【ショートショート】デジタルバレンタイン
「こちら、地球防衛軍。CHO58(シーエイチオーゴーハチ)応答せよ。」
「はい、CHO58。地球は本日、安泰です。」
毎朝6:00、地球防衛軍からの応答に応えている人がいる。ぼくの父だ。
父は、サラリーマンで、ロケットの部品関係かなにか、地球防衛軍にとって欠かせない役割を担っている仕事をしている、らしい。
「こちら、地球防衛軍。CHO58(シーエイチオーゴーハチ)応答せよ。」
「はい、CHO58。地球は本日、バレンタインです。」
え?アンタイです!だろ?
『タイ』がついてるから大丈夫だ。
口パクの声でやりとりする。父はときに適当だ。
2月14日、父とぼくにチョコレートが届く。
母が勤めていたケーキ屋から母が贈ってくれている、らしい。
母は3年前、ぼくが5歳のとき地球防衛軍へ派遣された。ケーキ屋なのに?と、驚いたが、その手先の器用さと類い稀なるコミュニケーション能力を認められた、らしい。
どうやら母は、
ぼくらを守ってくれている、らしい。
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こちらの企画に参加させていただいています。
サイエンスフィクションでもなければ
デジタルでもない。
だって、バレンタインってデジタルにはしたくないものの筆頭じゃないか!
チョコレートって、デジタルでは味わえない、いや、味わいたくないものの絶対じゃないか!
お題を見て反発心を抱くとは、
全く青いニンゲンです。
薄青い輪郭の…
手が床までつくほどの…
目が顔の半分くらいある…
とりあえず、
SFの概念を学び直していきたい所存です。はい。