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番外編:外国人と話すときのオノマトペ考

現在わたしは日本語教師養成講座受講中である。やっと昨年末に日本語教育にまつわる基礎知識編を履修し、試験に合格したばかりだ。そして本日から「実践」なるものに突入し、うまくいけば六月に規定の420時間の受講を修了し、秋には無事に日本語教育能力検定試験に合格し、国家資格を手に入れる予定。あくまで予定。

わたしは10年ちょっと前からイタリア語を日本にいながら学習しているが、いい先生というものに残念ながらめぐりあわなかった。試行錯誤し紆余曲折あり、ほぼ自力でイタリア語検定1級とCILSのC1レベルには合格したが、まだまだ実力不足である。そして経験不足である。が、そうやってイタリア語はゼロから勉強した経験があるため、わたしは日本人にはイタリア語をある程度のレベルまでは教える自信がある。日本人からするとイタリア語を乗り越えていくときに日本人が理解しづらい場所がわかるからだ。そしてそこを苦労して通過しているからだ。しかし、日本語ネイティブだから日本語を外国人に教えられるか、といえば、それは「否」である。というか、大間違いである。なぜなら、わたしたちが当たり前のものが外国人には当たり前ではないのだから。ひらがな、カタカナ、漢字を覚えるのが難しいのはわかるが、その他は?

文法はもちろんだが、日本語を学習する外国人にとって難しいことの一つに、オノマトペがある。わたしも今回日本語教師のコースに通い始めてやっと気づいたのが「オノマトペは、ふつう日本人にしか通じない。」ということだ。

数年前に、日本語がほぼわからないミャンマー人の歯につめものをした。その調整をしたいとき、「上下の歯をかみあわせてください」というシンプルな言葉すら通じないので、「かちかち」と言いながら上下の歯の模型をかみ合わせる動きを見せたりしたものだが、今思えば「かちかち」なんて彼女にはわからないのだ。

わたしたちにとっては「かちかち」「がちがち」「ざーざー」「さくさく」。。。オノマトペっていくつくらいあるか考えたことがなかったが。。。

ネットで調べると、5000だの10000だの。たしかに新たに創作することもできるし、きりがないだろう。このオノマトペが日本語の表現を豊かにしているのは間違いない。

先日、語学学習パートナーのイタリア人アリーチェちゃんとskypeしていたとき、(彼女の日本語レベルは中級くらいと思われる。)数値がすこしずつ上昇するようすを「だんだん」と彼女は言いたかったのだが、「どんどん?だんだん?いつも違いがわかりません!」と嘆いていた。「階段って言葉は知ってるよね?『だんだん』というのはね、階段が一段二段と上がっていくのをイメージすればすこしずつ上がる、下がる、ということを言いたいのがわかるよ」とアドバイスすると、彼女はいたく感動していた。

日本語があまりわからない外国人と意思疎通を、それでもなんとか日本語ではかりたい場合。一番良いのは、もう、ジェスチャーでしょうね。。。。。だって、知らない単語をどんなにゆっくり話したところで相手はわからない。わたしも知らない外国語をどんなにゆっくり発音されたって、それは、ただの知らない音でしかない。

過去の私も含め、オノマトペは外国人にも「音のジェスチャー」感覚でわかりやすそうに思っている方も多いと思うが、それは大間違いである。外国人と日本語で話すとき、そこは念頭に置いておいたほうが良い。

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