言葉が軽い教員は、ベタなこと言いすぎ。
「3学期は、次の学年の0学期です。次の学年に向けて準備しましょう!」
このフレーズはベタだねー。マジ顔で言ってた過去の自分がダサい。
中学生は「3学期 = 次の学年の0学期」の言葉を いろんな先生の口から小学生のときから何回も聞いています。「はいはい、またそれかー」と生徒は感じます。
この記事では、言葉が軽い教員の特徴「ベタなこと言いすぎ」について論じます。
■なぜ、ベタな言葉は響かないのか
人間は 既に一度見たり、聞いたものには、心が動きにくいからです。
生徒は 椅子に座って話を聞かなければいけない制約があるので、知っている話が流れてくるのは退屈です。
教員は、自分の発する言葉の意図や内容の正しさを考えると同時に、フレーズが ベタか ベタじゃないか の判断をした方が良い と僕は考えます。
■ベタなことは、本質
とは言っても、生徒に伝える話の結論は、ベタなことで終わることが多いですね。
まずかったな と思ったら謝ろう。
夢を持って生きてほしい。
価値観は 人によってそれぞれです。
上に挙げた内容は、大切なことですが、全人類共通の ベタベタ フレーズです。
教師がマジ顔マジトーンで そのまま上のフレーズを話したり、" 今から良いこと言いますオーラ "で、聞いたことある名言を言ったりしても、響きません。
しかし、伝えたい内容ほどベタなんです!
そこで、ベタな内容が上手く伝わる2つの技を書きました。
■ベタなことを伝える技術
❶自分のストーリーを絡める
例えば「まずかったな と思ったら謝ろう」ということを伝えたいとき、自分の体験談を絡めるのです。
僕が22歳のとき、いつもだれもいない駐車場で、イキって時速40kmで軽トラをバック駐車したんだけど、たまたま見知らぬ車が停まっていて、気付かずぶつけてしまった。
乗っていた人がいたから、ケガしてないか、命が無事かどうか確認するまで、心臓が止まりそうになった。
すぐに、その人に誠心誠意めちゃくちゃ謝った。あとは、警察が来て・・・。➞最終的に許してくれたというオチ。
道徳的なベタ内容や だれかが言った名言などは、他人の言葉です。
自分のストーリーを話に盛り込み、他人の言葉を,「自分の言葉」にするのです。
自分の言葉には、リアルな感情が乗っかります。登場人物の心理描写が想像できる話は面白いのです。
話の上手な先生は、結論までのストーリーが面白い上に、納得感があります。加えて 熟練の先生は生徒に「君だったらどうする?」と生徒をストーリーに巻き込んでいきます。当然生徒も話に集中します。
❷ベタワードに味付けをする
生徒が既になんとなく分かっているベタな内容でも、教師が「言い方、言い回し」に味つけをして伝えた方が 生徒の心に響きます。
そのために、上手なフレーズ(一文)に出会う回数を増やすのです。僕は読書を通してフレーズに出会うことが多いです。
以前の記事で紹介した「かたつむり君にとっては、雨は晴れ。」もその1つ。今まで自分の頭には浮かんでこなかった 初めて出会う "フレーズ" はベタであると感じません。
■上手い味付けだと思った。
元同僚の先生が、「人の悪口を言ってはいけない。SNSに書き込んでもいけない。」という全体指導をしたときの話は、今でも覚えています。
7月の夏休み前の集会で、「最近読んだ本で、みんなにも考えてほしいんだけど・・・」からその先生の話がはじまりました。
教会で、神父さんと村人が2人で話している場面。
神父さんが村人に質問する。
「人の悪口を言うのと、人の物を盗むのは どちらが罪深いことだと思いますか。」
村人が答える。
「人の物を盗むことの方が 罪深いと思います。」
神父が答える。
「いいえ。人の悪口を言う方が罪深いです。なぜなら、人の物を盗んでもその人の命はなくなりません。でも、人の悪口を言うことで、命がなくなることがあるのです。」
「悪口を言ってはいけない」ということは、生徒は知っています。ベタな内容です。でも生徒は悪口を言ってしまうのです。
SNSトラブルが大いに予想される夏休み前の最後の集会で、生徒の心を動かした意外性のあるフレーズ(神父の返答)は、今も僕の心に 残っています。
■noteから学んだ ベタな記事の伝わらなさ。
タイトルや、記事の1行目がベタな内容であるものは、最後まで読まれません。クリックさえされません。内容が予想できてしまい、読者が読む価値を感じないからです。
僕自身note の記事を執筆する上で、「いますぐかけ、の文章法」という本が一番参考になっています。
また、文章がおもしろいクリエイターさんのnoteの記事を読んで勉強し、とにかく自分で量を書いて、工夫を続けています。
目にとまる記事 や 伝える文章を書くためには、勉強と工夫が必要です。
noteの執筆 と 教育 は似ていますね。
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