多摩デザイン大学「カルチュラルエンジニアリング」 三浦 亜美さん
昨年通った多摩美術大学が、期間限定「多摩デザイン大学 / Tama Design University」を開校しているので、受講しています。
この問いを頭に置きつつ、学んでいこうと思います。
「我々は新しい世界をどうデザインできるのか?」
我々は今、環境をはじめとした様々な課題や、テクノロジーによる急減な変化と向き合っています。その状況の中でどうデザインするかの前に、何をデザインしていくべきなのかを問い直していくことが重要ではと考えました。
▼講義詳細
多摩美術大学が、誰もが参加できる“デザインの大学”を期間限定開校。50の新たなデザイン領域を知る、講義プログラム公開
東京ミッドタウン・デザインハブ第94回企画展「Tama Design University」12月1日(水)〜12月26日(日) 会期中は講義プログラムを毎日開催。聴講無料。
▼講義一覧HP
■テーマ
カルチュラルエンジニアリング「『あいま』を取り持つことが生み出す価値とは?」
カルチュラルエンジニアリングとは、伝統産業にテクノロジーを導入することでアップデートさせていくことを指すとのことです。
ご自身の活動と、想いのご紹介がありました。
下記、Forbesの紹介記事見つけましたが、行動力がすごいですね・・!
アレン・マイナー(日本オラクル初代代表)と出会ったきっかけも似ています。米セールスフォースドッコムの10周年パーティーに参加したときのこと。当時、目新しかった分子調理でできたゼリーがあって、なんだこれは!と感動していたら、目の前に同じくひとりでお酒を飲んでいる人がいて、偶然目があったので「このゼリー美味しいですよ!新体験!」と英語で声をかけたら、それがアレンでした。そこからバックパッカーから帰国して2カ月だったので、色々ビジネスと関係のない話で盛り上がり、その中で「いま僕の秘書を探しているんだ」と言われました。
「僕の秘書はバックパッカーのようにパッションがある人じゃないと務まらない!」と言われたので、早速面接に行き、アレンがCEOを務めるサンブリッジでエグゼクティブアシスタントとして働くようになります。そこでは行政とのインキュベーション施設の立ち上げや、スタートアップ支援、合弁会社設立などアレンと共に色々と経験させていただきました。
現在、アレンは弊社のアドバイザーになってもらっています。
Forbes記事より
ご自身の会社ima(あいま)では、
起藝
アート×アントレプレナーシップ
文化工学
伝統工芸×テクノロジー
を軸にプロジェクトに深く入り込み、課題発見から、収益化・ブランディングまで寄り添うことを主に行っているそうです。
いくつか事例のご紹介。
①AI-Sake
お酒造りの匠の技を、AIを活用することで事業継承をサポートする試み。
漬潰(しんし)という工程だけは職人が目視だったので、その部分をAIに置き換え管理する製品のプロトタイプを作成中。
その際には、嘘じゃないAIを使うことが必要だそうで、論文で因果関係を確認したり、AIに詳しい教授などに聞いたうえで、最新のAIを活用するように心がけているのだとか。
awa酒協会設立の背景として、乾杯🥂などで、いつもフランスのシャンパーニュ、スペインのカヴァなどが扱われている現状から、グラスに映える発泡性の日本酒を開発することで、世界の乾杯シーンに日本酒で対等に並ぶことができる、との想いからだそうです。
現在、25蔵でawa酒つくりの活動をしているようで、実際に世界のオープニングセレモニーでも使われ始めているとのことです。また、事業の継続性のために、商品開発基準・品質基準・評価制度(認定シールなど)の仕組みづくりも行ったとのことでした。
③志本株式会社
こちらは2020年に作った事業継承に特化した会社とのことです。
④社会への問いかけ
定期的にアーティスト活動も行っているそうです。
Media Ambition Tokyo2019出展作品
Media Ambition Tokyo2020出展作品
最後に、下記で締めくくり。
あいまをとりもつために欠かせないポイント
問題の本質的理解こそが正しくテクノロジーを適用するうえで必要です
1. その問題が解決することによって生まれる価値を考える
2. 解決したい業務プロセスの全体像を理解する
3. ハードルになる課題を洗い出す
4. 適切な技術を選択する
特定の専門家だけではなくチームでの取り組みが重要
会社のキーワードは「寛容」
■所感
やりたいことがたくさんあって、それを自分の気持ちに素直に実現されているなと感じました。今は芸術の秋なので、アート活動をやりたいとかもおっしゃっていました(笑)
なにより、伝統とテクノロジーの掛け合わせって、言うのは簡単だと思うのですが、実際に試行錯誤しながら、いろんな人を巻き込みながら、形にしていっているところがすごいと思います。
イノベーションは遠いところと遠いところの掛け合わせ、とよく言いますが、なるべく離れた業界の接点を探してサポートすることで、新たな世界が見えてくるのかと思いました。