産前産後は無理してはいけませんよって話が、負けず嫌いフリーランスにはなぜか拗れる件について
私は、フリーランスのライターとして活動している。
妊娠中は、仕事量を減らしていたとはいえ、子供を産む直前まで執筆を続けていた。今思えば、なかなかの仕事バカだ。というか、もしかしたら、私はただのバカなのかもしれない。
本当は休むつもりだったが、休むのが恐怖でしかなかった。
理由は、お金ではない。むしろ、お金ではあまり困っていなかった。夫は昇給し、やっと低収入から人並みの給料へ。両家ともに、そこそこ実家が太く援助も受けている。
私が仕事を休めなかったのは、社会との繋がりが断絶されてしまう気がして、怖くなったのだ。だから、妊娠中もずっと仕事したい気持ちでいっぱいだった。
周囲から受けた休んだ方が良いというアドバイスさえも、あの頃は全てクソバイスに感じていた。
今思えば、私が妊娠したのは40歳。出産は41歳。無謀でしかない。周囲がアドバイスするのは、決して間違っていない。
(※私の場合は問題なかったとはいえ、妊娠出産には切迫早産などのトラブルもあるので、休める時は休んだ方がいいよってクソバイスここに置いておく)
産後も1〜2ヶ月休んで、少しずつライター業を復活。早く復活しようとしたのは、心のどこかで職を失うのではと不安があったから。そもそも不安とは、自信のなさの裏返し。
情けないし、みっともないし、カッコ悪い話だけど、どこかで私は自信がなかったのだろうと思う。
フリーランスには産休育休がないので、休んだら終わり。だから、無理して余計に頑張ってしまう人の気持ちも、私はよくわかるのだ。
そのせいもあってか、私は人に「休んだ方がいいよ」とは決して言えなかった。
なぜなら、自分が他人からそんな風に言われたら、むしろ「負けてたまるか!」と余計に頑張ってしまうから。無理をするから。逆効果になるのがわかるから。
本当にそう思うなら、私ならおそらく「安静にして下さいね」とだけ伝えるかもしれない。
ましてや「妊娠、産後に仕事なんて絶対無理だと思う。絶対できないから」なんて言えなかった。それ言ったら、大抵の負けず嫌いは無理するだけだから、だ。
とくに他人の言葉の中に「絶対」が入ってると、余計に覆したいとすら考える。これが、負けず嫌い中の負けず嫌いの心中である。負けず嫌いは、自分で自分の首を絞めるのが大好きだ。
だから、どんどん自分を厳しい状況に追い込んでしまう。自ら、生きづらい場所に身を置こうとする。無理しなければいいだけなのに、無理するなと言われるとムカつくのだ。
ただ、今となり思うのは、フリーランスの場合は、たとえ休んでも実力や実績のある人には仕事は来るし、なければ来ないだけ。つまり、実力主義の世界ということ。
だから、無理してガツガツしても、ダメな時はダメ。良い時は、評価される。ただそれだけの話。
ついつい無理して頑張ろうとしてしまう時は、そう思うように切り替えた。それから、いい意味で自分を俯瞰できるようになった。良い時は喜べ、ダメな時は潔く諦めがついた。
それから、少しずつマイペースさを取り戻している。無理をしないためにも、自分なりに戒めルールを作り、これからを生きていく。