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シンソウ坂上「キンタローさんの不妊治療」を観た感想
昨日、シンソウ坂上というTV番組で芸能人のキンタローさんが不妊治療をして出産するまでのドキュメントが放送されていた。
こうして著名人がTVに出て、不妊治療体験を話すのは凄く良いことだと思う。
有名な芸能人が話すことで、不妊治療の敷居が低くなるから多くの人が早いうちに「病院へ行こうかな」と思うのではないかな、と。
とくに今回は男性不妊がテーマだったのも良かった。不妊の原因って、男性にも少なからずあると言われてる。
でも、子供がなかなかできない夫婦に対して言われる野次って大体「女性に原因があるんじゃない?」「奥さんが歳だから」とか、女性側の問題を指摘されることがほとんど。私自身も、腐るほど散々言われてきた。
もちろん、卵子の老化が不妊の原因であることは間違いない事実ではあるが、実は男性の精子に問題があるケースも大いにあるということを知って欲しい。
だから、男性も奥さんから「病院に来て」と言われたら嫌がらずにあなたも精液検査すること!!!
体外受精セミナーに奥さんから誘われたら、あなたも参加して!!
もしそれが嫌なら、子供ができない理由を絶対に奥さんのせいにするなよ。
テメェのお母さんにも「僕が協力しなかったから」って、ちゃんと説明しろよ!絶対、絶対だからな!
↑こういう話は本当に多く聞くから(怒)
それから、キンタローさんのように1回の採卵、移植で上手くいくのは実は稀なケース。(私もやけども。だから余計に奇跡って思うよね……)
なお、体外受精患者の平均移植回数はわからないが、色々な人の話を聞いたり体験談記事を読むと2〜3回移植される人が多い印象。
もちろん何十回も採卵、移植を繰り返している人もいる。なかには、何百万、一千万以上かけてる人もいる。とくに不妊治療ブログやTwitterのアカウントだと、何回も繰り返してる人が多いかも。
さらに妊娠しても流産を繰り返す不育症、受精卵子の染色体異常を調べる着床前診断に多額のお金を投資される方もいる。
そして、着床前診断は必ずしも100%ではない。
不透明で終わりのない道を、ずっと結果が出るまで続ける、もしくはどこかで自分なりに区切りをつけなければならない。精神、肉体ともに辛いのが不妊治療である。
キンタローさんがすぐに顕微授精で赤ちゃんができたからといって、必ずしもみんな不妊治療すれば子供が授かるわけではないのだ。
TVという都合上、成功談をサクサク進める点は仕方ないけど、そうじゃないケースの方が遥かに多い。
それでも、こうしてTVで不妊治療問題が取り上げられるのは良かったと思う。不妊治療って友人同士で話すのはなかなか抵抗あるネタだし、顔見知り同士で情報の共有もしずらい。
私自身も、雑誌を購入して調べたりネットでエゴサするなどして自分なりに調べたものだ。人に聞いていいのかどうかもわからないし……。
それでも、私は他の人と比べると色んな人に「不妊治療しようと思ってる」とオープンに話してきた方かなと思う。だから経験者からのオススメの病院を教えて貰ったり、治療前から色んな情報を知ることができた。
しかし、私のように話せない女性の方が遥かに多いのが不妊女性達の現状だ。
昨日、母親から「あんたは友達に、私は不妊治療してましたって言うの?」と聞かれた。
私は「流石にこの歳(40歳)だと、みんなどうせ不妊治療だろって思うでしょ。
下手に影で噂されるくらいなら、私は自分の口で説明したい。
そうすれば、不妊治療が悪いものだと人から思われなくなると思う」
と伝えた。
すると母は「そうよね、みんな最近やってるもんね。昔は不妊治療してましたってTVで言うと批判があったけど、東尾理子さんが公表した辺りからオープンになってきてるもんね。それに、どうせ黙っててもバレるよね」と言って笑っていた。改めて、東尾理子さんの影響は凄いなぁと感心したけど。
まあ、私はブログやSNSでもオープンに話せるし、もともと婚活ライターという特性上平気でもあるよね。普通に働いてる女性からすれば、職場で変な偏見持たれるの嫌だと思うし、なかなか言えないよね。私も元OLだから、その点は凄くわかる。
また、いくらなかなか子供ができないからと自分を「不妊」と認めるのには勇気がいる。
不妊と認めた瞬間から、まるで自分は女性として終わってしまったような気さえするのだ。
実は私も、自身が不妊と認めるまでにかなり時間を費やした者の1人だ。
かといって周囲から「不妊治療したら?」や「あなたの年齢では自然では無理。お金かけないと」などと言われると腹が立ったりするんだよね。
私は不妊じゃないし、とか。あとは女性って、いくつになっても自分は心のどこかで「まだいける!」って思いたい生き物でもある。
「その年齢ではもう無理じゃない?」とか言われると、いやいや!まだまだ!って否定してしまいたくなる衝動に駆られる。
ただ、不妊から一歩進むためには自分が不妊であること、そして年齢を受け入れて現実を知ることが本当に大切だと思う。
そうしてはじめて、人は病院へ行こうとか、検査しよう、治療のステップを上げようって決断するものだから。