第一章 ライバルの秘密(吉本蓮)(1)
小学五年生、吉本蓮君の話です。
同じ教場に優等生の宮田君がいて、いつも塾では1番。蓮君は宮田君をライバルだと思っていますが、はたして宮田君は蓮君のことをライバルだと思ってくれているのか?
蓮君は宮田君にはどうしても勝てなくて、だんだん勉強への情熱を失います。
そんなとき、お父さんが蓮君にある提案をします。
「また負けちゃった」
僕は肩を落としてそう呟いた。十月の公開模試で、また宮田勇樹君に負けたのだ。
僕は吉本蓮。日進研に通う五年生だ。
宮田君は僕のライバルだ。いや、