徳山動物園に来て10周年!ゾウの『ミリンダとナマリー』
周南市市民ライターのorangeです。今回は徳山動物園で行われている『ミリンダとナマリー展』に行って来ました。その様子をお伝えします。
来園10周年記念特別展『来てくれてありがとう!ミリンダとナマリー展』 (開催期間:2023年9月16日から12月18日)
山口県周南市には、「まちなかにある動物園」として市民から愛されている『周南市徳山動物園』があります。正面入り口から入園すると、国内最大級のゾウエリアがあり、大きな2頭のゾウがお出迎えしてくれます。
今年(2023)は、2頭のゾウ、ミリンダ(雄)とナマリー(雌)が来園して10周年になります。『来てくれてありがとう!ミリンダとナマリー展』はゾウについてだけではなく、ミリンダとナマリーついて知ってもらいたいという思いが伝わってくる、そんな企画展になっています。
『ありがとう!』を込めて、先代のアフリカゾウのマリから、スリランカ国から来たミリンダとナマリーの日常、新ゾウ舎や職員の方の苦悩や苦労、そして未来へと繋がる展示になっています。
スリランカ国から寄贈された2頭の小ゾウ
2012年2月15日、先代のアフリカゾウ「マリ」が亡くなり、「再び、周南市にゾウを」「動物園でゾウが見たい!」という周南市民の熱望により、徳山商工会議所青年部が「ぞうさんプロジェクト」を立ち上げました。
設立当初は、ゾウを呼ぶための募金活動をしていました。順調に募金が集まっていた「ぞうさんプロジェクト」。その活動の内容に共感したスリランカ国から、2頭のゾウを周南市へ寄贈する話が、駐日スリランカ大使からありました。しかし、スリランカ国からの寄贈申し出には困難が伴いました。
紆余曲折しながらも2頭のゾウが来ることが決まり、迎える準備が始まりました。万全を期すため、職員がスリランカ国に赴き研修をされたそうです。
2013年9月18日。ミリンダとナマリーが、研修に行っていた獣医師と飼育係長、そして現地のマフー(ゾウ使い)と一緒に日本へ来ました。来園して10日後、待ち望んでいた市民の皆さんへの一般公開となりました。来た当初は、まだ幼さの残る2頭の小ゾウ。当時は体格も同じくらいで、いつも一緒に行動していたそうです。
新ゾウ舎オープン!
平成31年(2019)4月26日、徳山動物園リニューアル第4弾となる「ゾウ舎」の一部がオープンしました。
新ゾウ舎は広々としており、水浴びもできる環境になっています。私も初めて見た時には感動!イキイキしたゾウが見れ、自由で伸び伸び。そして、ミリンダとナマリーの仲睦まじい様子は、とても心温まる気持ちになります。動物園に入ってすぐにあるゾウ舎は、大人になった自分でさえ、ワクワクが止まりませんでした。
ミリンダとナマリーの日常
毎朝夕に足の状態をチェックします。爪が伸びすぎていないかを確認し、2種類のブラシを使って洗浄。月に一度、体重を測るために、2枚の体重計を使って前と後ろ足を1本ずつ乗せ、残りの足と鼻を浮かせて体重を測ります。器用に体重計に乗るゾウの姿は、頭の良さが伺えます。
展示品の中には実際に触れたり、臭いを嗅げたりする物もありました。箱を開けたらゾウの大きな糞がいっぱい。箱の表には『このフタをあけて、中身をさわってみよう』とありました。触れませんでしたが、思わず笑ってしまいました。
そして面白いと思ったのが、ゾウの足裏のパット。人で言う爪を削った物で、実際に匂いが嗅げるようになっていました。私は職員の方が大きめのパットを持っておられたので、それを思いっきり吸引。ゾウの匂いと爪の匂いが混じったもので、強烈な匂いではありませんでした。貴重な体験です。
職員の方の願いと想い
この度、企画展をされた職員にお話しを伺い、今思うことを聞いてみると、「10年も病気や大きな怪我もなく育ってくれたことは、とても嬉しい。後は、ミリンダとナマリーに子供ができ、繁殖ができたら嬉しい。」そう言われていました。90日から110日くらいで発情期があり、発情のサインを見逃さないように気を配っておられます。ホルモン値を計測できる機械も導入されていました。私もミリンダとナマリーの赤ちゃんを見たいです。
SDGsにそった取り組み「ぞうさん堆肥」
徳山動物園の取り組みとして「ぞうさん堆肥」があります。園で飼育しているスリランカゾウやシマウマなどの糞や敷き物を原料としています。一袋(10㎏)200円の堆肥は好評だと伺いました。「たまに畑からスイカが出て来るんですよ」そう農家さんから言われたそうです。糞を捨てるのではなく、肥料として利用している取り組みは、素晴らしいと思いました。
『2頭のスリランカゾウに感謝』
この企画展を見て、感じて、お話を伺い、2頭のゾウへの愛着が増しました。「世界で一番幸せなゾウ」。来園した多くの人にも感じてほしい言葉です。2頭のゾウへの感謝と繁殖への期待を込めて、子々孫々、未来へ繋がる動物園であってほしいと思いました。
※この記事は、周南市の魅力をPRする周南市市民ライターの活動として発信しています。