体の弾力性を利用せずに力を使って歩いていたら?
身体によかれと思ってたくさん歩く人が、もしも効率の悪い歩きかたをしていたら?
無理している筋肉が肥大し、関節は早期に痛んでくるかもしれない。
ピラティスは動かすのが目的で、ポーズをとるのを目的としない。
しかしヨガには〇〇のポーズという風に静止したポーズがある。
「ピラティスをしたことはあるけれど、めちゃくちゃきついんだもん!」という理由でヨガを好む友人がいる。
まあ、たしかにピラティスはある意味筋トレですからね(笑)。
ただ、わたしは上に書いたピラティスに向く人ヨガに向く人の分類で言えば100%ピラティス派である。
しかし、ヨガを否定はしない。ヨガは気持ちがいいし、あたらしいポーズに挑戦するのも面白い。
ピラティスにせよヨガにせよ、個人的には続けるのが大事で、現代街中で行われるピラティスやヨガはだんだんとお互いに歩み寄ってきて、どちらにも科学的なエビデンスに基づいた動きや考えが取り入れられてきているとおもう。
音楽でもジャズ、クラシック、ポップス、ラップ、民族音楽、などいろいろジャンル分けしても、いろいろ融合したものも多いよね。あんな感じになってきてる流派もあると思う。
そして、ピラティスもヨガも、その動きの強度や難しさはいくらでも調整できるから、「ピラティスはきつい!」とかではなく、自分が心地よく思う強度に合わせて行けばいいのだと思う。
・・・結論として。
ピラティスとヨガの違いとは、
⑴ピラティスはもともとリハビリ目的で近代にできたもの。ヨガは瞑想修行などの起源からそれこそ紀元前からあるもの。
⑵ピラティスにはもともと精神世界観は、ない。ヨガは、ある。
⑶ピラティスは解剖学や医学的見地に基づいている。ヨガは長い歴史と経験に基づいている。
⑷ピラティスは特定の身体の動きやパフォーマンスを上げることが可能。ヨガは全身のバランス重視。
などではないだろうか。
わたしは、ピラティスとヨガを比べてどっちがいいとかいうつもりはない。
合うか合わないか、そしてどっちにより共感できるかで選べばいいと思う。
★最後に★
わたしが2019年にピラティスインストラクターの講習を受ける前、友人たちがピラティス教えてと言ってきて、まあ、それがインストラクターの資格をとる動機にもなったのだが、そのころどう教えていいかわからずYoutube動画を見まくったことがある。
名前も覚えてないが、アメリカに住んでいてピラティスやダンスを教えている若くてきれいなお姉さんなどが、スタイル良くなりますよ~を売りに動画のせていた。チャンネル登録者も多かった。彼女はピラティスの呼吸として、腹筋に力を入れ、胸を開くタイプの呼吸を推奨していた。これはまさに↑で説明した、マット上であおむけになって足を斜め上にあげたりするときに腰がそらないようにするために行うインプリントの姿勢の時の呼吸だ。この呼吸はお腹をふくらませず、たとえて言えばウエストがきついパンツやスカートをはいていたり、コルセットをしていればこの呼吸をせざるを得ないものだが、この「ピラティスの呼吸」を普段からしていたら、ウェスト細くなりますよ~♪的なことを言っていたが。危険。嘘です。
フランクリンメソッドではその辺きちんと説明するが、横隔膜が上下することで人間は呼吸する。肺が膨らんで息をするのではなく、肺の下は横隔膜にくっついており、横隔膜が下に下がるから肺は陰圧で膨らむのが理にかなっている。横隔膜が下に下がると、横隔膜より下にある内臓は上からギューッと横隔膜が下りてくるから、前に出るしかない。ということは、息を吸っているときはお腹は前に出る。これは当たり前で健康的な状態。
この状態をあえてつくらず、お腹を固めることを彼女は推奨していた。
いや~、ちがうわ~、と今は思う。
そしてピラティスはその呼吸を推奨しているわけではないですから。
ヨガは呼吸が大事でピラティスでは重視してない、ということではないですから。
呼吸のこと話しだすと長くなるので、またこの次。
あ、私が今日間違ったことを書いていたら、ぜひ訂正、反論のメッセージお願いいたします!