萩暮らし15日目【萩焼まつり①】自転車で萩城下町めぐる(5月3日)
山口県萩市でGW中の最大級イベントは、400年以上の歴史を持つ「萩焼」の展示即売会です。
県内外からファンが押し寄せる「萩焼まつり」
5月1日から5日まで、萩市内では「萩焼まつり」が開催されます。萩焼の35の窯元の作品が萩市中心部にある明倫学舎(16店舗)と、萩市民館(19店舗)に集まるほか、市内各地にある窯元など(42店舗・事業者)でも作品が展示・即売されます。
いろいろな窯元の作品を比べながら選べる――。というわけで、東萩駅まで電車で向かい、東萩駅前のレンタルサイクルで非常に元気のいいシニアスタッフから自転車を借りると、会場へ向かいます。
萩市民のソウルフード「どんどん」うどん
すでに午前11時が近いので、「先にお昼を済ませた方がいいかな?」と「うどんのどんどん」といううどん屋さんに入りました。11時ちょっと前くらいだったこともあり、ほぼ待たずに座れました。
どんどんは、ここ萩市を発祥とするうどん店チェーンであり、「萩市民のソウルフード」と呼ばれるほどの存在です。萩のほか山口県内の他の主要都市や、隣の島根県、広島県、岡山県、そして東京にも店舗があります(すなだ どんどん 箱崎T-CAT店)。
出汁が最高。甘さもしょっぱさも気にならない、バランスのとれた味で、実においしい。うどんは少し柔らかめですが、このところ(“甘鯛事件”があってから?)胃が弱い私・Yにはちょうど良い感じ。輪切りにしたネギがいっぱいに入った丼がやってきて、自分で好きなだけ乗せられるのもうれしいポイント。食べ終えて帰る頃には、店の前にかなり長い行列ができていました。
物欲を刺激しまくる萩焼まつり会場
そこから明倫学舎までは自転車なら、すぐ。
『さんちゃんち』にはたくさんの萩焼の器が用意されており、既に十分萩焼には触れてるし、わざわざ買わなくても……と思っていたのですが、全ての窯の作品を知っているわけではありません。
軽く2カ所の会場を見て回るだけでも、「このカップはコーヒーをいれたら美味しそう」「サラダにちょうどよさそう」「こんな色の取り皿が欲しかったよね!」――と、物欲が止まりません。
幸か不幸か、この日はレンタサイクルであちこち市内観光を楽しもうと決めていたので、「自転車のかごに入れて移動したら萩焼が割れてしまうのでは」という不安から、かろうじて何も買わずに会場を出ることができました。ちなみに代表・Mは、楕円系の大きめのカレー皿を狙っていたようです。
自転車で萩城下町〜橋本川河川敷を走る
そして自転車で、萩城下町エリアへ。萩は「江戸時代の地図がそのまま使える」と言われるくらい、街並みの姿が往時のまま残っています。それが最もわかるのが、この萩城下町。
この日初めてレンタサイクルを借りたのですが、小回りがきいてすごく役立ちました。電動アシスト自転車を選んだので、けっこうな坂道もラクラク登れます。
そして、河川敷へ。
萩市街地は、三角州です。
橋本川と松本川にはさまれて、もう一方は日本海に面しているため、私たちが住む三見から市街地へ行くときには必ず橋を渡ります。
この川が大きくて、サギやカモなどの類もよく見かけます。が、GW中にも関わらず、案外河川敷はひと気がなく静か。この落ち着いた雰囲気がとっても気に入っています。
私は写真を撮るのがあまり得意ではないのでアレですが、映えスポットもたくさんあるので、「お試し移住」とは言わないまでも、観光に訪れても楽しい街だと思います。
【コメント by M 《2024/5/3》】「萩焼」を展示する萩美術館
2024年のGW後半になり、少し時間をかけて萩市の中心部を自転車で走り回って見てきました。萩市中心部のある三角州は、自転車であれば1日で全体を回り尽くすことができるコンパクトさ。実際、この3日で萩中心部の主要な観光・見どころスポットは回り切った印象です。
萩焼まつりの中心会場である明倫学舎や萩市民館には、これまで見たことのないほどの人がやってきています。駐車場にある車のナンバーを見ても「広島」「島根」「北九州」「岡山」など、中国地方の西部と九州北部から続々と人がやってきていることがわかります。
萩市には「山口県立萩美術館・浦上記念館」という、県立の美術館施設があり、ここには芸術作品としての萩焼が多数並び、その来歴や萩焼の特徴を学ぶことができる。「浦上記念館」とは萩市出身の実業家、浦上敏朗氏(1926-2020)が蒐集し、その後に山口県に寄贈した美術品コレクションを所蔵・展示している。
萩焼のほか、浦上コレクションの「浮世絵」と「東洋陶磁」なども所蔵品のメインで、旅行ガイド『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で二つ星の観光施設(山口県内では最高ランク)として紹介されているという。
この萩美術館の館長・K氏とも後日、お話しする機会があった。山口県立美術館(山口市)から、2024年4月に館長として就任したばかりだが、なかなか萩焼の展示を見に来る人は多くないという。だが、GW中に萩焼まつりで山口県内外から萩焼ファンがたくさん詰めかけたのを見て、「萩焼の人気は根強いんだ」と心強く思ったとか。
「普段使いの萩焼には、これだけ多くのファンがいるんです。萩美術館にあるのは伝統工芸として、そして芸術品としての萩焼ですが、それらを橋渡しするような展示方法を考えたいですね」と、K館長は思考を巡らせていた。
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