魔女の宅急便キキに憧れて。そして、私たちは飛び方を覚えてしまった【伊勢〜志摩旅レポート】【第1話】
※今回の記事は、「日産自動車 ソーシャルメディア事務局」様のイベントで当選した1泊2日「 #GREENJOURNEY 伊勢志摩」トライアルキャンペーンの旅レポートの「第1話」になります。
↑伊勢志摩の旅に当選しました。
私の創作大賞は終わりましたが、新しい可能性がまだnoteに眠っているはず。いや、そう信じたい。私が!!!!
そんな訳で、ライター✖︎創作の趣味を掛け合わせた旅エッセイを書いてみました。
↑プロローグはこちら。懸賞で旅が当たり、レンタカーをかりるところまで紹介してます。
↓第1話はこちらから
伊勢志摩スカイライン〜朝熊岳金剛證寺編
レンタカーで借りた日産リーフで、私たちは伊勢志摩スカイラインへ。
伊勢志摩スカイラインは、伊勢神宮〜おかげ横丁〜鳥羽を結ぶ、全長16kmのドライブウェイだ。
山頂展望台からは、伊勢湾・伊勢志摩の景色を一望できる。
↑伊勢志摩スカイライン公式サイトはこちら
山頂に向かうまでは、うねうねした坂道が続く。反対車線からは、ヒュンヒュンと音を鳴らしながら走る車、バイクとすれ違う。
一歩間違えれば、まさに大惨事。運転するのは夫とはいえ、私のヒヤヒヤは止まらない。そんな私に対し、夫は落ち着いた口調でこう答えた。
「車の馬力がいいから、坂道も全然苦じゃない。加速度がいつもと違う」
夫のセリフを聞いた瞬間、日産リーフの公式サイトに書かれていたキャッチコピーをふと思い出す。
↑公式サイトはこちら
運転しながら、日産リーフの快適度に唸り続ける夫。車窓も広く、周りを見渡しやすいので運転しやすいそうだ。
スカイラインの山頂付近には、伊勢神宮の鬼門を守る寺と言い伝えられている「朝熊岳金剛證寺」がある。
↑朝熊岳金剛證寺の公式サイト
三連休1日目でも、人の気配は少なめで参拝しやすかった。
階段が多めなので、小さなお子さん連れの方は注意が必要かもしれない。(ベビーカー移動は大変そう)
階段の上まで辿り着くと、日本庭園のような光景が広がっていた。まるで、絵画をそのまま切り取ったように美しい。
境内には、願いが叶うとされる重軽地蔵がある。どうやら先に地蔵を持ち上げ、願いごとをかけてもう一度持ち上げた時に軽さを感じると叶うらしい。
実はこの手の神様、私は苦手だった。なぜなら、いつも2回目の方が重たいから。
願いをかけて、期待を込めて挑んだのに。「あなたは無理ですよ」と拒絶されてる気がして怖かった。
今回は、不思議と軽さを感じた。願いが叶うかも。えっ、何の願いをかけたのかって?
フフフ、秘密ですよ。叶ったらまた報告します。
浅間山山頂✖︎天空のポスト編
お寺を参拝後、私たちは再び伊勢志摩スカイラインへ。少し走ると、すぐに山頂広場・展望台に辿り着く。
この広場・展望台で有名なのが、天空にあるポストだ。天空のポストでは、郵便の集荷も行われている。
好きな子にラブレターを渡したい。大切なあの人へ、手紙を送りたい。
そのような思いを抱えている方は、天空のポストから郵便物を送れば、あなたの思いが伝わるかも。
最寄りのお土産屋さんでは、撮影時に使える箒をレンタルしていた。
そのような理由もあってか、広場・展望台では箒へ跨り、飛ぶ練習をし始める人々で溢れかえっている。まるで、ハリーポッターの学校みたい。
みんな、少しでもいい写真を撮るために、決死の表情で飛び上がろうとしていた。
もちろん、好奇心旺盛な私たちも、試さずにはいられない。
気がつけば、箒を使って「どうやったら、箒に跨って飛んでる感じの写真が撮れるのか」について、試行錯誤をし始めた我が家族。
ちょっと上手くなると、もう少しレベルアップしたくなる。前より飛べないと、自分の不甲斐なさにガッカリしてしまったり……。
もっと高く、高く飛ばなきゃ。そう思ってしまうのは、人間の性だろうか。
やがて私たちは、調子に乗って命懸けのチャレンジをし始めたのである。
なんと、側面が崖である「平らな部分」に足を置き、そこから内側へ向かって、箒に跨って飛ぼうとし始めたのだ。
そうすれば、「より、空を飛んでる感が出るだろう」と。そう思い始めたのも、他の観光客が試していたからに他ならない。
旅は怖い。
普段ならやらないことも、テンションが高くなるとチャレンジしたくなる。
世界のYouTuberの方で、「高いところに登って、歩けるか試してみた」という動画を撮影して、本当に亡くなってしまったという話、そういえば聞いたことがある。
そんなことで死んでしまったら、元も子もない。
マジで滑ったら死ぬので、良い子のみんなは真似しないで欲しい。あの時の私たち夫婦のテンションは、どうかしていた。
「ほら、こうやって飛ぶんだよ。足を曲げると、飛んでる感が出るから」
そう言って、夫は華麗に飛び始めた。
夫は普段からチョコザップに通っているので、跳躍力が半端ない。
不覚にも、その日はロングスカートのタイトバージョンを履いてきてしまった。箒に跨ると、スカートが捲れ上がり、パンツが見えそうだ。
夫はすっかり楽しくなってしまったのか、あちこちで撮影スポットを見つけては、箒に跨り飛び始めた。
箒に跨って、ふと思い出す。
そういえば私、魔女の宅急便に登場するキキに憧れていた。箒に跨って空を飛べたら、きっと楽しいだろうなぁと。
でも今、あのアニメを見返したらなんて思うのだろうか。
一族の掟に沿って修行しないと生きていけないなんて、なんだか大変そうだ。
「13才なら、もうちょっと親元で過ごした方がいいんじゃない?」「親元はなれて、仕事させるなんて……。勉強した方がいいよ」とか。
もはや、ここまで来ると。余計なお世話である。
キキの立場からすれば、もしかしたら親元を離れて働いた方が彼女のためになるかもしれない。そもそも魔女の一族が抱える葛藤なんて、他の人生を送っている人間になど。理解できる訳がないのだから。
人はつい、自分の立場や目線でクソバイスをしてしまいがちだ。私も油断すると、そっち側の大人になってしまいそう……。気をつけなきゃ。
45才の今あの作品を見返すと、余計なことを考えてしまい、素直に楽しめないかもしれない。そう思うようになったのは、自分が親になったからだろうか。
まぁ、今は。箒に跨って、少し飛べるだけでも、ちょっぴり楽しい。
この「一歩を踏み出す時の楽しさ」を忘れずに、これからも家族で少しずつ楽しんでいけたらいいなと思う。
【第二話へ続く】