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映画『私は憎まない』を観て −戦争は絶対にしてはいけないと改めて思う

10/3に公開された映画『私は憎まない』を鑑賞しました。
『私は憎まない』は、ガザ出身の医師イゼルディン・アブラエーシュ博士の実話に基づく映画で、彼の平和と共存への誓いを描いています。
戦争の悲惨さと平和の重要性を強く訴えるこの映画をたくさんの方に観ていただけたらという願いを込めてレビューします。


この映画を観たきっかけ

中東に対して、これまではニュースで見聞きする以上の関心を寄せてこなかった私。
ウクライナでの戦争が長引き、ガザでの戦闘から明日(2024/10/7)で1年。話題になった朝ドラ『虎に翼』でも戦争で日常が奪われ大切な人を失い苦悩する人々や原爆裁判が描かれました。
どうしたら平和を手に入れられるのかと考える機会が増えていたタイミングでこの映画の上映を知り、「まずは知ることから」との思いで映画を観ました。


映画のあらすじ

映画『私は憎まない』~平和と人間の尊厳を追求するガザ出身医師の誓い~
「医療でイスラエルとパレスチナの分断に橋を架ける」。ガザ地区の貧困地域、ジャバリア難民キャンプ出身の医師で、パレスチナ人としてイスラエルの病院で働く初の医師となったイゼルディン・アブラエーシュ博士は産婦人科でイスラエル人とパレスチナ人両方の赤ちゃんの誕生に携わってきた。彼は、ガザからイスラエルの病院に通いながら、病院で命が平等なように、外の世界でも同じく人々は平等であるべきだと、分断に医療で橋を架けようとする。しかし2009年、両者の共存を誰よりも望んできた彼を悲劇が襲う。彼の自宅がイスラエル軍の戦車の砲撃を受け、3人の娘と姪が殺されたのだ。砲撃直後、博士の肉声をイスラエルのテレビ局が生放送し、彼の涙の叫びはイスラエル中に衝撃と共に伝わった。その翌日、博士は突然、テレビカメラの前で憎しみではなく、共存を語りだす。イスラエル政府に娘の死の責任を追求するも、決して復讐心や憎しみを持たない彼の赦しと和解の精神は、世界中の人々に感動を与え、“中東のガンジーやマンデラ”とも呼ばれる存在となる。しかし2023年10月7日のハマスのイスラエルへの攻撃、それ以降のガザへの攻撃を経て、彼の信念は再び試されることになる。

映画『私は憎まない』公式サイトより引用


感想

本当にひとりでも多くの方に観てもらいたい映画です。日本に住んでいる多くの人は、私のように戦争がどのようなものかを知らないと思います(主語が大きくてすみません)。

戦争というのは、兵士が兵士と戦闘することだけではなく、ただその土地に暮らしている人が日々の生活を脅かされ、生命を脅かされ、将来への希望や社会への信頼を失っていくことなのだと認識しました。
アブラエーシュ博士は、貧困から抜け出すには教育が必要と考え勉学に励み医師になり、また医療がイスラエルとパレスチナの架け橋になると信じ、イスラエルの病院で働いていました。
そんな博士のが住むガザの自宅がなぜ戦車の砲弾を受けなければならなかったのか。なぜ目の前で娘が頭を撃たれなければならなかったのか。そこに正当性は微塵も無かったと思います。

映画の中では博士の自宅が爆撃を受けたときの肉声が流れ、病院に運ばれるシーンの映像も残されています。あまりの衝撃で胸がギュッと締め付けられる。ただそこで暮らし、学んでいた10代の子どもたちだったのに・・・。

博士の言葉で特に印象的だったものが以下の言葉です(劇中に出てきたもので記憶が正確でないかもしれません)。

  • 憎しみは病。伝染する。憎しみを持って生まれてくる人はいない。

  • (砲弾を受けて亡くなった娘の)ベッサン、マヤール、アーヤと(姪の)ヌールは "数 (number)"じゃない、謝罪に値する人間だ。

  • (亡くなった娘の絵に向かって)私は諦めていない。

生き残った娘さんが記者会見で「怒っていますか?」と記者に質問されたときに、
「被害者が正義を要求しないといけない、この状況に対して怒っています」
と涙を堪えながら話していたのも心に響きました。
戦争も差別も、傷ついた被害者が声を上げないといけない。残念なことによくある構造。だけれど、だからこそ、当事者ではない、周辺にいる私たちが声を上げる重要性を考えさせられます。

さいごに

アブラエーシュ博士が来日して日本のメディアに取り上げられています。
興味を持たれた方はぜひ一次情報にアクセスしてみてください。

ACROSS THE SKY J-WAVE
※radikoで10/7(月)14時まで聞けます。

報道ステーション

ではでは。

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