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『江戸商売図絵』を模写してみたのパート2。
前記事の続きです。
『江戸商売絵図』(三谷一馬・著/中央公論新社)
は、日本画家の三谷一馬氏が江戸の庶民の生業を絵ときした本で
たくさんの面白く楽しい商いの絵が描かれています。
前記事のコメントにも書きましたが
三谷さんは、岡本綺堂の『半七捕物帳』にとても美しい挿絵を描かれていて
こちらの『江戸商売絵図』でも同様のタッチで江戸の商いを表現されていますが
その美しい絵をゆるい画風で模写してみました。
(以下、一部文章は本書を参考にしています)
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『数珠師』
手に持っているのは、数珠に穴をあける「ろくろ錐」という錐です。
私の絵ではまったくわからないと思いますが
三角のところが糸になっていて
横の棒を上下に上げ下げすることによって縦の棒(錐)がくるくる回るのですね。
このろくろ錐を使うと力が均等になるので
珠が割れないのだそうです。
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『漬物屋』
菜葉や茄子の塩押し、沢庵漬、茄子の酒粕漬、大根・生姜の梅酢漬などの漬物が
売られていました。
この人物の脇には「金山寺ひしほ」と大きく描かれた荷箱があり
金山寺ひしほとは金山寺味噌のことで
それらを荷箱に入れて江戸の町を売り歩いていたそうです。
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『印判屋』
町人が印判を使い始めたのは寛永(1624〜44)以降、しかも限られた階級の者たちのものでしたが
文政(1818〜30)には武士や町人も印を持つようになりました。
町人の印肉は黒印で、朱肉は官印や書画に使われました。
絵の印判屋さんがいままさに彫ろうとしている素材はなんでしょう?
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『彫師』
彫師は、摺師より格が上だとされていて
彫りには「字彫り」と「絵彫り」の区別があって
なんと、字彫りは武家の内職だったそうです(内職って……)。
以前、京都の出版社『法藏館』の中庭にある蔵の中と
所蔵されている江戸時代の版木を見学したことがあります。
蔵の中は、天井までびっしりと古い版木が積み上げられていて
何枚か版木を間近で見ると
普通に紙に書くのでもむずかしい、流れるような達筆の文字が彫られていて
私やったらぜったいに
「あ゛あ゛あ゛ぁ ぁ あ゛!」
って掘り損じすると思うな。
と心の中で思いながら眺めましたが
私がこの目で見たのが、まさにこの「彫師」が彫った版木ですね。
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『髢屋(かもじや)』
髢(かもじ)とは切った髪の毛を集めて、端を固く結えたもので
日本髪を結うときに短いのを補うために使います。
髢屋ではかつらも作って売っていました。
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『覗きからくり』
縁日やお祭りの時に、神社やお寺の境内で子どもに見せます。
前の丸い穴にはレンズが貼り付けてあって
ここから奥を覗くと箱の中の絵が立体的に浮かび上がって見えます。
紐を引いて絵を変えていくという細かい仕掛け。
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『箱屋』
お金を入れておく「銭箱」、道具を入れる「長持」、手紙のやりとりに使う「文箱」、お米を入れる「米櫃」、できあがった料理を入れておく「切溜」(☜知らなかった)などがあります。
そういえば、私の実家には
若くして亡くなった伯父(父の兄で家具職人だった)が作った長火鉢があって
どうやら釘一本使わず作られているものらしいのですが
こういう、人の手で作られたものは
何十年と使い続けているうちに、どこかカタカタコトコトと抜けた感が出てきて
そこにまた愛着が湧いてきます。
自分の描いた絵を見ていたら、その古い長火鉢を思い出しました。