診察記録は『ツイン・ピークス』を参考に
大学生の頃、米国のテレビドラマ『ツイン・ピークス』が流行った。
当初はWOWOWに加入しているか、VHSビデオでしか、みる方法がなかった。
アナログな時代だった。
『24-TWENTY FOUR-』が放送される10年も前のことで、最近のドラマでいうと『ゲーム・オブ・スローンズ』並の世界的ヒットだったと言っていいだろう。
デイヴィット・リンチ監督によるこの作品は、ツイン・ピークスという架空の土地が舞台で、殺人事件の謎を中心にすえた群像劇である。
カイル・マクラクラン演じるクーパー特別捜査官が、常に小型のカセットテープ・レコーダーを携帯し、捜査状況を逐一録音で記録していく姿が印象的だった。
日本のドラマでは、捜査記録は刑事さんたちが手帳に記録していたから、録音なら早くて負担が軽減されるし、「アメリカは進んでいるな」と思ったものだった。
でも手書きも悪くない。
後で確認する時には、文字で書かれている方が録音再生よりは便利な点があるだろう。
それにぎっしり書かれた捜査手帳は、事件を解決する大事なツールになったりするし、趣もあった。(ドラマの話ではあるが…。)
「記録」とは少し違うが、最近、手帳に日記をつけ始めた。
手書きで書く日記。
それはそれで気に入っている。
一方で、人に伝えるための文章を作るときはパソコンがいい。
単なる習慣の問題かもしれないが、使うツール、体の動かし方によって、出て来る言葉や表現は変わってくるのではないかと感じている。
そうであるならば、選択肢が色々あるのはいいことだ。
さて、
自分は数年前に重い病気になったのをきっかけに、診察結果について記録するようになった。
最初の頃は診察中に聞きながらメモっていた。
急いで書くから読みにくい字になるし、書ききれない内容、微妙なニュアンスを後で付け足していくから、さらに雑然としたメモが出来上がる。
だから時には清書してみたり。
でもしばらくすると、あのメモはどこ?と探しまくることになる。
そこで、ある時、思いついた。
診察記録では、文学的な表現は必要ない。
大事なのは、正確な理解及び記憶に基づく、正確な記録だ。
エビングハウスの忘却曲線によると、人間の脳は一回記憶した内容も20分後には42%忘れてしまうとか。
だから、診察室を出たらすぐ、待合室にいる時点でメモアプリにレポートしていく。
なじみのない病名、初めて聞く体内部の部位、漢字のわからない検査名も、正確に文字変換してくれる。
調べたかったら、そこから検索に飛べばいい。
作業が早いのだ。
小さな声でも、ちゃんと音声を拾ってくれるから、他の人に聞かれずに記録できる。
だから、スマホを口に近づけて、ボソボソと話す。
その様は、まわりの人からはクーパー捜査官のように見えているかもしれない…。
そして、箇条書きにするなど、ちょっと体裁を整えたら、それなりのレポートが出来上がるから、病院の会計を待つ間に、そのまま夫に転送する。
「今日の診察ではこんなこと言われました」みたいな感じで。
1行目に日付、病院、先生の名前を書いておけば、後ですぐに見つけることもできる。
だから、あのメモはどこ?と探しまくることもない。
もうだいぶ色々な診察記録がたまっているが、大丈夫だ!
まあ、そもそも、診察の機会が多いこと自体が、大丈夫ではないが…。
最近では診察記録だけでなく、旅行の記録、買い物リストなど、あらゆる場面で音声入力を使用しており、今や生活に欠かせない存在となっている。
クーパー捜査官を思い出したら、久しぶりに『ツイン・ピークス』がみたくなってきた。
調べたら、現在Amazonで配信中だ。
しかも自分はプライム会員だから、今すぐ無料でみられるのだ。
デジタル、何かとありがたい時代だ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
追記:見出し画像は、「みんなのフォトギャラリー」から選択し、
shinobuwada さんからお借りしました。ありがとうございます!
追記:コングラボードをいただきました!
お読みくださった皆様、ありがとうございました😊