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休みの日は業務用スーパーへ
コロナになって、職がなくなった男性と一緒に住むことになり、一番変わったこと。
食費がかかる。これに尽きる。
適齢の男性はよく食べる。ものすごく食べる。
そもそも私の頂いているお給料は、自分を養うだけならばちょうどいい分のお給料だと思う。よく食べる男性を養うほどの余裕はない。そしてこれから給料が上がる見込みもない。
家の屋根を貸すとは言ったけど、養うとか面倒を見るとは言っていないのだ。自分の面倒は自分で見ろ、食費や生活費は自分でどうにか稼いで来いと言っても問題ないのだが・・・。
この男性、私が仕事をしている間に、洗濯、掃除をしてくれており、「ただいま」と帰ってくるタイミングでおいしい料理を作って待ってくれている。
風呂の掃除は今までのひとり暮らし生活でこびりついていた水垢を取り除き磨き上げられ、料理は肉と野菜がバランスよく並べられ(しかもおいしい)、たまに、我が家には圧力鍋などないので時間のものすごくかかるだろう角煮などを作ってくれていたりする。
この男性の専業主夫としての評価は問題なく高レベルだと思う。結婚していないけど。
そこまでしてもらって、飢えさせてしまったら申し訳ない、飢えたならばもはや私の監督責任なのではないだろうかと、多分たぶらかされた上に頓珍漢な考えなのだろうけれども真剣に悩み始め、行きついた答えが休みの日に2駅先の業務用スーパーへ行って買いだめをする、だった。
食費捻出のための手段だったのだが、これが意外と楽しい。
晴れていたらスニーカーを履き、ひたすら歩いて我が家から4km先にある業務スーパーへ行く。交通費の節約と、普段動かない生活をしている体に対する運動も兼ねている。
スーパーでは男性は目をキラキラしながら、あれが安い、これはまだ高い、これがあるならあの料理を作ろうかと、まるごと1つ100円のキャベツや1キロパックの肉をカゴに入れていき、私はそのカゴの乗せたカートをのんびりと押して歩く。
そしてレジでは、これだけ買ってこの値段なのか!と毎回驚いてしまう。
二人両手に重たくなったエコバックの袋をぶら下げて、背中のリュックにも詰め込んで、マスクの下で小さく「今日も重くなった」と笑いながら電車に乗って帰る。
休みの日に業務用スーパーに行くことが、密かな楽しみになっている。