見出し画像

Sound of Incense〜桜香

・バイリンガルな和の香りと親しむ会

先日、代官山サロン・ドゥ・コロナさんでの「和の香りに親しむ会」桜香に参加させていただきました。

伺うとなんとホワイトボードに英語!

今回はアメリカから日本の文化を学びにいらしたとてもキュートな女性が参加されて、なんとバイリンガルなお香の会だったんです。



・紀貫之の頃は花見といえば山桜



今回のテーマ、証歌poemは紀貫之の

「桜花 咲きにけらしな あしびきの 山のかひより 見ゆる白雲」

少し話はそれますが、紀貫之の頃の桜といえば山桜でした。ちなみにお花見といえばのソメイヨシノの品種ができたのは、幕末のころだそうです。

桜を白い雲に例えているのも、山桜の花が白いからだと言えます。若葉が赤いのでピンクっぽく見えるのです。

当時のお花見のように山から下を見下ろす山桜のお花見が唯一今でもできるのが奈良の吉野山です。

昨年の写真ですが、吉野へ参りました時の写真です。少し紀貫之の歌の世界を感じていただけたらうれしいです。


・「聞香」英語だとわかりやすい


さて、桜香に戻りますと、先生が英語で説明なさるので、返ってわかりやすいなぁと思って聞いておりました。

組香は「incense-comparing game」

香のコンペ、香を比較するゲーム、

なるほど!です。ゲームなんだから楽しまなきゃですよね。いつもついつい真剣になり過ぎてしまう私ですが、今回は楽しみたいと思いつつ、

次のお話、

聞香は

Listen to

the Sound of Insence

そうか~香木の声を聴くって感じってことですよね。

香の波長を感じるというようなことも仰ってらして、そういうことだったのかと感心。

お香の会では、香りを嗅ぐではなく、「聞香、香りを聞く」と言いますというように、私はこれまで書いてきましたが、英語にした方がわかりやすいですね。

鼻は入口であって、もちろん嗅覚も使いますが、香木の声を聞き、香の波長を感じ、さらに五味と言って、香りを味で表現したりするのは、五感を全て使っているっていうことですし、

さらに証歌があることで、歌のもつ美しい世界の中に入ることもできます。

ほんと日本独自の素晴らしい文化だと思います。

香りを嗅ぐということと、聞香とはずいぶん違うことなのだと、英語の説明のおかげでわかってきた気がしました。


・聴覚を開く


偶然なのですが、翌日、創作楽器演奏家のガイネさんとのイベントで、聴覚を開くワークをやりました。

公園の静かな場所で、自分のすぐ近くからだんだんと範囲を広げてひたすら聞くことをしていくと、不思議なことに体感まで変わっていくのです。

気温の感じ方まで変わっていく感じです。いつも同じようにただ聞いていたものを、自分の意識で変えていくことができるとわかったし、聞くことは耳だけでなく、実は身体全体がしているのだとも思えました。聴覚というより、聴感覚という感じです。


お香も普段とは違う自分の意識や感覚の世界へ運んでくれるツールで、きっと私が長年使っていないところを開いてくれていると思えます。

組香は全問正解ならずでしたが、身体の中に香の香り取り込むということだけでも、何かが違ってきている感じがしますし、とてもすっきりします。

前回書いた香の十徳を思い出しました。

・とても貴重な香木、伽羅


今回は外国のお客様ということもあり、先生が大変貴重な伽羅をたいてくださいました。今や手に入らず、びっくりするくらい高価なものとなっているそうなのです。

沈香の中でも特に香りの成分の密度が濃く、芳香も優れた最高級のものが伽羅なのですが、会が終わった後でも、その香炉からだけは素晴らしい香りがしており、みなさん自然とそのそばに集まっていました。

ほんの小さなかけらから、こんなにすごい香りがずっとしているなんて。みんなで香浴しているみたいで、身体が温かい感じもしてきます。皮膚でも香りを感じているのですね~

貴重な体験をさせていただいて、とてもありがたく思いました。

先生とご一緒くださった皆さんに、心より感謝申し上げます。

お香の会のあとのお茶会。たねやさんの桜餅を美味しくいただきました♡さらに幸せ(^^)


香道の記事をまとめてみました。初マガジンです♪



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?