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#それでもスポーツで生きていく・#6
~本論【第1章】
スポーツの『存在目的』に耳を傾ける旅
こんにちは、スポーツエッセイスト・岡田浩志です。
これまで、『それでも、スポーツで生きていく』というタイトルの文章を5つ、現在のスポーツ界が抱えている課題にフォーカスしてお届けしてきました。(それを僕はスポーツ界の『生きづらさ』と呼んでいます。)
それでも、スポーツで生きていく~序論|milsports_life|note(ノート)
https://note.mu/milsports_life/m/mb24b56224319
今回からはいよいよ、その本論に入っていこうと思います。その進め方の指針となるのは、以下の5つの行動原則です。
≪ 自立のための5つの行動原則 ≫
1. 存在すること自体に価値を認める
(Being Management)
2. 本心からやりたいことだけをする
(気の進まないことはしない)
3. 過去と決別して今ここに集中する
(今できることに専念する)
4. ダメなことを理由に理想を掲げない
(目標を立てて頑張ることをしない)
5. 内面の想いと表出行動を一致させる
(インテグリティを持つ)
この5つの行動原則は、僕がうつ病の経験を持ったことで、意識するようになったことを過去の投稿で書いています。しかし、その1つ1つについて、なぜこのように整理したのか、ということについてはまだ触れておりません。
本論では、それを1つずつ丁寧に検証していくとともに、スポーツ界の事象を論じていきます。
存在すること自体(Being)に価値を認める
最初に持ってきたこの項目、僕がうつ病から立ち直る一番のきっかけになったお話です。ですので、5つの原則においても1番目に並べています。
以前僕が書いた、この投稿での気づきは、僕がこのブログ記事を読んでいて、ハッと理解を得たものになります。
ありのままの自分を認めてくださること、これ以上に生きるモチベーションを与えてくれるパワーは、他にないのでは、と考えます。
気づきのルーツをたどる
『Being・Doing・Havingの法則』。これをさらに調べてみると、どうやらもともとのルーツは、以下の『BE DO HAVE』の法則という書籍に遡りそうです。
幸せへのパスポート―『Be Do Have』の法則
篠塚澄子著 ( ビオマガジン, 2009 )
https://www.amazon.co.jp/dp/4904379179/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_-5trDbXNFQQQ1
この法則は、スピリチュアル分野(引き寄せの法則)で浸透していった理論のようですが、ビジネス分野では、TEDトークにて語られた、サイモン・シネック氏の『WHYから始めよ!(Start with Why)』の話に、考え方の根っこが近いようにも感じます。
サイモン シネック·TEDxPuget Sound
優れたリーダーはどうやって行動を促すか
https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action?utm_campaign=tedspread&utm_medium=referral&utm_source=tedcomshare
ここでサイモン・シネック氏が語るゴールデンサークル理論、僕が専門学校でスポーツビジネスの講師をしていた頃にも、リーダーシップの講義などで、よく活用していました。
なぜ、人々はアップル社の商品を買うのか、という解説で、サイモン・シネック氏は、企業としての信念から伝える重要性を指摘します。
アップルならこんな風に伝えます。「我々のすることはすべて世界を変えるという信念(Why)で行っています。違う考え方に価値があると信じています。私たちが世界を変える手段(How)は、美しくデザインされ、簡単に使えて、親しみやすい製品です。こうして素晴らしいコンピュータ(What)ができあがりました。」
これが示すのは 人は「何を(What)」ではなく、「なぜ(Why)」に動かされるということです。
存在そのもの(Being)の価値を考えるということは、存在目的(Why)を考えること、とも言い換えられると思います。
『存在目的』にフォーカスする重要性
この『存在目的』にフォーカスする手法は、昨今話題の『ティール組織』にも共通する考え方です。
メモ不要。読めば思考が走り出す本
(岡田武史:今治.夢スポーツ)
|英治出版オンライン @eijionline|note(ノート)
こちらの『ティール組織』では、第6章が「存在目的に耳を傾ける」というテーマとなっています。
人は、ちっぽけで自己中心的な目的や、利己的な仕事に長い間仕えることはできない。あまりにも多くの組織が、人々を中身のない仕事に関わらせ、視野の狭いビジョンに熱狂するよう促し、利己的な目的への献身を求め、人々の情熱を競争に駆り立てる。こうした動きに嫌悪感を示し、不毛な努力に情熱をかけるのはもうやめよう。(マーガレット・ウィートリー&マイロン・ケルナー=ロジャース)
『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』p.324
| フレデリック・ラルー著(英治出版,2018)
組織の存在目的を問うだけでなく、関わる人々それぞれの存在目的に耳を傾ける重要性を説いているのが、この『ティール組織』の第6章の内容です。
スポーツの存在目的に耳を傾ける
先に出てきたアップル社であれば、世界を変えること、違う考え方(Think Different)を持つことというのが社の信念(Belief)であり、その理念に共感する働き手や、買い手が、アップル社の熱狂的なファンになる、というわけです。
それでは、スポーツの世界では、どのような信念や理念が、人を惹き付けているのでしょうか?
僕の連載『それでも、スポーツで生きていく』本論・第1章は、
スポーツの『存在目的』に耳を傾ける旅
と題して、スポーツ界に存在する様々な組織やキーパーソンの信念や理念を、追いかけていきます。実際に取材も行う予定ですし、定点でスポーツ界の組織や人に密着していくことも考えています。
そのまとめ的な文章は、各論で、それぞれの事例の詳細についてはケーススタディという形で、順次纏めていきます。
既に、過日僕は宮崎に旅をしているのですが、こちらで見聞きしてきたことも、実はこの素晴らしい理念を持つスポーツ界の取り組みの1つなのです。
ここ宮崎・都農町では、今後も面白い取り組みが続々予定されているようです。スポーツ界の優良事例として継続的に、このnoteでも紹介していく予定です。
おわりに
少し小難しい印象の本論1投稿目となりましたが、これから本論、各論を本格化させていきます。
すべてを語り終えるまで長い旅路になりそうです。どうか、お付き合いのほど、宜しくお願い致します。
スポーツエッセイスト
岡田浩志
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