多摩デザイン大学「プロセスデザイン」 栗林 和明さん
昨年通った多摩美術大学が、期間限定「多摩デザイン大学 / Tama Design University」を開校しているので、受講しています。
この問いを頭に置きつつ、学んでいこうと思います。
「我々は新しい世界をどうデザインできるのか?」
我々は今、環境をはじめとした様々な課題や、テクノロジーによる急減な変化と向き合っています。その状況の中でどうデザインするかの前に、何をデザインしていくべきなのかを問い直していくことが重要ではと考えました。
▼講義詳細
多摩美術大学が、誰もが参加できる“デザインの大学”を期間限定開校。50の新たなデザイン領域を知る、講義プログラム公開
東京ミッドタウン・デザインハブ第94回企画展「Tama Design University」12月1日(水)〜12月26日(日) 会期中は講義プログラムを毎日開催。聴講無料。
▼講義一覧HP
■テーマ
プロセスデザイン「つくり方そのものをつくるとは?」
元博報堂のプランナーの方。見たことのないたのしみなものを作り出すには、下記が大切です、というところから始まります。
つくり方をデザインする
※デザイン=目的実現のための設計
つくり方をつくるとは、
1. 今のつくり方を分解する
2. すべて疑ってみる
3. 何か一つ極端に変える
この3つを丁寧に行うことが大事と。実際の例のご紹介。
Case1 数字でつくる
SNSなどによって、コンテンツの評価がより可視化されるようになってきたので、Youtubeコンテンツの「数字」(国内外、ブランド/発信者、企画タイトル、内容、コンテンツのツボ、再生数、URL、TIPSなど)だけ見て、伸びているものだけを分析してみたら、共通の要素と切り口が見えてきたそうです。
読売新聞インタビュー記事より
これらの共通項から、日本文化を今風にアレンジするとバズると確信し、「メディア出稿費」というものを一切使わず、1,000万人の人に届けることができ、見たことのないCMがつくれたとのこと。
▼忍者女子高生
あくまでも客観的に炙り出した要素を、発想の起点として使うことがポイントだそうです。
Case2 反射でつくる
次に、良いものを作るために、本当に時間って必要か?との問いから、世の中の「興味」を、ずっと見てみた時期があったそう。
ハーゲンダッツのアイス開けたときの形がハートに見える、というTwitterをみて、幸せの💛WEBサイトをつくったとか。
※次ハーゲンダッツ食べる時に、必ずどのハートの形か探しちゃいます・・!
また、寒い時期に、猫が車のボンネットに入りがちなので、注意喚起するために#猫バンバンプロジェクトでロゴや映像をつくり、発信したそうなのですが、動画素材は猫好きな人から集めてすぐに作ったのだとか。
50種類もロゴがあって可愛いですね🐈✨
いかに作り込むか、ではなく、
いかに作り込まないか。
今の興味に素早く反応することで、新しいものが生まれる。
とのことです。
Case3 制限してつくる
本当に映像コンテンツに16:9の画角が必要?と思い、あえてスマホだけでしか堪能できない縦動画や、スマホだけで動画をつくってみたりもしたそう。
Case4 失敗前提でつくる
さらに、ヒットって必要?無邪気に楽しんでつくったものも良いのではないか?と、「6秒商店」という失敗し放題の場所をつくってみたり。
Case5 越境してつくる
本当にTVならTVのプロ、映画なら映画のプロなど、その道のプロだけでエンタメコンテンツをつくるべき?との思いから、あえて映画を作ったことないひとたちで、Vlog映画を作ってみたり。
結果的に、一切広告を使わず、世界で500万再生を突破したとのことです。
最後に、こういったつくり方を身に着けるには、
とにかく細かく分解して、疑った後に、そのあと信じきる。
仮説をもってどこを変えるべきか精度を上げる。10年後などを想像する。
とのことで締めくくり。
■所感
ザ・プランナー!ですね。世の中のヒットの要因を細かく分解・分析して、次のヒットを量産していく。トレンドに合わせて、はたまたトレンドを疑って、思いっきり変えてみて。
世の中の流行っているコンテンツは、こうやって計算されて生まれていくのかーと学びになりました。